Focal Length
今回のテーマは「Selfie」。
前回に引き続きセルフポートレート。
セルフィー、「自撮り」という言葉が違和感なく一般的に使われるようになったのは携帯電話のカメラとSNSが普及してから。
しかし面白いのはその歴史はとても長く、例えばゴッホが1889年に自分自身を描いた「耳を切った自画像」など、今でいうセルフィーは昔から存在する。
歴史上の偉大なアーティスト、画家も自分がどんな風に映るのか興味があったと思うとなんだかとても親近感が湧く。
僕が好きなストリートの写真家Vivian Maierのself portraitはストリートに溶け込む自分を撮影していた。
最近は作品の撮影期間に入っており、毎日違う自分に出会うように、作品から作品へと向き合っている。
役者としてとても幸せなことであり、その作品が誰かの心に届くことが、今からとても楽しみである。
違う誰かが自分の中に住み、そして出ていって、また新しい誰かを迎え入れる。
心の中に真っ白なスペースの部分が存在していて、その部分にエゴや自分の考えはなく、常にフラットでなんでも受け入れる。
そのスペースから自分が少しはみ出てきたり、そのスペースを優しく抱き抱えたり。
そんな日々を今は過ごしています。
プロフィール
古屋呂敏
俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。カメラ歴は7年。Nikon Zfを愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。俳優のみならず、カメラマン、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。CHANEL、FENDI、ISETAN、SK-IIなどの映像制作も手掛ける。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「Love Wind」を開催。