6151
6151 フォトグラファー 東京都出身。Instagramをきっかけに、フリーランスの写真家に転身。国内外で旅にまつわる撮影や執筆活動をする傍ら、全国でフォトワークショップを開催するなど、「写真の楽しさ」を伝える活動にも取り組んでいる。
❝私にとって東京は「生き抜いてきた場所」❞
日常と非日常を捉えるトラベルフォトグラファーとして活躍中の6151さんは、生まれも育ちも東京。
「今でこそ世界中を飛び回る暮らしですが、以前は東京の空しか知らない人でした。生まれて育ち、当たり前のように住み続けている東京は、私にとっては“生き抜いてきた場所”。大切な人たちと過ごした光景の中には、いつも東京があります。旅をしていても、東京に繋がっているかなと思って空を仰いだりします」
❝藍色に染まる東京❞
今回のテーマは“藍色に染まる東京”。
「感情を青のグラデーションで考えることがよくあるのですが、藍色に染まった東京も悪くないな、と。藍色という響きも、愛の色にも聞こえる気がして好きなんです。
東京の魅力は、さまざまな個性を受け入れられる間口の広さ。パワフルな群衆や文化の多様性を当然として受け入れて吐き出していく、東京の凛々しさみたいなモノに惹かれます」
6151さんが思わずシャッターを切る瞬間とは?
「私の写真は、撮るぞと心構えずに“いいな”と思った瞬間や“美しい”と感じた光景を収めていて、その多くは光と陰に左右されているように思います。特に太陽が傾いている時間が好きで、そのときの何とも言えない光に出会うと考えるより先にシャッターを切っています」
宝物のように集めた、自由で凛々しい"東京"の瞬間
「また、目に見えないモノも一緒に撮りたくて、空気感を大切にしています。無骨でアンダー気味な写真、柔らかくハイキーな写真…さまざまな被写体をそのときの気分に寄せて、気ままで統一感なく撮るのが自分で感じる自分の写真。
なかでも気に入っているのが、“青い世界”。空の青、海の青、日常で出会うさまざまな青を宝物のように集めています」
「人生には困難な事も多く、綺麗事だけではすまない絶望も用意されていますが、それでも美しい世界に触れていたいし、光があると知っていたい。自分が絶望に打ちひしがれて、もう生きることも止めてしまいたいと感じていたときに、インターネット上で出会った誰かの見た景色の写真に救われました」
「私が写真に感じた光と同様に、誰かの心を照らすきっかけになれたらいいな、と思っています。写真は過去からの手紙だという表現がありますが、どうしようもなかった過去の自分への励ましや拠り所になるメッセージかもしれない、と最近感じています。
"元気ですか、今日も世界は美しいよ"シンプルに立ち返りたいときは、このフレーズがいつも頭に浮かびます」
INFORMATION
GENIC VOL.55【表現者が撮る東京】
Edit:Satoko Takeda
GENIC VOL.55
テーマは「TOKYO and ME 表現者が撮る東京」