高木康行
写真家/ディレクター 東京生まれ。
ニューヨーク・ブルックリンのプラット・インスティテュートでメディアアートを学び, 現在は東京を拠点に活動。寄稿先には『The New York Times』、『Le Monde』、『Wallpaper*』などがあり、フランスで刊行された写真集『小さな深い森 Petite Foret Profonde』、『植木 UEKI』
そしてダミーブック・プロジェクト『マロニエ Marronnier 』は、第50回「ARLES 国際写真祭」でノミネートされる。『How to be like Tom Sachs』、『A Portrait of a Place: Arakicho』などのディレクションを手がけるなど 国内外で多岐にわたり活動を展開中。
場所の本質と精神を将来の世代のために保存する写真の能力
1993年にニューヨークのブルックリンに移住したときに始まった、高木康行の写真の世界への道。
新しい環境を探求する深い好奇心に駆られ始まった長期プロジェクト「Brooklyn Lot Recordings(ブルックリン・ロット・レコーディングス)」は2005年まで進化し、高木康行を魅了し続けました。
2001年9月11日の惨劇によって、マンハッタンからの人々がブルックリンに住み着いたことで起こった富裕層による下層住宅地の高級化が、ブルックリンに根本的な変化をもたらします。
やがて写真が場所の本質と精神を将来の世代のために保存するという驚くべき能力を持っていることを、痛感。そして20年以上が経過した今、写真集の形で蘇ったこの写真シリーズ「Brooklyn Lot Recordings」は、写真の持続的な力を証明し、時代を捉え、場所の本質を遠い未来に運ぶ証に。
キャリアの原点とも言える、10年にわたりブルックリンの空き地を撮り続けた写真シリーズです。
「Brooklyn Lot recordings」は空地の記録だ。
一見すると誰もいない、使われていないスペースのようにも見えるが、実際のところ、僕のような人間やホームレス、動物たちも好きなように出入りしている。
そこには自由がある。植物も野生にもどり、すごい早さで木の高さにまで成長する。
しかし、そんな空間はある日突然、消えてしまう。
たまたま通りかかっても、そこに以前何があったかを思い出すことすら出来ない。
たとえ思い出したとしても、空地の記憶など、自分の空想の中の出来事のように思えてくる。
僕がとらえたかった美は、そこに一瞬の間だけ現れ、やがて消えた。
高木康行
高木康行 写真展「BLR: Brooklyn Lot Recordings」情報
開催日時
2024年4月25日(木)~5月13日(月)11:00~18:00
休廊日:火、水曜
※入場制限やアポイントメント制となる場合があります。
入場料
無料
会場
THE BOOK END
〒650-0024 兵庫県神戸市北区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302
行き方・アクセス
<電車>
JR神戸線「元町駅」から徒歩で5分
神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩で3分
- 【お問い合わせ先】
- THE BOOK END
- the-book-end.com
写真集「Brooklyn Lot Recordings」情報
写真:高木康行
詩:Jose Parla, Sevinç Çalhanoğlu
アート:Mint & Serf
文章:Adrian Moeller
アートディレクション:Akira Takubo
発行:Neat Papers
サイズ:H258mm x W258mm x D25mm
発売日:2023年11月26日