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AUXOUTが「Z6III」をレビュー。「かなりアドバンテージがある」と感じたポイントを公開

小型ボディーにフラッグシップモデルと同等の性能や、自分らしさを叶える新機能を搭載した、Nikonのフルサイズミラーレスカメラのニューモデル「Z6III」。写真や動画の“色味や質感”を、自由に調整して撮影できる「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」やミラーレスカメラ史上最高の明るさを誇るEVFなど、表現の幅を広げてくれる機能も充実しています。今回は、かつてNikonのDシリーズを使用していたというフォトグラファー / ビデオグラファーのAUXOUTさんに、Z6IIIを使って静止画と動画の撮影をしていただきました。AUXOUTさんが感じたZ6IIIのおすすめポイントを、Z6IIIで撮影した作例とともにお届けします。

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目次

プロフィール

AUXOUT

フォトグラファー / ビデオグラファー アメリカの大学で音楽を学び、帰国後レコーディングエンジニアに。その後、国内外ブランドの広告クリエイティブに携わり、現在は映像クリエイターとして活動中。

Nikonのカメラと久しぶりの再会

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 24mm f/1.8 S、シャッタースピード:1/1600秒、絞り値: f/1.8、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:柳田桜子
「モデルさんにもZ6IIIを体験していただきましたが、どうやら気に入ったご様子。Nikonと言えばイカついレンズのイメージですが、意外とコンパクトなレンズも豊富にラインナップされていて、写っているNIKKOR Z 40mm f/2(SE)のレンズも、撮影に使用したNIKKOR Z 24mm f/1.8 Sもその一つ」。

「久しぶりにNikonのカメラを手にしてみて感じたのは、やはり質実剛健なボディーからは想像できない繊細な写りをするな、ということです。最近のミラーレスカメラは小型軽量を売りにしている製品も多く、それが悪いとは思ってはいませんが、こうして手にしっかりと馴染んで安定感のある撮影ができるカメラもまた一つの魅力であると改めて感じさせられました」。

とにかくシャッターを切るのが気持ちいい

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena、シャッタースピード:1/250秒、絞り値: f/1.8、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:柳田桜子
「今回は柳田桜子さんにモデルをお願いしました。彼女の強烈な目力に負けそうになりながらも、俺にはZ6IIIがある!と自らを奮い立たせて撮影しました。今回使用したレンズで特にお気に入りのNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena。肌は肌らしくキメ細かに描写し、髪の毛は一本一本はっきりと解像し、その写りに圧倒されます」。

「写真は、とにかくシャッターを切るのが気持ちよかったです。ズバッ、ズバッとキレのあるシャッター音と、Z6IIIの連写性能が相まって、シューティングゲーム好きの身としてはタップ撃ちのような感覚に。最初は撮り過ぎだろってくらいに撮っていました」。

576万ドットの高解像度で見やすいEVF

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、シャッタースピード:1/2500秒、絞り値: f/1.4、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:柳田桜子
「実は、この日の撮影の最後に河川敷の川辺で撮影をしたかったのですが、行ってみると堤防が工事中で降りられない事態。さらに太陽も急に雲に隠れ、ふんだりけったりで絶望しかけたその一瞬、わずかに雲の切れ目から夕陽が差し込み、夢中でシャッターを切りました。神様とモデルさんの対応力に助けられた一枚です」。

「576万ドットの高解像度なEVFがとても見やすく、MF撮影時のピント合わせがスムーズにできました。フレキシブルカラーピクチャーコントロールも自分で作って試しています。たいてい、攻めた色づくりをし過ぎると、色飽和が起こりやすくなるのですが、Z6IIIではそういったこともありませんでした。高解像度なEVFを通せば自分の色味でしっかりと景色を見ることができ、作品づくりがしやすいです」。

色の設定情報がついたままRAWを編集ソフトに引き継げるフレキシブルカラーピクチャーコントロールは神

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、シャッタースピード:1/3200秒、絞り値: f/1.4、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:柳田桜子
「フレキシブルカラーピクチャーコントロールを使用して、Z6IIIにNX Studioで作った自分の色味を取り込んで撮影に挑みました。オリジナルの色味で撮影を行えるので、撮影時から自分の世界観を作れます」。

「最近のカメラ界隈では色味をカメラ内に取り込める製品が流行ってますが、多くは映像で使われるLUTを使用して色変換を行っています。僕も自分のLUTを大量に保有しているので、フレキシブルカラーピクチャーコントロールはなぜLUTじゃなくて独自規格なのだろうと、最初は疑問に思っていました。僕は、RAW現像にはAdobe Lightroomを使用しているんですが、NX Studioで作った色の設定情報で撮影したRAWをLightroomに取り込んだら、なんと編集設定が引き継がれていたのです!これは控えめに言っても最高です。LUTだとあくまでJPEGで楽しむもので、RAWには適用できないものがほとんど。フレキシブルカラーピクチャーコントロールであれば、RAWにも色味を引き継げるし、後からいくらでも再調整できるのは… 神です。今回の写真には全てフレキシブルカラーピクチャーコントロールを使用しました」。

