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プロフィール
酒井雄世
医師/写真家 1997年生まれ、茨城県出身、大阪府在住。学生時代より旅先での撮影を続け、自然の造形や光の移ろいの中にある静かな美しさをテーマに活動している。
愛用カメラ:Nikon Z7II
愛用レンズ:NIKKOR Z 14-30mm f/4 S、24-120mm f/4 S
光と静寂が交わる、地の果ての楽園
旅を重ねるうち「見る」ことより「記録する」ことに夢中になっていた。でもロフォーテンではただ立ち尽くす時間が心地よかった
まるで天が呼吸しているかのように移り変わる空に自然の神秘を感じずにはいられない
「ノルウェーにあるロフォーテン諸島にはこれまでに2度訪れていて、最初は新婚旅行でした。“世界で最も美しい場所”のひとつだと言われるこの地を、自分の目で見てみたかったからです。実際に訪れてみると、想像を超える美しさに『本当に楽園だ』と感じました。そこには言葉にならない“生きている美しさ”があって、ただただ圧倒されました。昨年行った世界一周の旅でも多くの美しい場所に出会ったけれど、ロフォーテン諸島ほど『また帰りたい』と思えた場所はありません。というより、いずれは住んでみたい、季節の移ろいの中に身を置いて、ゆっくりと景色を堪能したい場所です。魅力は、まず何よりも光の豊かさ。淡い朝焼けから深い群青の夜へと移り変わり、夜には空にオーロラが舞う。まるで天が呼吸しているかのように、静かに揺らめくその姿に、自然の神秘を感じずにはいられません。特に1月下旬の訪問がおすすめです。太陽の高度が一日中低く、朝から夕方までずっとマジックアワーのような光に包まれます。そして、自然と人の暮らしが織りなす色彩の美しさ。雪山の白と海の青を背景に、ロルブーというカラフルな漁師小屋が並ぶ風景は、まるで絵画のよう。さらに“静寂の中にある力強さ”があります。切り立ったフィヨルドの山々と、静かに広がる海。その間に立つと、大地と海の鼓動がゆっくりと身体に沁み込んでくるような感覚になります。写真を撮る人には、まずはただ歩いてほしいです。どこを切り取っても絵になる場所だけれど、心がゆっくりと満たされていくのを感じるはず。旅を重ねるうち、いつの間にか『見る』ことよりも『記録する』ことに夢中になっていましたが、ロフォーテンではただ立ち尽くす時間が心地よく、撮らなくても、世界はちゃんと美しい。その当たり前のことを、思い出させてくれました。旅とは自分の生き方そのものです。自分に立ち返り、美しい景色の中で、自分の感覚や軸が少しずつ確かになっていきます。だから僕にとって旅は、自分を見つめ直す時間。きっと一生旅をしています」。
GENIC vol.77【旅を愛するフォトグラファーが“心に刻んだ異国の地”】
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.77
- 2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」
- どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。 - GENIC SHOP
