歴史情緒あふれる街並み「奈良井宿」
江戸時代に整備された、江戸の日本橋と京都の三条大橋を内陸経由で結ぶ街道「中山道(なかせんどう)」。奈良井宿は、中山道のちょうど真ん中にある約1kmの日本最長の宿場町です。多くの旅人が険しい難所「鳥居峠」を越えるまでに、奈良井宿で体を休めていました。
中山道木曽11宿中、最も標高が高く、最も賑わった宿場町でした。
江戸時代や明治時代の建築物が立ち並ぶ奈良井宿は、昭和53年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。
NHK連続テレビ小説『おひさま』の舞台にもなり、多くの観光客で賑わうようになりました。
二階を少しせり出した「出梁(だしばり)造り」など、宿場の建築がそのまま残されており、他ではなかなか見られない景観が広がります。歴史情緒あふれるノスタルジックな街並みは、どこを切り取っても絵になります。
奈良井宿場内は地元住民以外の人の自動車、バイク等の乗り入れはできませんので、車で訪れる際は周辺の駐車場に車を停め、レトロな街並みを歩いて楽しみましょう。
奈良井宿おすすめ観光スポット
「中村邸」で奈良井宿の民家を見学
奈良井宿は、街道に沿って南側から上町、仲町、下町の三町に分かれており、櫛職人の町、上町にあるのが「中村邸」。
かつて漆櫛の商いをしていた中村邸は、主屋と土蔵がある奈良井宿の典型的な町家造りの家です。1843年(天保14年)頃に建てられ、奈良井宿独特の、間口が狭く、奥行きが深く、二階部分は少しせり出した出梁造り。
昔のままの建物で現在は資料館として一般公開されてます。
台所の囲炉裏と大きな吹き抜けから、当時の暮らしぶりがうかがえます。外観も内部も昔のままの状態で見学できるのは、奈良井宿でもここだけ。
2020年12月に、国の重要文化財に指定されています。
■中村邸(なかむらてい)
<開館時間>4月〜11月は9:00〜17:00/12月〜3月は9:00〜16:00
※入館は閉館の30分前まで
<定休日>4月〜11月は無休/12月〜3月は毎週月曜日・祝日の翌日
※月曜が祝日の場合はその翌日
<入館料>大人300円/中学生以下無料
豪華絢爛な総檜造り「木曽の大橋」
奈良井宿を流れる奈良井川に平成3年に架けられた、美しい総檜造りの太鼓橋です。長さ33m、幅6.5m、水面からの高さ7mの大橋で、橋脚を持たない橋としては日本有数の大きさ。
樹齢300年を超す木曽檜が贅沢に使用されており、檜の板一枚一枚が精巧に重なりあい、橋のアーチを作っています。
日没後のライトアップされた姿は幻想的。
静寂の中に佇むたくさんの石像「二百地蔵」
奈良井駅前、民家の間の小道を上がっていくと八幡神社があり、階段を途中まで上ったところの旧中山道である杉並木沿いに歩いていくと現れるのが、二百地蔵。
「二百地蔵」という名前から200体の石地蔵があるのかと思いますが、実はそのほとんどが観音であり、地蔵自体はそれほどの数はありません。この地蔵と観音像は、明治時代に鉄道開設にあたり、奈良井宿周辺から集められました。
古民家カフェで食べ歩きを楽しむ
奈良井宿は、お食事処やカフェなども充実しており、食べ歩きを楽しむこともできます。
奈良井宿の古い町家の雰囲気を感じ、街道を見ながら、自家製スイーツとこだわりのコーヒーを味わえるのが「宿場カフェいずみや」。
ここで食べておきたいのが、季節ごとに食材が変わる「奈良井ブラウンパフェ」。奈良井宿の至る所にあるブラウン色を表現したというパフェです。
築180年の古民家カフェは店内も落ち着ける雰囲気で、散策の休憩にはぴったり。
宿場カフェいずみやでは、着物レンタルもしているので、着物姿で情緒あふれる奈良井宿をお散歩してみては。
■宿場カフェいずみや
<営業時間>10:30〜16:30/18:00〜22:00は予約により営業
<定休日>不定休
<料金>着物レンタル着付け 5,000円〜
奈良井宿(ならいじゅく)/長野<日本>
長野県塩尻市奈良井
<行き方・アクセス>
車:塩尻ICから約35分/伊那ICから約40分
(周辺に無料駐車場、有料駐車場が数カ所あり)
電車:JR中央本線「奈良井駅」から徒歩約3分
おすすめ記事
世界中のフォトスポットを地図で!
※ 本記事内のInstagramの写真は、アカウント所有者より許可を得て掲載しております。