花盛友里
フォトグラファー 1983年生まれ、大阪府出身。中学時代から写真の美しさに目覚め、2009年よりフリーランスとして活動開始。女性誌や音楽誌、広告などで主にポートレート撮影を手掛ける。体にも地球にも優しいランジェリーブランド「STOCK」をスタート。
愛用カメラ:Nikon D4S
愛用レンズ:Nikon のオールドレンズ 50mm 1.8
オン・オフを徹底させる暮らし
「長男の朝ごはん風景。変なことばっかりする…」。
女性誌や広告などで、フォトグラファーとして活躍している花盛さん。
「フリーランスで仕事をしていると、オフの時間を作るためには自分で意識的に徹底する必要があります。子供が2人になって、”仕事が好き”というだけでは乗り切れなくなり、きちんと休んで自分の精神安定を大切にするようになりました。平日は起きた瞬間から寝るまで、フル稼働。休日は人に見せられないくらいに、ダラダラ。このメリハリのおかげで、仕事も育児もやり切れます。心に余裕が生まれたことで、日常の撮影でも、息子たちが面白いことをしている時、光が美しい時、色合いが素敵な時…ふとした幸せな瞬間をより多く切り取れるようになった気がします。どんなに辛いと思う日々でも、写真を見返せば絶対に幸せが写っているから、私にとって日常を写真で残すことはとても大切。絵画や音楽で思い出を形にしようとしてもそのままでは残らないけれど、写真はありのままを写し、その日のことを思い出せるところが好きです」。
「飛行機してー!といつも言ってくる次男坊と、後ろに長男。そしてお気に入りのハート柄パジャマ。その時は大変だけど、写真で見返すと幸せな日常」。
Rule01:夜は仕事を入れない
「2人目が生まれてからは、特に徹底するようにしています。夜や週末にも仕事をしていた頃は、早く息子が寝てくれないと苛ついたり、週末も忙しく働くことで十分に休息が取れずに疲れて性格が悪くなったり…どうしようもない悪循環に。週末はもちろん、17時以降はお母さんタイムに徹することで、仕事と育児のバランスが保てるようになりました」。
「お風呂上がりの子供が可愛いのは、なぜでしょう。長男をバスタオルでわしゃわしゃしながら、パチリ」。
Rule02:毎朝植物に、おはようの挨拶をする
「家には10個くらい植物がいて、すごく可愛がっています。新芽が出たりすると、涙が出るほど愛おしい。植物は話しかけてあげるとそれに応えて元気になる、ということを聞き、ちょんちょんって毎朝彼らに触って愛を伝えます。ついでに息子たちにもちょんちょん!とすると、子供たちも喜んでくれます」。
「撮影で使ったチューリップ。仕事でも花を使うことはとても多く、撮影後にその花を持って帰れたりするのも幸せ。チューリップは大好きで、春には必ず買います」。
「空と花の関係が好きな一枚。花を下から撮って、空も写しました」。
Rule03:月曜から木曜は禁酒。週末は思いっきり飲む
「お酒大好き!子供を産むまでは週3回くらいは飲みに出かけていましたが、今は月曜から木曜までは我慢。週末は子供の寝る時間なども気にせず、ゆっくりご飯を食べながらお酒を飲んで、オフを満喫します。もっぱらビール派だったのですが、最近は果実酒も。ビオワインと、今年初めて漬けた梅酒を楽しんでいます」。
「息子が撮った、ほろ酔いの私。いつも”ビール何本目?”って、チェックされています」。
Rule04:メールの返信は素早く
「普段の生活ではそうでもないのですが、仕事の時はとにかくせっかち。特にメールは、できるだけ早く返信します。仕事ができる人は返信が早い、ということをどこかで聞いたので。レスに限らず、仕事は早め納品を心がけています。仕事を受けるかどうかに関しても、悩む時もありますが、基本的には即断」。
「ロケ撮影中の様子。撮影もせっかちなのか、毎回2時間くらい巻いて終わります。いつも皆さんから、めっちゃ早い!と言われます」。
Rule05:週一で体をリフレッシュする
「普段は家と撮影現場の往復のみ(しかもタクシー)なので、運動をしなくては!と、週一回のピラティスを1年半くらい続けています。子育てと仕事に追われていると自分のことを考える時間がないのですが、ピラティスをしている45分間だけは自分の体としっかり向き合い、瞑想みたいな感じでストレス発散になります」。
「夜が始まる前のマジックアワーは、お気に入りの時間」。
「大好きなモッコウバラ。見つけると絶対に撮りたくなります」。
「仕事の撮影の合間に、よくフィルムカメラでこんな写真を撮ります。空と花が好きなのは中学の時から変わらない。自然と触れ合うのが好きなので、新たなリフレッシュとして畑をやりたいと思っています」。
GENIC VOL.60 【写真家が撮る日常】
Edit:Satoko Takeda
GENIC VOL.60
特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。