menu

英語ができなくても、ひとり旅はできますか?/ひとりで世界を歩いたら Vol.2

ぽんず(片渕ゆり)<連載コラム>毎週火曜日更新
4年勤めた会社を辞め
旅に出ることを選んだぽんずが送る
ひとり旅のおはなし

  • 作成日:
  • 更新日:

ADVERTISING

英語ができなくても、ひとり旅はできますか?/ひとりで世界を歩いたら Vol.2

旅に関する質問の中で、とくに聞かれる回数の多いのがこちら。

「ひとり旅をしてみたいのですが、英語が話せなくて不安です。英語が話せなくても、ひとり旅はできますか?」というもの。

頼れる相手のいないひとり旅だと、言葉はどうしても不安になりますよね。
結論を先に言っちゃいます。


できます!!!(大声)


言葉が通じなくても、旅は案外どうにかなります。

「こんにちは」と「ありがとう」、そして「おいしい」をその国の言葉で言えればオッケー。あとはとびっきりの笑顔さえあれば、なんとか乗り切れるものです。

私自身も、ロシアやキューバ、ウズベキスタンなどの国では、英語が一切通じない場面に何度も遭遇しました。

たまたま隣にいた日本人の男の子と恋人同士だと間違えられてダブルベッドの部屋に案内されたことや、「チェックインしたいです」の一言が通じずにフロントのお姉さんとただただ見つめ合う羽目になったことも。

困ったときは、Google翻訳の出番です。会話で役立つのはもちろんのこと、「リアルタイム翻訳」と言って、スマホのカメラをかざすだけで画面に映ったものを翻訳してくれる機能が意外と便利。
たとえばスーパーで、どれが水なのかわからず困るような場面でも、「これはミネラルウォーター?炭酸水?」など、ささっと取り出して確認できます。機能によってはオフラインでも使えるので、日本にいるうちにアプリをダウンロードしておくことをおすすめします。

指差し会話帳も、一冊あると安心です。旅先で出会った人との雑談や、レストランでの注文の際にとっても役立ちます。

あとはもう、パントマイム師になったつもりで精一杯のジェスチャーと表情で伝えます。

いくつかステップを経て慣れていくのもおすすめです。

たとえば、「現地ツアーに参加する」という方法。

私が初めて一人でアメリカに行ったときは、コンチキツアーというものに参加しました。いろんな国から集まった人たちが、一台のバスに乗って旅をするのです。ルートも事前に決まっていますし、共同生活を通じて友達もできます。

または、「英語圏でない国へ行ってみる」のもいいと思います。たとえば台湾や韓国、タイなど。「正しく流暢な英語を話さなくちゃいけない」という先入観を捨てるだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。日本語が通じるホテルやお店もたくさんあるので、安心感もあるはず。

もうすこし遠くの国や、日本語の通じない国へ行ってみたい(でもやっぱりちょっと不安…)というときは、「日本人宿に泊まる」のもおすすめ。

日本人宿とは、現地に住む日本人が経営している宿や、日本語を流暢に話せる人が経営している宿のこと。「○○(地名) 日本人宿」で検索すると探せます。日本語のガイドブックや、今までの宿泊者たちが書いた「情報ノート」が置いてあったりすることも多く、情報収集にもぴったりです。

さて、これまで、英語がしゃべれなくても旅をするためのティップスについてお伝えしてきました。ですが、今この文章を読んでいるあなたも、ほんとうは「英語をしゃべれる」のではないでしょうか。

とつぜん何を言い出すんだ、と不審がられるかもしれませんが、もうすこしお付き合いください。

旅の中で何度も、「私は英語がしゃべれない」という方と出会ってきました。でもほとんどの場合、語学力のせいではなく、「恥ずかしい」という気持ちの問題でした。

中学のころに英語の音読を笑われたり、がんばってTOEICを受けてみたら点数の低さに絶望したり。多くの人の「英語ができない」って、こういう経験から来ているはず。

よく言われることですが、中学生の教科書レベルの会話ができれば、日常の会話ってなんとかなるんです。

旅の中での英語は、文法的に正しくなくても、発音が良くなくても、誰も怒ったりしません。あなたを笑う人なんていません。がんばって話そうとすればするほど、まわりが手を差し伸べてくれる。

がんばって話そうとする姿は、ときに滑稽です。だけど、滑稽でいいじゃないですか。冒険するために旅に出たんだもの。旅をしなかったら一生出会わないであろう相手と話して、相手を知って、自分を知ってもらう。それって、とってもわくわくすることじゃないですか?

冒頭でお話したとおり、英語が話せなくても旅はできます。

ですがきっと、あなたの中にもすでに英語を話すポテンシャルは眠ってるはず。「私は英語が話せない」という不安な気持ちを突き破った先に、きっと素敵な経験が待っています。

【ひとりで世界を歩いたら】バックナンバー

Vol.1 それでもひとりで旅がしたい

ぽんず(片渕ゆり)

1991年生まれ。大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している。

ぽんず Twitter
ぽんず note
次の記事