唯一無二な写りのNIKKORレンズを体感できる

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、シャッタースピード:1/500秒、絞り値: f/1.4、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:柳田桜子
「50mmは普段僕が最もポートレート撮影に使う焦点距離なのですが、よく使うだけあって正直飽きもありました。しかし、このレンズの解像感、開放F値1.2という明るさ、滑らかなボケは、これまでとは違う創造意欲を掻き立ててくれる一本でした」。

撮影機材:Z6III+NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena、シャッタースピード:1/640秒、絞り値: f/1.8、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:​​Rico Natsume
「妻とお散歩へ。近所の公園でもNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaがあれば問題なし。このレンズはまさにポートレート撮影のために生まれたかのように、柔らかく大きなボケの中で被写体を際立たせ、見る者の目を自然と彼女の表情へと導き、被写体の魅力を最大限に引き出してくれます」。

「当たり前なんですけど、Z6IIIだとNIKKORレンズを使えるというのがいいですね。僕は映像畑の人間でもあるので、写真も躊躇なくゴリゴリ編集しちゃいます。その上でどうにもならないのはやっぱりレンズの個性の部分だと思っていて、光学性能に長けた様々なNIKKORレンズはやはり唯一無二の写りをするなと感じました。
今回使用したレンズで言うと、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaの圧倒的なボケの滑らかさが凄かったです。それでいてピント面はカリッとしていながら、被写体と背景がしっかり調和している感じは圧倒的だなと思いました。普段はポートレートを引いて撮ることが多いのですが、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaをつけてファインダーを覗いてると、被写体に吸い込まれていくような感覚になって、気がついたらどんどん寄ってしまっていて。それだけ、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaで撮るポートレートは見る人を引き込む魔力があります」。

MFレンズでもテンポよく撮影できる

撮影機材:Z6III +Ai-S Nikkor 50mm F1.8(+マウントアダプターFTZ II)、シャッタースピード:1/125秒、絞り値: f/1.8、ISO感度:100
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
model:​​Rico Natsume
「旅感のあるスナップとヴィンテージレンズの相性は抜群。80年代のレンズが生み出す柔らかなボケと独特の質感が、思い出に深みを加えてくれます。このレンズを通じて見る世界は、いつもとは異なる温もりを感じさせてくれるのです」。

「個人で所有していたAi-S Nikkor 50mm F1.8もZ6IIIにつけて使ってみたのですが、MF撮影時のピント合わせでも瞳認識が活用でき、拡大時に瞳部分を中心に拡大してくれる機能は最高でした。明らかにMFレンズでの撮影テンポが上がるので、ヴィンテージレンズ好きの人には、Z6IIIは間違いなくおすすめですね」。

ハイクラスな動画性能

「正直に言うと、写真に反して動画はNikonってそこまで強くないイメージが勝手にあったんです。ただこれは完全に僕の誤解でした。Z6IIIは、RAWの内部収録ができると聞けば動画クリエイターなら“マジで?”って興味を持つと思いますし、僕もその一人。動画でRAWと言えばシネマカメラ領域だったので、日常をシネマチックに切り取るスタイルの映像を撮る人には、パッとRAWで撮れるというのはすごく魅力的だと思います。
動画で使う頻度が高かったレンズは、NIKKOR Z 35mm f/1.4。明るく小型軽量なのでジンバルでも運用がしやすく、フォーカスブリージングやモーターの駆動音も小さいので、動画撮影との相性はバッチリでした。いい意味で柔らかな描写のレンズなので、シネマチックなルックとの相性もいいです」。

AUXOUTがZ6IIIを使用して撮影した動画作品と、レビュー動画は以下よりご覧いただけます。

Nikon Z6III First Impression │AUXOUT│ニコン

クリエイターの創造力を高めてくれるZ6III

撮影機材:Z6III +NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena、シャッタースピード:1/400秒、絞り値: f/1.8、ISO感度:250
model:​​Rico Natsume
ピクチャーコントロール:フレキシブルカラーピクチャーコントロール
「タイトルは、“私の夏休み”です」。

「Z6IIIの動画性能は、今、市場に出回っているカメラの中ではかなりアドバンテージがあると思います。それでいて写真性能も高いので、動画撮影の合間にスナップも楽しみたいという人に非常におすすめできます。
今回の作例では活用できなかったのですが、プリキャプチャーも可能な120fpsの連写性能を生かした撮影にチャレンジしたくなります。僕が思ういいカメラの条件って画質の向上とかも大事ですが、それ以上に“使い手に新たな可能性を与えてくれるかどうか”。高速連写性能や内部RAW収録もしかり、Z6IIIは多くのクリエイターにとって、創造力を高めてくれる一台なのではないでしょうか」。

多彩な映像表現に挑戦できる「Z6III」

世界初※部分積層型CMOSセンサー、強力な被写体検出とAF性能、高解像・高輝度・広色域EVFを搭載し、小型ボディーながらフラッグシップ機に迫る性能をもつ一台。さらに、フレキシブルカラーピクチャーコントロールに対応し、NX Studioで作り出したオリジナルのピクチャーコントロールをカメラに取り込んで、自分のテイストやイメージでの撮影を楽しめます。

※2024年6月17日現在、フルサイズ/ FXフォーマットのミラーレスカメラにおいて、ニコン調べ。

Nikon WEB

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model:Rico Natsume

model:柳田桜子

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