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【写真家が写し出す印象的な「肌」の世界:2】松岡一哲

人の素肌を美しく、印象的に切り取る写真家5名の作品をご紹介。
ヌードからパーツまで、それぞれの表現方法、さまざまな解釈、被写体との多様な向き合い方の中で写し出された、個性溢れる「肌」の世界へようこそ。
2人目は、被写体をやさしく受け入れあるがままの美しさを捉える写真家、松岡一哲さんです。

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松岡一哲

写真家 岐阜県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業後、スタジオ勤務を経て、独立。写真家として雑誌、広告を中心に活躍し写真展での発表も積極的に行う。2018年に写真集『マリイ』を発表。2020年10月、東京・六本木タカ・イシイギャラリーフォトグラフィー/フィルムにて個展「やさしいだけ」を開催。
2022年1月、女優 南琴奈さんを1年間撮影した写真集『ITTETSU MATSUOKA × KOTONA MINAMI』を発売。

今、そこにある肌が美しい

光、構図、背景、すべてが被写体に味方するように

松岡さんがご自身の妻をテーマとした504ページに及ぶ写真集『マリイ』の作品。

それぞれが持つ魅力にただ寄り添う

「撮りたいイメージは、被写体と向き合って見つけてゆくので、できるだけ真っ白な状態で臨むことが多いです。皆、それぞれの魅力があるので、撮る時はその魅力にただ寄り添うことが必要。被写体との距離感はとても大切ですが、なるべく頭で考えないように、性別関係なく、被写体の持つ魅力を素直に掬いとれたらと思っています。今回選んだ写真も、被写体そのものの魅力をそのまま捉えている作品です」と松岡さん。

女性の身体や肌を魅力的に切り取るためのこだわりは?
「光、時間、動きですね。“肌”を撮ろうとしたことはなく、人間、その被写体を撮ろうとすると、必然的にそこには“肌”があるという感覚です。美しいと感じるところはそれぞれ違いますが、光、構図、背景、すべてが被写体に味方するように心がけています」。

性別に関係なく被写体の魅力を素直に掬いとれたら

古川琴音さんを1冊まるごと撮り下ろした写真集『pegasus01』より
「メイク中の琴音さん。写っているのはメイクさんの手で、違和感がこの写真を面白くしています」。
Model:古川琴音

古川琴音さんを1冊まるごと撮り下ろした写真集『pegasus01』より。
「台湾の夜、ストロボによる撮影。雨に濡れた素肌が美しく写っています」。
Model:古川琴音

台湾を舞台にした、女優・古川琴音さんの写真集『pegasus01』より。
Model:古川琴音

作品集「やさしいだけ」より。
「ダンサーの美しい動きをそのまま捉えました」。

作品集「やさしいだけ」より。
「目に入る強い光が透き通る肌を演出。モノクロによるプリント」。
Model:sophie

女優として活躍する南琴奈さんの14~15歳の1年間を追って、撮り重ねた写真集『ITTETSU MATSUOKA × KOTONA MINAMI』からの作品。「自然光とストロボをMIXして撮っています」。
Model:南琴奈

写真とは世界をやさしくほぐすもの

「実家が街の映画館をやっていたので、幼い頃からたくさんの映画を観て育ちました。映写室で見るフィルム1コマ、1コマに写っている絵に惹かれていき、本格的にカメラを持ち始めたのは18歳くらい」という松岡さん。

普段からコンパクトフィルムカメラ、中判フィルムカメラ、デジタルカメラと愛用している中で、女性を撮影する時はフィルムが多いそう。
「理由はいくつかありますが、使い慣れているから、そして質感が好きだから。あとはその場で絵が見れないのが良いのかなと思います」。そんな松岡さんにとって写真とは?
「世界をやさしくほぐすもの。希望というものを、そのまま写真に写すことが自分らしさだと思っています。自分が撮る写真で人が感じる感覚の幅を少しでも広げられたら。こんな美しさもあるんだなと思ってもらえたら、もっと互いをわかり合い、許し合える世の中になるのではないかと思います」。

松岡一哲 Instagram

GENIC vol.62 【印象的な「肌」の世界】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

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