「Q.13 “倉本写真館”で一般の人を撮る理由は？」倉本侑磨｜Portrait Q&A 13/45

「商業撮影の仕事とは別に、倉本写真館という形で人を撮っています。もともと人を撮ることに興味があり、プロになる前から、ホームレスや街の人を撮っていました。コロナでスタジオが全部閉まった時期、自分の技術を生かして誰かに喜んでもらえることをやりたいと思い、原点に戻って身内や友達などを撮り始めたのがきっかけです。今はSNSでも被写体を募集しています。家族が多いけど、僕に撮ってもらいたいという人であれば誰でもOK。僕は、人間観察が好きなんです。相手のことが好きで撮りたいという綺麗事ではなく、さまざまな種類の人間をカメラを通して見ることに興味があり、それによって僕の人生が豊かになるのではと考えています。商業撮影ではもちろん仕事として割り切る部分が必要だし、ほとんどの被写体は華やかな世界の人たち。だから、もっといろいろな人を撮りたいという、飢えた気持ちがありました。そして、倉本写真館では100%自分の感覚で創ることに喜びを感じています。写真館を通して知り合い、気になった人はさらに追いかけて撮り続けたいと思うこともあります。子供からおじいちゃんまで、さまざまな人をカメラを通して『その気にさせる』という挑戦をしています。その挑戦が、次回の撮影にまた生きていきます」。

「倉本写真館では、背景に意味を持たせず、人物に集中できるという理由からスタジオで撮っています。洋服の色などで印象をつけたくないので、モノクロです。人間というもの以外の要素は必要ないと思っています」。

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. “倉本写真館”で一般の人を撮る理由は？
Edit：Satoko Takeda