目次
SNSでも人気のプロたちが歩む道
<History>
2010年 Instagram開設
2015年 取材や撮影依頼が来る
2016年 フリーランスフォトグラファーになる
「仕事風景を切り取った1枚。自宅が作業場なので、現像やレタッチの際は家にこもりきりになることもあります」。
「ムック『東京カフェ 2023』(朝日新聞出版)の取材で訪れたカフェの撮影。珈琲好きが高じてカフェや喫茶店の撮影などの仕事に繋がった」。
「撮って」との期待に「応えたい」と思ったことが決め手になった
「フリーランスになってすぐに決まった、雑誌『Hanako』(マガジンハウス)の連載。旅とは無縁の人生だった私が、生活が一変するほどに国内外を旅して取材・撮影・執筆…なんと気づけば7年間担当しています。SNSでの発信が写真を披露する唯一の手段だった中、印刷された写真を実際に誰かに手に取ってもらえることは、胸が高鳴る出来事でした。本棚に増えていく雑誌を見ると、今でも誇らしい気持ちになります」。
「私の活動の根幹は、25歳の時に購入したデジタル一眼レフとの出会い。ファインダーを通して見ることで、何でもない自分の人生が彩られたように感じました。生活するだけで精一杯だった中、“カメラを持って写真を撮る”ことが唯一の癒しに。とてもたいせつな趣味だったので、仕事にするなんて夢のまた夢というか、そんな発想自体がありませんでした。でもInstagramに出会い人生が180°変わります。日常のたわいもない切り取りを載せただけのアカウントでしたが、Instagramを介して撮影の依頼が増えていき“撮って”との期待に“応えたい”と思うように。それが決め手でした。覚悟を決めたんです、大好きな写真をずっと好きでいられるような仕事をしようと。かなり悩みましたが、良い決断でした。すぐに、年間契約の撮影とSNS運用、アドバイザーとしての依頼などをいただけたので、これで食べていけるな、と思うことができました」。
SNSは自分を客観視するきっかけにもなるしポートフォリオのような役割も担ってくれる
「Sonyの一眼レフカメラαシリーズとレンズのプロモーション用の作例撮影で、白夜のタイミングで滞在したアイスランド。訪れたたったひとつの理由がこの墜落した飛行機を撮ること。天候が最悪の中、何も見えない道をひたすら往復してボロボロになったものの、カメラもなんとか無事で、目的の写真も1枚ですが残すことができ感無量。今まででもっとも困難で、でも良いものが撮れたと感じたお仕事です」。
「現在は旅の誘致のための旅撮影をメインに、写真教室の講師、カメラメーカーからの作例依頼、広告、雑誌の取材などを行っていますが、ほぼ100%、SNS経由でお声掛けいただいています。SNSに活動の様子を載せていたり、それに伴って数字が認知度を示してくれたりしているおかげで、信用に繋がっているんだと思います。今関わりがある人たちはほとんどSNSを通じて出会った人ばかりなので、人との出会いに関してもSNSをやっていてよかったなとよく思います。6151じゃなかったら出会えなかったんだなぁと思うと感慨深いです。SNSは自分を客観視するきっかけにもなるし、簡単なポートフォリオのような役割も担ってくれます。情報収集や繋がりを得る機会もあります。写真の仕事は同業者より別業種から得られることが大半ですから、そういった繋がりを増やしていくこともできる。私はこれからも上手に活用していきたいと思っています」。
大好きな写真をずっと好きでいられる仕事をしようと覚悟をきめた
「SNSでは“ゴイチブルー”と呼ばれていた私の写真。青は自分の好きな色で、単純に青色を追いかけていただけなのですが、自分の拙い想いを拾ってもらえて嬉しかったです」。
プロフィール
6151
フォトグラファー 東京都出身。国内外を旅するトラベルフォトグラファーとして雑誌やウェブで執筆活動をする傍ら、全国でフォトワークショップも開催。空間、風景、食品、物撮り、ポートレートなど広告撮影を幅広く手掛ける。著書に『日々を美しく記録するフォトレッスン』(玄光社)。
愛用カメラ:Sony α7R V、Leica Q2、HASSELBLAD 500C/M
愛用レンズ:Sony FE 24-70mm F2.8 GM II、voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4、Leica summilux 28mm f1.7 ASPH.
GENIC vol.70【SNSでも人気のプロたちが歩む道】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.70
2024年4月号の特集は「撮るという仕事」。
写真を愛するすべての人に知ってほしい、撮るという仕事の真実。写真で生きることを選んだプロフェッショナルたちは、どんな道を歩き今に辿りついたのか?どんな喜びやプレッシャーがあるのか?写真の見方が必ず変わる特集です。