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「伊豆沼・内沼」を飛び立つマガンの大群は目に焼き付けたい冬の絶景

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冬の訪れとともにシベリアから「伊豆沼・内沼(いずぬま・うちぬま)」に飛来する鳥たち。群れで羽ばたく姿は幻想的で、感動ものです。伊豆沼・内沼は、マガンやハクチョウなどの渡り鳥の越冬地として知られ、朝の飛び立ちや夕方のねぐら入りは冬の宮城の風物詩のひとつです。

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ラムサール条約に指定されている「伊豆沼・内沼」

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伊豆沼・内沼は、宮城県北部の登米市(とめし)と栗原市にまたがる、面積491ha(伊豆沼369ha、内沼122ha)の東北最大の低地湖沼。周辺には広大な水田が広がっています。
水深が浅いため、沼の中央部まで水生植物が繁茂していて、水生昆虫や魚類、鳥類など多種多様な生き物に出会える場所です。

伊豆沼・内沼は、1985(昭和60)年に「ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)」の登録湿地に指定。国内では北海道の釧路湿原に続いて2番目に指定されています。

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渡り鳥の飛来地として有名な伊豆沼・内沼には、毎年数万羽の「マガン」が越冬のためやってきます。マガンが行動開始する朝、日の出をバックに群れが鳴き声を上げながら飛び立つ光景は、まさに絶景。冬の朝にしか見られない感動の瞬間を写真に収めようと、夜明け前からカメラを持った人たちが集まってきます。
夕日に染まった空に隊列を組んで帰ってくる、ねぐら入りの姿も壮観です。

伊豆沼・内沼はまさにマガンの聖域

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マガンはカモとハクチョウの中間くらいの大きさで、全体が黒っぽい茶色をした鳥です。特徴は、白いおでことお腹の黒い縞模様。日本には冬鳥として秋に渡来し、宮城の県鳥に指定されていいます。日本に渡ってくる総数の8割〜9割が、伊豆沼・内沼の周辺で冬を越します。
マガンは、昼間は農地で餌を食べ、夜は沼で眠ります。豊富な食糧のある田園地帯と、キツネなどの天敵に襲われる心配のない沼。このようなマガンにとって暮らしやすい環境が他にはあまりないため、大半のマガンが伊豆沼・内沼に集まってくるのだとか。

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伊豆沼・内沼のマガンが一斉に飛び立つ時の羽音と鳴き声は荘厳で、環境省の「残したい“日本の音風景100選”」にも選ばれています。現地に行って、生で生命の強さを感じる音を聞けば、きっと忘れられない思い出になるでしょう。

観察期間と時間

<期間>10月中旬~2月上旬
<時間>飛び立ち、ねぐら入りは日の出、日の入り時刻の前後からはじまるため、日の出、日の入りの約30分前の現地入りがおすすめ。以下の時間帯が現地入り目安。
・朝の飛び立ち 
11月初め:5:30頃、12月初め:6:00頃、1月初め:6:30頃
・夕方のねぐら入り
11月初め:16:00頃、12月初め:15:45頃、1月初め:16:00頃
※2022年は9月17日にマガンの初飛来が確認されています。

周辺で確認された鳥類は235種類

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これまで伊豆沼・内沼周辺で確認された鳥類は235種。日本全体で確認された種の約4割にもあたるそう。マガン以外にも、オオハクチョウ、コハクチョウ、マガモ、アオサギなどさまざまな種類の鳥たちが、遠くの地シベリアなどから越冬するために渡ってきます。オオハクチョウは、毎年2,000~3,000羽が飛来し、日本一の越冬地となっています。
伊豆沼・内沼ではこれらの鳥たちに至近距離で会え、餌やりをすることも可能です。ただし、販売されている専用の餌以外をあげるのは禁止なのでご注意を。

夏はハスの絨毯が広がる

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伊豆沼・内沼の水深は一番深いところでも1.6mと遠浅なため、水辺には浅瀬を好むたくさんの植物が成育しています。国内最大級のハス群落が広がり、アサザやガガブタといった希少種の群落も分布しています。

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毎年7月下旬から8月下旬のハスの開花時期に合わせて「伊豆沼・内沼はすまつり」が開催され、小型遊覧船に乗って湖面いっぱいに咲き誇るハスの花を間近に見ることができます。ピンクと緑の絨毯が敷き詰められたかのように、辺り一面がハスでいっぱいになります。花は早朝に開き、午後にはしぼんでしまうため、午前中早めの到着がおすすめ。

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夏の鮮やかなハスはもちろん美しいですが、冬の枯れたハスと渡り鳥たちとのコラボレーションも幻想的です。

伊豆沼・内沼(いずぬま・うちぬま)/宮城<日本>

伊豆沼・内沼 基本データ

<住所>宮城県登米市〜栗原市
<TEL>0228-22-1151(栗原市商工観光部田園観光課)

行き方・アクセス

<車>東北自動車道「築館IC」から約15分
<電車・タクシー>JR東日本・東北新幹線「くりこま高原駅」からタクシーで約15分/JR東日本「新田駅」からタクシーで約10分

栗原市観光ポータルサイト「ぎゅぎゅっとくりはら」

宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター

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伊豆沼のほとりには、2016年にリニューアルオープンした「宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター」があります。伊豆沼・内沼を訪れる人のための学び場で、伊豆沼・内沼の生態系の中の「水」をテーマに、水鳥や水生動植物を紹介しています。
鳥などの生き物のイラストが描かれた高さ約4.5mの壁面には、マガンやハクチョウの暮らしぶりを研究成果をまじえながら紹介。2階にあるビューラウンジからは伊豆沼が一望でき、窓に沿うように望遠鏡のあるテーブルと椅子が用意されています。
11月から1月にかけては、 「ガンの飛び立ち観察会&コクガン観察会ツアー」が開催されているので、気になる人は公式HPでチェックしてみて。

宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター 基本データ

<住所>〒989-5504 宮城県栗原市若柳字上畑岡敷味17-2
<TEL>0228-33-2216
<開館時間>9:00〜16:30
<休館日>月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、祝日の翌日、年末(12月29日~12月31日)
<駐車場>あり

入館料

無料

宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター 公式WEB

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