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レトロな街並みと絶景を巡る「尾道」<広島・島根周遊旅 前編>

瀬戸内海に面した美しい港町、広島県尾道市。坂道や階段が多く「坂のまち」とも呼ばれています。昔からの伝統的な街並みや建築物が残っていることから路地も多く、レトロな雰囲気が人気。尾道から車でアクセスできる生口島にはアート作品が点在し、瀬戸内海の美しい島々を見渡せる絶景スポットや、センスの良い旅館など、巡りたい場所が尽きない魅力が広がっています。そして広島県を訪れたら、少し足を延ばして隣の島根県で「美肌温泉」を堪能して帰るのがおすすめのプラン。今回はGENIC編集部が訪れた広島・島根県周遊旅を紹介します。この記事では、美しい自然と古き良き日本の街並み、どちらもコンパクトに堪能できる広島県、尾道市のおすすめスポットをご案内。

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目次

千光寺エリアは尾道で欠かせないスポット

尾道で外せないスポットと言えば、千光寺エリア。まずは千光寺山の麓から、ロープウェイで山頂まで行くのがおすすめです。大名かごをイメージしたロープウェイは、乗車時間たったの3分!山頂まで徒歩で登ることもできますが、行きは尾道の景色を眼下に空中散歩を楽しむのが王道コース。

千光寺山ロープウェイ 基本データ

<住所>山麓駅/広島県尾道市長江1丁目3-3
<TEL>0848-22-4900
<営業時間>9:00〜17:15
<休業日>無休(荒天時、点検時等臨時運休あり)
<駐車場>千光寺公園山頂駐車場(有料)

行き方・アクセス

<電車>
JR「尾道駅」より徒歩15分
JR「尾道駅」より「東行き」バス乗車約5分、「長江口」より徒歩すぐ
JR「新尾道駅」より「尾道駅行き(長江経由)」バス乗車約10分、「長江口」より徒歩すぐ

瀬戸内海が見渡せる絶景スポット、千光寺頂上展望台「PEAK(ピーク)」

山頂駅に到着すると、千光寺頂上展望台「PEAK」がお出迎え。設計は国内外で数々の建築物を手がける建築設計事務所「AS」が担当しています。コンクリートが描く美しい曲線が風景に溶け込み、シンプルながらとても洗練された展望台です。

視界いっぱいに広がる尾道水道の趣ある景色は、心を和ませてくれます。

どこからでも瀬戸内海の眺望を楽しめる設計になっているため、シャッターを切る手が止まりません。ぜひ自分だけのフォトスポットを探してみてください。

千光寺頂上展望台「PEAK(ピーク)」 基本データ

<住所> 広島県尾道市東土堂町20-2
<TEL> 0848-38-9184 ※平日8時30分から17時15分のみ
<営業時間>24時間
<休業日>無休
<駐車場>千光寺公園山頂駐車場(有料)

行き方・アクセス

千光寺山ロープウェイ「山頂駅」徒歩すぐ

玉の岩伝説が残る「千光寺」

展望台から文学のこみちを通り抜けた先に「千光寺」があります。本堂の建立は1686年、本尊の千手観世音菩薩が安置されており、護摩堂とともに数多くの文化財や仏像が収蔵されています。
お寺は大宝山の中に建っているため、本堂からも向島や尾道大橋など、尾道を象徴する景色が一望できます。自然に囲まれておりとても静かで、じっくり参拝できる素敵な場所です。

鐘楼は通常の鐘にある百八個のイボがなく、梵字百字の真言と五智如来の種子が彫り込まれているのが特徴。除夜の鐘としても尾道の人々に親しまれています。

境内にはさまざまな形の巨岩がありますが、最も有名なのは「玉の岩」。千光寺にまつわる尾道で最も有名な伝説が残されており、周り50m、高さ15mもあります。ロープウェイに乗ると迫力満点の景色が楽しめるので、ぜひ注目してください。

千光寺から坂を少し下ると、築100年の古民家を再生したゲストハウス「みはらし亭」があります。歴史を感じる伝統的な雰囲気が漂い、タイムスリップしたかのよう。カフェもあるので、休憩に立ち寄るのもおすすめです。

千光寺 基本データ

<住所> 広島県尾道市東土堂町15-1
<TEL>0848-23-2310
<営業時間>9:00〜17:00
<休業日>無休(荒天時、点検時等臨時運休あり)
<駐車場>千光寺公園山頂駐車場(有料)

行き方・アクセス

<電車>
JR「新尾道駅」からタクシーで千光寺公園駐車場まで約10分
JR「尾道駅」から市営バスで「長江口」下車。千光寺ロープウェイ「山頂駅」から徒歩5分
<車>
長江通りから千光寺ドライブウェイへ。千光寺公園内駐車場から徒歩約10分

