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自分の眼で見て感じた自然の偉大さや尊さを伝えたい 森谷健

レンズの先に広がる世界は、ときを忘れて撮影に没頭するほどの絶景だったーー。
日本を撮り続けるフォトグラファーたちが、これぞ“新・世界遺産”にふさわしいと選んだ日本の光景を紹介します。
世界遺産に推薦したい!日本の新百景 2人目は、一瞬の出会いを求めて全国を巡る、森谷健さんです。

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自分の眼で見て感じた自然の偉大さや尊さを伝えたい

「旅の計画は、まずメインとして行きたい場所に合わせて季節や時間帯を決め、それを軸にして他のスポットや美味しいものを調べて立てていきます。とはいえ、計画通りにはいかないのもまた旅なので、無理してまでその通りには行動しません。予定をこなす、という状態にならないように、今目の前にある一期一会の風景、その場所でその瞬間にしか見ることのできない風景を大切に撮影しています」。

YAMAGATA【山形県・飯豊町】

<4月>雪解けのわずかな時季しか見られない「白川湖の水没林」

「1年で春先の時季しか見られない希少性と、朝霧の幻想的な光景に、何度訪れても感動します。おすすめは、早朝の時間帯。朝日が昇り霧が晴れるまでの刻一刻と変わる風景はぜひ見て、撮っていただきたい。静かな湖面をゆっくりと滑るように進むカヌーを入れて、水墨画のように、時間が止まったかのような空間を切り取りました」。

NAGASAKI【長崎県・平戸市】

<9月>旅の途中に見つけた秘密の宝物「人津久海の浜」

「長崎への旅の途中、ハウステンボスで行われる花火大会までの時間を使ってドライブしていたときに偶然出会った場所です。ずっと佇んでいたくなるような青い空と海、白い砂浜...まるで絵に描いたような風景が広がっていました。秋らしい雲の表情が素敵だったので、超広角の14mmで。手前に水たまりを入れて透明感も演出しました」。

HOKKAIDO【北海道・積丹郡】

名前の通りの神々しさを称える「神威岬」

「SNSや絶景本で見て、ぜひ行きたいと思っていた場所。北海道はどこも絶景で一つを選ぶのが難しいけれど、新世界遺産に推薦した決め手はこの写真が好きだから。“積丹ブルー”の海に突出した断崖の岬は、名前の通り神々しさを感じざるを得ない場所でした。ここに伝わる文化や歴史などを思いながら、目にも心にも焼き付けてきました」。

森谷健

会社員 宮城県在住。東日本大震災で変わり果てた風景を見て、一期一会の風景を写真に残したいとカメラを始める。2013年、写真展「絶対風景」に感銘を受け、光と風、季節が織りなすその風景が一瞬だけ見せる最高の情景=絶対風景に出会うため、全国各地で撮影を行っている。
愛用カメラ:Nikon D750、Nikon Z 6II、Nikon Z 30
愛用レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S、 NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

森谷健 Instagram

GENIC vol.68【世界遺産に推薦したい!日本の新百景】
Edit:Chikako Kawamoto

GENIC vol.68

10月号の特集は「旅と写真と」。まだ見ぬ光景を求めて、新しい出逢いに期待して、私たちは旅に出ます。どんな時も旅することを諦めず、その想いを持ち続けてきました。ふたたび動き出した時計を止めずに、「いつか」という言葉を捨てて。写真は旅する原動力。今すぐカメラを持って、日本へ、世界へ。約2年ぶりの旅写真特集。写真家、表現者たちそれぞれの「旅のフレーム」をたっぷりとお届けします。

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