リサ・ラーソン(Lisa Larson)プロフィール
陶芸家 1931年9月9日、スウェーデン南部生まれ。ヨーテボリ大学芸術学部デザイン工芸校に学んだ後、スウェーデンの陶磁器メーカー、グスタフスベリのアートディレクターであったスティグ・リンドベリに請われグスタフスベリ社に入社。同社の黄金期を支える中心的なデザイナーとなる。1952年、画家のグンナル・ラーソンと結婚。1980年にフリーランスとなり、以後、数多くのクライアントと仕事をする。2000年代より株式会社トンカチ(日本)とのコラボレーションがスタートし世界的な再ブレークの契機となる。2022年スウェーデンの芸術と工芸を刷新し、豊かにした長年の優れた仕事に対して政府から勲章を授与される。2024年3月11日没。
プライベート写真など未公開資料を展示
本展はリサ・ラーソンと交流のあった個人の視点で彼女との日々を回顧するものです。プライベートに撮影した写真や制作過程での原型、関係者の回想など、これまで未公開であった資料を展示。通常の作品展とは異なる形でリサ・ラーソンを追悼する展覧会です。
リサは、人生は60歳から80歳までの20年間が一番いい時よ、と言った。それを聞いたとき、そんなに高齢になってからなの?と意外に思った。
私は彼女の「いい時期」の後半部分から始まって、その後の「年を取るのは大変だ」と言うようになった晩年に至るまで、2つの時期を通してリサと一緒に仕事をしてきた。
最初の頃の話は、今思うと夢のようだ。私はリサとFAXでやり取りしながら、二人だけで仕事を進めていた。小さな小さな仕事からスタートした。もちろんマーケティングなんてない。締切だってない。見積もりだってない。空想とプロダクツの区別が未分化な、私信に少し仕事が混ざったような、それは文通のようなやり取りだった。
その時間の1%くらいだけが記録に残り、他は全部どっかに飛んでいってしまった。この展示はその1%の記録の断片だ。飛んでいった99%は、風に吹かれてたどり着いたところで花や樹木になるのだろうか(そうだといい)。
私はリサと文通をしていたあの頃が好きだ。私が私であった時代。私がしたいのは、今も昔も、文通から始まる恋のようなことなのだ。きっと、あの頃の私は随分と今より純粋だったし、会社も、社会も、仲間も、もう少し無垢だったに違いない。
最後の数年はリサと前のように仕事を進めることができなかった。けれどリサの子供たちが彼女の体調を見計らって意向を確認してくれたり、ミーティングを設定してくれたことで、仕事を進行することができた。これは家族にしかできない献身だったと思う。彼らのお陰で、リサと私たちは最後の最後まで可能な限り仕事をすることができた。それはリサにとっても重要なことだったのだと思いたい。私は文通のような仕事でしか辿り着けない場所だってあるんだと思う。リサとその家族の皆さんに感謝したい。
私のリサ・ラーソン / 追悼 リサ・ラーソン
リサ・ラーソン追悼展「私のリサ・ラーソン / 追悼 リサ・ラーソン」情報
開催日時
2024年4月12日(金)~6月2日(日)12:00~19:00
水・木・金:WEBサイトから要事前予約
土・日・祝日:予約不要
休廊日:月・火※祝祭日開廊
入場料
無料
会場
のこぎり
〒150-0033東京都渋谷区猿楽町5-17第一西尾ビル2階
行き方・アクセス
<電車>
東急東横線「代官山駅」から徒歩で10分
JR山手線「渋谷駅」新南口から徒歩で10分
JR山手線「渋谷駅」南口から徒歩で14分
TONKACHI,6にてリサ・ラーソンアイテムを特集
ギャラリーのこぎり近くのTONKACHI,6(トンカチ・シックス)では、本展のギャラリー・ショップという位置づけでリサ・ラーソンのアイテムを特集しています。
TONKACHI,6(トンカチ・シックス)
〒150-0034 東京都渋谷区代官山町1-1 GRAVA代官山6階
営業時間:12:00~19:00
定休日:不定休