約200mの細い路地「猫の細道」

「猫の細道」は、約200m続く細い路地。芸術家の園山春二氏が路地に「福石猫」を配置したプロジェクトが始まりとなり、現在は尾道の観光名所として広く知られています。千光寺から市街地へ下る際にはロープウェイを使わずに、猫の細道を通ってみてください。

見逃してしまいそうな場所にも猫モチーフが散りばめられていて、宝探しのよう。猫好きにはたまらないスポットです。

猫ちゃんに会えたらラッキー

尾道の坂道は、高台に位置しているため、すぐに美しい景色に出会えるのが魅力。街全体が一望できる場所や、瀬戸内海の美しい風景が見渡せる場所が多く、坂道を歩くことで尾道の魅力的な景観を楽しめます。昔からの伝統的な街並みや建築が残っていることから路地も多く、レトロな雰囲気も人気の理由の1つ。

猫の細道 基本データ

<住所>広島県尾道市東土堂町

行き方・アクセス

千光寺山ロープウェイ「山麓駅」より徒歩1分

尾道本通り商店街

尾道本通り商店街は、全長約1.2kmにわたる日本有数の長さを誇る商店街。芙美子通り、土堂中商店街、本町センター街、絵のまち通り、尾道通りの 5 つの商店街で構成されており、約210件の店舗が軒を連ねています。行き先を決めずに気になるお店にふらりと立ち寄ったり、路地を見つけたら直感で歩いてみたり。どこか懐かしい雰囲気が漂う尾道商店街は、カメラを持ってスナップ散策を楽しむには最適な場所です!

八百屋で出会った、レトロなキャッシャーと昼食中の猫

カワイイ植木ランド

また飲みに来るね、尾道浪漫珈琲

目が合ったアパートメント

尾道本通り商店街 基本データ

<住所>広島県尾道市土堂
<TEL>0848-23-5001

行き方・アクセス

<電車>
JR「新尾道駅」からタクシーで尾道本通り商店街芙美子像側まで約12分
JR「尾道駅」から徒歩で尾道本通り商店街芙美子像側まで約4分

「ONOMICHI U2」で瀬戸内海の美食を堪能

海沿いにある、空き倉庫をリノベーションした複合施設「ONOMICHI U2」(おのみち ゆーつー)。
ホテル、レストラン、カフェ&ベーカリー、ライフスタイルショップ、サイクルショップなど、さまざまなサービスが取り揃えられており、ふらっと立ち寄っても必ず楽しめるおすすめのスポット。
尾道駅から歩いてすぐというアクセスの良さも魅力の1つです。

国内レモンの生産量日本一の広島県。レストランでは、瀬戸内塩レモンのピザや、瀬戸内魚介のアクアパッツァ、広島産牡蠣のパスタなど、瀬戸内ならではの新鮮な食材を使った料理がいただけます。

塩レモンの風味はピザに絶妙なアクセントを加え、アクアパッツァやパスタの魚介類は、豊かな旨みが口の中に広がり、絶品!季節ごとに異なるメニューもあるので、訪れた際にはぜひ食事も楽しんでください。

セットランチにはサラダバーやパンブッフェもついており、ボリュームも満点です。

ショップにはセンスの良い雑貨や、お土産にぴったりの瀬戸内の食品など、衣・食・住のアイテムが集まっており、お買い物を楽しめます。U2のオリジナルグッズもチェックしてみてください。

ONOMICHI U2 基本データ

<住所>広島県尾道市西御所町5-11
<TEL>0848-21-0550
<営業時間>
●The RESTAURANT
breakfast:07:30〜10:00(L.O. 09:30) *宿泊のみ
lunch:11:30〜15:00(L.O. 14:30)
tea time:11:30〜16:00(L.O. 15:30) *土日祝のみ
dinner:17:30〜21:30(L.O. 21:00)

●KOG BAR
17:30〜21:30(L.O.21:00)

●Yard Cafe
9:30〜18:30

●Butti Bakery
9:30〜18:30

●SHIMA SHOP
10:00〜18:00

●GIANT STORE
9:00〜18:00

<休業日>店舗により異なる

<駐車場>尾道駅前港湾駐車場(隣接)の駐車サービス券を発行

行き方・アクセス

<電車>
JR「尾道駅」より 徒歩5分
JR「新尾道駅」より タクシーで15分

<車>
●東京、大阪方面から
山陽自動車道 「福山西IC」下車→尾道バイパス経由 約20分
●九州、広島方面から
山陽自動車道「 尾道IC」下車→国道184号経由 約20分
●四国方面から
瀬戸内しまなみ海道「 西瀬戸尾道IC」下車→尾道バイパス経由 約15分
●山陰方面から
尾道自動車道(中国横断自動車道 尾道松江線) 「尾道IC」下車→国道184号経由 約20分

