menu

【プロ・達人が教えてくれる 明日からちょっと上手くなるフードフォト講座 #8】綾

一番身近な撮影対象でありながら、もっとも難しいとも言えるフードフォト。いらない影に困ったり、おいしそうに見えなかったり…。そこで、素敵なフード写真を撮影している食や写真のプロたちに、構図やアングル、ライティングなど、すぐに参考になるワザの数々を教えていただきました。フードフォト講座 #8は、フォトグラファーの綾さん。隅々まで要チェックです!

  • 作成日:
  • 更新日:

ADVERTISING

フォトグラファー 大阪在住。アンティークを用いて独自の世界観を演出する商品撮影や、オンラインの物撮り教室を行っている。ブツ撮り向けのLightroomプリセットをCURBONにて販売中(https://www.curbon.jp/products/ayapreset1)。
愛用カメラ:Sony α7 Ⅱ
愛用レンズ:TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD

おいしく見せるために細部まで手をかけて

目立たせたいポイントを際立たせるレタッチ術

レタッチTips サイダー

「ブラインドの影が落ちる場所で撮影。炭酸の爽やかさとフルーツのフレッシュさをダイレクトに表現するため、シャープとテクスチャを上げ、炭酸の泡の質感を際立たせました。また、ハイライトに青を足すことで透明感を引き出しています。自宅で撮影する際は部屋のライトは必ず消して、なるべく色のクセがない朝の光で撮影するのが◎。寄ることでシズル感を演出しています」。

色味の調整は適正な明るさで行うのがベター

「Lightroomのモバイルアプリで明るさ→色味の順番にレタッチするのがマイルール。写真が明るすぎると色が薄く、暗すぎると濃く見えるので、適正な明るさにしてから色味をチェックしています。レタッチ後はすぐに完成とせず、できればしばらく時間を置いてからまた新しい目で見て、違和感のある部分を微調整。カラーグレーディングでハイライトやシャドウにカラーを足すと自分の色味が作りやすいですが、彩度を上げ過ぎるとやり過ぎた印象になるので要注意です」。

自分の世界観はキープしつつ食べ物の色味には忠実に

レタッチTips カヌレ

「午前中の自然光で撮影。写真全体の露光量を少し上げたあと、フォークに乗せているカヌレのみ、部分補正でさらに露光量を上げ、目を引くポイントが暗くならないようにしました。自然光で影ができるように撮影すると、被写体の立体感を演出することはできますが、目立たせたいポイントがやや暗くなってしまう場合があります。光が当たる角度を工夫したり、レフ板を使って明るくすることもできますが、影も生かしたい場合は、このように部分補正で明るさ調整をすると雰囲気のある作品になります」。

「同じ食べ物でもアングルで印象を変えることができます。例えばカヌレを真俯瞰で撮影すると、カラフルで一つ一つ違うトッピングが際立ちます。また、この写真のように斜めから撮ると、コロンとした可愛い形が伝わり、リアルに人が見る角度なのでおいしそうに見えます。伝えたいものによってアングルを使い分けるのがおすすめです」。

綾 Instagram
綾 Twitter
綾 Lightroom プリセット

GENIC VOL.58 【プロ・達人が教えてくれる 明日からちょっと上手くなるフードフォト講座】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC VOL.58

テーマは「おいしい写真」。
口福を感じる料理やスイーツとの出会い、オリジナリティ溢れるフードの創作、こんなシーンには二度とお目にかかれないかもと思った瞬間。様々な表現者たちが繰り広げる “おいしい” の世界を召し上がれ。

GENIC 公式オンラインショップ

おすすめ記事

【プロ・達人が教えてくれる 明日からちょっと上手くなるフードフォト講座 #7】小髙彩子

【GENIC 2021年4月号】テーマは「おいしい写真」

次の記事