プロフィール

實重かおり
フォトグラファー 1988年、鳥取県生まれ。博報堂プロダクツ、朝日新聞、アマナなどを経て、2020年に独立。人物写真や商品撮影を中心に、広告・メディアの現場で活動している。
一方で、自主企画では「心の奥をすくい上げるような視点」を大切に、感情のゆらぎを写し取る作品を制作。本展「その先の好き」は、写真というアウトプットでありながら、Z世代のまなざしと“好き”というエネルギーに触れることで、自身の写真表現を再定義するプロジェクトでもある。
私は高校生の頃、写真の楽しさと出会ったことで進路や目的が自然に開けていきました。それは“好き”を軸にしていたからです。だからこそ、生徒たちにもまずは「好き」に目を向け、自分の意思で選ぶ体験をしてほしいと考えました。
その延長に掲げたテーマが、高校を卒業した「その先の好き」です。写真はその時間を記憶に留める“しおり”であり、後から思い返したときにポジティブな感覚とともに未来を描き直すきっかけになればと願っています。訪れる方にとっても、自分の“好き”や“大切にしていること”を見つめ直す時間となれば幸いです。
ステートメント、解説と展示作品の一部をご紹介

「卒業したら、どうするの?」
高校生たちはいつも、“進路”という言葉に向き合わされる。
でも本当は、そのずっと奥にある「好き」から考えてもいいんじゃないか。
そんな問いを胸に、全国の高校生300人に、インタビューと撮影を行いました。
問いかけたのは、たったひとつ。
――高校を卒業した“その先”にある、「好き」ってなに?
1時間以上、真剣に「その先の好き」に悩む人。
友達の「好き」を初めて知って、驚いたり照れたりする人。
答えが見つかったときの、あの嬉しそうな顔。
正解はない。でも、間違いもない。
「好き」と向き合う時間そのものが、その人だけの物語になる。
この展示には、そんな瞬間のきらめきが詰まっています。
きっとあなたも、誰かの「好き」に心を動かされて、
ふと、自分の「その先の好き」を思い出すかもしれません。




本展は、高校在学中の生徒に「進路」ではなく「好き」を軸に将来を考えてもらうことを目的に企画されました。出会いを重ねるうちに、結果的に300名以上に広がり、展示ではその中から厳選した作品を紹介します。
「進路」という言葉の重みに悩みを抱える学生は少なくありません。けれど、将来の夢やなりたい姿が「見つからない」のではなく、ただ「向き合う機会がない」だけ。本展ではその手前に必ずある「好き」という感情にフォーカスしました。
“自分の好き”と向き合い、そして選ぶ。撮影の前にそんな時間を設け、彼らには直筆で「高校を卒業したその先の好き」を書いてもらいました。その瞬間を“しおり”のように写真に留めています。ポーズや表情を演出することなく、自然に生まれた高揚や気づきを写し取りました。
── 写真展「その先の好き」プレスリリースより





實重かおり 写真展「その先の好き」両国開催情報

開催日時
2025年9月16日(火)~21日(日) 11:00〜18:00
※最終日のみ17:00まで
入場料
無料
会場

PICTORICO SHOP&GALLERY
- 〒130-0015 東京都墨田区横網1-2−16 両国ガイビル國技館前 5階
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
JR総武線「両国駅」西口から徒歩で5分
都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口から徒歩で8分