nao
北海道札幌市出身。10年ほど前の誕生日にカメラを購入。札幌の日常写真を中心に、北海道の美しい姿を撮影し、Instagramに投稿している。
愛用カメラ:FUJIFILM X-T3、LUMIX GF6
愛用レンズ:XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS、XC50-230mm F4.5-6.7 OIS II、HELIOS 44-2
北海道
想いや祈りを込め、撮るものをいとおしいと感じながらシャッターを切る
「この写真は美瑛をドライブしているときに“冬の美瑛はどこを撮っても美しいなぁ”と思いながら撮った一枚。美瑛の広大さと、真っ白な雪に包まれている美しさを切り取りました」。
特別じゃない、日常や習慣の中で撮りたいものがたくさんある
写真を撮り始めたのはお子さんが生まれたころで、どの瞬間も保存したかったからと話すnaoさん。
「Instagramで見かけるような素敵な写真が撮りたい、と思ったのもきっかけですが、普段からきれいだなと眺めている札幌や北海道の風景を、スマホで簡単に撮れるようになったというのも理由のひとつです」。
「雪の重みで地面についたななかまどの枝。地面が雪だと枝と実の影がとても美しく見えます」。
「土手の上では近所の人が雪かきをしていて、ここに運んで来ます。そのときに転がった雪も、雪の跡もかわいいと感じます」。
「植物が少ない冬も枯れ紫陽花やノリウツギは残ってくれるので、私の心の支えに。雪が降った朝は、ふんわり積もって重そうだけどかわいくて、撮らずにはいられません」。
雪の色をきれいに、シンプルに写したいのです。なんとなく
「十勝の早朝は、札幌とは段違いの寒さ。そのお陰か、そこら中が霜でキラキラしていてきれいすぎて寒さも感じなくなるほど。こんなにきれいなシーンは初めてで感動しました。もっときれいに撮りたい、むずかしいなぁと思いながら撮影しました」。
「北海道の冬は、寒いし暗いし雪も大変なので好きではありませんでしたが、写真を撮るようになって冬が好きになりました。寒いってきれいなんだなという発見がありました。一番好きなところは街の色が消えてモノクロみたいになるところ。好きなスポットはそこらへん(近所)です。有名な美しい風景ももちろん好きですが、そこらへんに撮りたいものがたくさんあるんですよね。撮るという作業が好きで、“みて!きれい!こんなの撮れたよ”という感じで発信しています。私の写真を見た人たちに、その気持ちを共感してもらえたら嬉しいです」。
「自宅の窓枠に、雪が結晶のまま積もったところをパチリ。雪が降るといつも窓枠を見てしまいます。すぐに解けるので、急いでピントを合わせて息を止めてシャッターを切りました。クローズアップレンズを使用」。
「冬の風景はいいなと思わせてくれる、苫小牧のウトナイ湖。広い雪原にまっすぐの足跡が続いていたので、広さと、白さと、足跡をシンプルに切り取りました」。
「冬に写真を撮りながら散歩をしていると、札幌市内でもときどききつねに出会うことが。きつねがこちらを向いた瞬間に撮影。このきつねとは何度か会っていると思います」。
GENIC VOL.61 【フォトグラファーが伝える地元の冬景色】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC VOL.61
特集は「伝わる写真」。
私たちは写真を見て、何かを感じたり受け取ったりします。撮り手が伝えたいと思ったことだけでなく、時には、撮り手が意図していないことに感情が揺さぶられることも。それは、撮る側と見る側の感性が交じり合って起きる化学反応。写真を通して行われる、静かなコミュニケーションです。