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「Q.4 “その人らしさ”を写すのに、一番大切なことは?」増田彩来|Portrait Q&A 4/45

写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のPortrait Q&A特集。人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「ポートレートの答え」はここにあります。
今回の回答者は、今を駆けるフォトグラファー、増田彩来さんです。

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目次

プロフィール

増田彩来

写真家/映像作家 2001年生まれ、東京都出身。静止画の中に動を残すことを大切に、その瞬間を閉じ込めたような写真が魅力。20歳になる節目のタイミングに、個展「ecran(エクラン)」を開催。2024年3月、女優の川島海荷を2年間撮り続けた写真展「直線のうみ」を開催。現在は、自主制作映画やMVの監督を務めるなど、映像作家としての活動も注目されている。短編映画『カフネの祈り』が、SHORT SHORT FILM FESTIVAL&ASIA 2024にて、ジャパンカテゴリーオーディエンスアワードを受賞。
愛用カメラ:Nikon FM10、NATURA CLASSICA
愛用レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G

Q. “その人らしさ”を写すのに、一番大切なことは?

A. 目を合わせること。知ろうとすること。

その人を知ろうとしない限り、写真には何も写らないから——

「ここに紹介しているのは、1年半くらい前から撮り続けているエイトという8歳の男の子の作品です。撮り続けるきっかけには、8歳の男の子が見る世界や生きている時間は私とは異なっていて、エイトの目に映っているものはとてもきれいに見え、惹かれたことがありました。何度も撮影の機会をつくっていくうちに、エイトが見つめる瞳の中に、はっとする景色や瞬間が見えるようになりました。それは、結果ではなくて、わかりたいという気持ちの先にあるもの。私はエイトのことをわかりたい、でもわからない、この先もわかり切ることはできない。完了しない楽しさのなかで撮り続けているのは、知ろうとすること、そのものなのかもしれません」。

祈りや願いに近い、知りたいという気持ちを胸に

「写真って、短い瞬間を撮ったものですよね。30分で撮ったものであろうと数年かけて撮ったものであろうと、写真自体は、続いている時間を細分化した“一瞬”です。私にとって、シャッターを切り写真にするその一瞬というのは、撮影のなかで出会った、はっとする、空気までひっくるめた忘れたくない瞬間です。私はいつも、その瞬間を見つけたいと思って相手と向き合っています。より鮮明に見えるように、撮影中はモードを切り替えて“みつめること”を研ぎ澄ましています。それは、この人は何を見て何を選ぶのだろうとか、どうしてその選択をしたのだろうとか、ある種の祈りや願いに近い、知りたいという気持ちを胸に抱いて向き合っていくことでもあります。相手のことを知ろうとしていない限り、私がはっとする、好きな瞬間は見つからないし、写真には写らないと思っていて。だからこそ、まずは“目を合わせること”、そして“知ろうとすること”が大切。そうすることで出会える瞬間というのは必ずあって、『あ、今だ』って鮮明に私の目に映るんです。そうして撮った写真には、“その人らしさ”が写っていると感じます」。

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 横浪修さんが、広告の人物撮影で心掛けていることは?
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある

人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。

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