江戸時代にタイムスリップしたかのような宿場町
妻籠宿は、中山道六十九次のうち江戸から数えて42番目となる宿場町。古くから交通の要所として賑わい、宿場町として栄えていました。 しかし、時代が変わり鉄道や道路が新たに造られるようになると、宿場としての機能を失い、衰退の一途をたどることに。1968年から1970年にかけて長野県の明治百年記念事業の一環として、全国で初めて復元・修景が実施されました。
今も古い町並みを残す妻籠宿は、趣があり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
妻籠宿でもっとも人気がある撮影スポット「脇本陣奥谷(わきほんじん おくや)」
「脇本陣奥谷」は、国の重要文化財に指定されている建物で、歴史資料館とセットで見学できます。
現在の建物は、明治時代に建てられたもの。それまで伐採が禁止されていたヒノキをふんだんに使った豪壮な造り。
木曽の木材は昔から高品質で、江戸城の築城など様々なところで利用されていたほど。ヒノキの保護を目的として、江戸時代は伐採禁止になっていたのです。
そんな貴重な旧家が一躍有名になったのは、囲炉裏の間に差し込む光芒写真。
連日多くのカメラマンが集まるフォトスポットとなっています。
しかし、いつ訪れても光芒が出ているわけではなく、光芒が見られるのは秋分の日頃から春分の日頃の半年間だけ。
光芒写真がもっとも美しく撮れると言われているのが、冬至の頃の晴れた日のお昼頃。
囲炉裏の奥まで美しい光が入りこみます。
光芒が入り込むシーズンは、カメラマンや観光客で混雑します。撮影に夢中になりすぎて長時間、場所を陣取ることはせずに譲り合いの精神で。
屋内の撮影なので、広角のレンズがおすすめ。
場所やアングル、カメラ設定を変えたり、工夫しながらたくさんシャッターを押して撮影を楽しんでみてください。
国の指定重要文化財に指定されているので、三脚など建物を傷つけたり傷めたりする恐れがあるものは禁止です。
※2020/9/1~2021/3/31までは、新型コロナウイルス感染症対策のため、写真撮影が禁止となっていました。今年の秋分には、素敵な光芒写真が撮れる世の中になっていますように。詳細は、妻籠観光協会もしくは南木曽町博物館の公式WEBなどで確認してください。
宿場町の面影を最も色濃く残している「寺下の町並み」を散策
「寺下の町並み」は、妻籠宿の中で特に、宿場町の面影を色濃く残しているエリア。
寺下の町並みには、妻籠宿で最も古い建物のひとつ「上嵯峨屋」や、石置き屋根が印象的な「下嵯峨屋」があります。
江戸時代に栄えた宿場町は、城塞の役割もあり、宿場の出入口には「枡形(ますがた)」という直角に曲がった道が設けられています。
妻籠宿の道も枡形になっていて、戦いが起きたときに敵が攻め込むのを防ぐように工夫されています。
桝形の部分だけは石畳や土道になっているので、より昔の雰囲気を感じられる写真を“切り撮る”ことも。
他にも、全国で唯一の黒いポストがある郵便資料館や、島崎藤村の母の生家である妻籠宿本陣など、寄り道したくなるスポットが溢れています。
歩き疲れたら、五平餅やおやき、そばなどのグルメを楽しむのもあり。
無料休憩所「妻籠宿ふれあい館」もおすすめです。ヒノキをふんだんに使って建てられた空間は癒されます。
妻籠宿(つまごじゅく)/長野県<日本>
長野県木曽郡南木曽町吾妻
<行き方・アクセス>
車:中央自動車道中津川ICから木曽福島方面へ約30分。
バス:JR南木曽駅(馬籠・保神行き)から妻籠下車。
脇本陣奥谷(わきほんじんおくや)/長野県<日本>
長野県木曽郡南木曽町吾妻2187-1
<開館時間>
9:00~17:00
<休館日>
年末年始(12/29~1/1)
<入場料>
大人600円/小人300円
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