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プロフィール

淵上裕太
フォトグラファー 1987年生まれ、岐阜県出身。2016年より上野界隈に集まる人々を撮影した『路上』シリーズを継続的に発表。塩竈フォトフェスティバル 2022ポートフォリオフォリオレヴュー・写真賞 大賞受賞。GR SPACE TOKYOにてT3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2024年 特別展に参加。
愛用カメラ:PENTAX 67/645Z
愛用レンズ:smc PENTAX 67 90mm F2.8 / D FA645 55mmF2.8AL SDM AW
Q. 街で“声掛けポートレート”を撮るコツは?
A. 「なぜ、あなたを撮りたいか」を伝える
街中で、目が惹きつけられて離せない人を撮りたくなる

「僕の場合、まずは歩きながらその街を知ることから始めます。そして、その場所の雰囲気や特徴を掴んでいきます。歩いていてどうしても目が惹きつけられて離せない人に出会うと、被写体として撮りたくなります。人に声を掛ける際には、『どうしてこの人を撮りたいのか』ということを、自分の中で明確にすることが大切。相手からの『なぜ私を撮りたいのですか?』という問いに、答えられるようにしておきます。そして『あなたのここに惹かれたので、撮影させてほしい』と具体的に伝えます。初めて声掛けポートレートにトライするなら、公園や海などでゆったりと時間を過ごしている人だと、比較的撮影させてもらいやすいのでおすすめです」。

前向きな気持ちで声を掛け、写真の使用目的を伝えて承諾書をいただく


「『どこで撮影するか』『どの光で撮影するか』を大切にしているので、基本的にポージング指示はしません。しかし、その人に惹かれた理由が、何かをしている瞬間や動作にある場合は、その動作をもう一度してもらうこともあります。撮影時間は大体15分から30分程度。基本的に、一箇所のみで撮ります。声をかける場所から見える範囲で、事前に光がきれいな所を見つけておきます。また、トラブル防止として撮影許可をいただく際に、書面で肖像権に対する承諾書を用意して同意をもらうようにしています。相手がSNSをしていれば、なるべくアカウントを交換します。写真の使用目的を明確に伝えることが大切。気持ちを前向きにして声を掛けると、OKをもらえる確率が高くなると思います。撮影後は、必ずお礼の言葉を忘れずに伝えます」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 街で声掛けポートレートを撮るコツは?
Edit:Satoko Takeda
GENIC vol.73

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