<飛行機>
広島空港より三原行きリムジンバス→ JR「 尾道駅」下車、徒歩5分
広島空港より福山行きリムジンバス→ 高坂BSでフラワーライナーに乗り換えJR「尾道駅」下車、徒歩5分

日本ではここだけ!16人乗り自転車「ICHIROKU ONOMICHI」

海沿いに位置する「BETTER BICYCLES」では、オランダ製の16人乗り自転車「ICHIROKU」を体験できます。乗客はハンドルを操作する必要がなく、向かい合ってお喋りを楽しみながらサイクリングを楽しめる新しいスタイル!

最少催行人数は4人で、ツアーは

・市街地東側を一周する「尾道体験ツアー」
・尾道のお酢を使った特製ドリンクとクロワッサン専門店のクロワッサンを楽しみながら巡る「尾道今昔ツアー」
・ビールを飲みながら尾道ブルワリーの醸造所を見学する「尾道ビールツアー」

の3種類から選べます。

公道・車道での運転が可能な、ICHIROKU。全長約5mのサイズで公道・車道での運転が許可されているのはなんと、日本で尾道市だけなんです。
皆で1つの自転車を動かしているという感覚がとても楽しく、ここでしか体験できない特別感が、旅のハイライトになること間違いありません。

海を目の前にゆったりとした時間が流れるBETTER BICYCLESは、コワーキングスペースとしても利用可能。サイクリングの体験が終わったら、少し休憩するのも良いですね。

BETTER BICYCLES 基本データ

<住所>広島県尾道市土堂二丁目10−24 2F ONOMICHI SHARE内
<TEL>0848-38-2912
<営業時間>10:00~18:00
<休業日>水曜日
<駐車場>中浜パーキング(有料)

行き方・アクセス

<電車>JR「尾道駅」より 徒歩15分

「未来心の丘」で非日常の絶景に癒される

尾道市生口島にある「未来心の丘」は、5,000平方メートルにもおよぶ白い大理石の庭園。彫刻家、杭谷一東(くえたにいっとう)の作品で、大理石は全てイタリアからコンテナ船で運ばれたもの。広がる大理石の空間はまるで海外にいるかのようで、広島であることを忘れるほどの別世界です。

モニュメントには触ったり登ったりすることが許可されているため、アートに直接触れることができるのも嬉しいポイント。モニュメントを見ながら「顔に見える」「ハートに見える」など、想像を膨らませる時間も楽しく、どこを切り取っても美しいため、ついつい撮影に夢中に。

未来心の丘は晴天の青空と大理石の白のコントラストが人気ですが、幻想的な夕暮れ時もおすすめです。夕日に照らされて大理石がオレンジ色に染まり、昼間とは雰囲気の違う表情を楽しめます。

夕日が瀬戸内海に沈むまでの間、島々や海岸線、街並みを眺める時間はとても贅沢。息を呑むような美しい景色に旅の疲れも吹き飛びます。まるで時間が止まっているかのような穏やかな雰囲気に包まれ、心が満たされるのを感じるでしょう。

大理石の庭園「未来心の丘」。耕三寺博物館の人気観光スポット!

同じ場所にある「耕三寺」も見どころ満載

未来心の丘の手前に、耕三寺耕三氏が、死んだ母へ感謝の意を込めて建立したお寺「耕三寺」があります。日光東照宮陽明門や京都宇治平等院鳳凰堂など、さまざまなお寺をオマージュした建物があり、その内15棟は国登録有形文化財に指定されています。

鮮やかな彩りや派手な装飾は見応え抜群。境内には季節ごとに楽しめるさまざまな花木が植えられており、特にハスの花と桜の時期が人気です。

未来心の丘から見える耕三寺の救世観音大尊像

耕三寺と未来心の丘はどちらも「耕三寺博物館」内に位置し、同スポットでまったく違った世界観を楽しめるのが魅力。どちらも見どころ満載なので、時間に余裕を持って訪れてみてください。

耕三寺博物館 未来心の丘 基本データ

<住所>広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2
<TEL>0845-27-0800
<定休日>年中無休
<営業時間>9:00~17:00(最終入館は閉館の30分前まで)

潮聲閣 10:00~16:00
カフェ・クオーレ 10:00~16:30

<駐車場>あり 無料2箇所
1・・・普通車専用駐車場 40台(徒歩約2分)
2・・・駐車場 約40台(徒歩約5分)

料金

耕三寺境内・未来心の丘及び金剛館の入場料
大人 1400円/大学生・高校生 1000円/中・小学以下は無料
(潮聲閣は別途、大人・子ども共に200円)

行き方・アクセス

●山陽自動車道
尾道IC→西瀬戸尾道IC→生口島北IC→耕三寺(50分)
福山西IC→西瀬戸尾道IC→生口島北IC→耕三寺(40分)
※生口島北ICより13分
●しまなみ海道
今治ICー生口島南IC→耕三寺(35分)
※生口島南ICより13分

銭湯宿「yubune」で快適で上質な滞在を

2021年にオープンした「yubune」は、銭湯付帯の旅籠(りょかん)。尾道市瀬戸田の、古き良きお店が立ち並ぶ「しおまち商店街」にあります。

国産ヒノキ材や畳が使用された全14室の客室は、無駄のないシンプルな作り。ベッドエリアと畳敷きのリビングエリアに分かれているため、気分に応じて過ごせるのが嬉しいポイント。中でも土間タイプの客室は釣竿や自転車をそのまま持ち込めるので、サイクリング旅をする人にもぴったりです。

客室にはオリジナルの自家焙煎珈琲やほうじ茶が備えられており、ミニバーには地元の柑橘ジュースや地ビールが。yubuneオリジナルのアメニティもかわいいのでチェックしてみて。

瀬戸田の月夜の情景が描かれた「tsukinagi」

瀬戸田の昼の情景が描かれた「hinagi」

日帰り入浴も可能なyubuneは、生口島唯一の銭湯。大浴場には島の風景を描いたモザイクタイルの壁画が一面に飾られており、今風でおしゃれな雰囲気。併設されているサウナで旅の疲れをリフレッシュできるのも嬉しいです。

2階には宿泊者が自由に利用できるラウンジ「yuagari」があります。瀬戸内にまつわる本が置かれており、読書を楽しむのに最適です。また、yubuneのオリジナルグッズを購入できるため、お土産を探しに立ち寄るのも◎。静かで落ち着いた空間で、自由に過ごせる場所です。

yubuneは地域の人や食と触れ合う場として商店街の飲食店を推奨しており、館内にレストランがありません。向かいには同系列の旅館「Azumi Setoda」があり、こちらで食事をいただくことも可能です。築140年の豪商邸宅を受け継いだ館内は、開放的で広々とした気持ちの良い空間。食事場所は旅人たちが顔を見合わせられるよう、向かい合わせになっています。

お料理は半径50km以内で採れた瀬戸内の野菜をメインにしたイノベーティブフレンチ。メニュー表には素材名だけが書かれているので、料理が運ばれてくるたびにサプライズがあり、楽しみながら食事ができます。野菜の味を引き立てる料理が美味しいのはもちろん、アンティークな器や盛り付けなど全てが美しく、目で見て楽しめるのも魅力です。

yubune基本データ

<住所>広島県尾道市 瀬戸田町瀬戸田269
<TEL>0845-23-7917
<駐車場>有

行き方・アクセス

<電車>JR「三原駅」→高速船・ジェット水中翼船瀬戸田港下船→徒歩約1分

<車>
●尾道方面から
西瀬戸自動車道(しまなみ海道)西瀬戸尾道IC→生口島北ICを降りて信号左折(瀬戸田方面)
●今治方面から
西瀬戸自動車道(しまなみ海道)今治IC→生口島南ICを降りて信号右折(瀬戸田方面)

約600m続く「しおまち商店街」

yubuneの位置するしおまち商店街は、古い街並みが残る中で、センスの良いショップやカフェなどが増えており、滞在先としての魅力が詰まった場所です。海辺からとても近く、海岸沿いから見るサンセットはため息もの。yubuneから歩いて行ける距離に漁港もあるので、朝の散歩に出かけてみるのも◎。地元の漁師さんたちが働く様子や、海から昇る朝日に出会えるかもしれません。

しおまち商店街 基本データ

<住所>広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田
<営業時間>店舗により異なる

行き方・アクセス

<電車>
JR「三原駅」から「三原港」~快速船「瀬戸田港」下船
JR「尾道駅」から「尾道港」~普通船「瀬戸田港」下船

終わりに

高台から見る尾道のレトロな街並みに、息を呑む絶景。心がときめく瞬間を何度も体験できる、尾道と生口島のおすすめスポットを紹介しました。次回はそのまま周遊したい島根県の魅力をお伝えします。心が安らぐ癒しの旅へ出かけませんか?

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