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プロフィール
文月ふみ
写真家 北海道在住。夕暮れから夜明けまでの時間帯を中心に、主にフィルムカメラで撮影。北海道の自然の美しさや、日々の隣に流れるささやかな時間を大切に作品づくりを続ける。人の想いにフォーカスをあてたフィルムカメラによるプロジェクト「想いの在り処(ありか)」音楽レーベル「si-ki」を主軸に活動。他、世界観を重視した商品撮影・地域のストーリーツアーへの同行撮影、小冊子や音楽アルバムのビジュアル制作にも携わっている。
静けさや余韻を大切にしながら、日常のささやかな時間や人の佇まいを記録する
写真は、私にとって想いをかたちにするための大切なツール。自身も含め、被写体やそこにある想いを残すことができるのが、写真の美しさだと思います。その人の生きてきた物語や、ささやかで美しい時間が伝わるような写真をいつも目指して撮影しています。人の想いや美しい光景を写し取ることで、自分自身の心も整っていくような感覚があります。
普段、夕暮れや夜明けの風景を中心に主にブローニーフィルムカメラで撮影しています。富士フイルムのデジタルカメラは、フィルムらしさが感じられる描写や自然な色味が魅力的で、記憶の中にある風景を思い出させてくれるようなトーンや質感に惹かれて、憧れを持っていました。
実際に富士フイルムのデジタルカメラを手にしたのは、2022年の秋頃。昨今、フィルム撮影にかかるコストは高騰しており、正直フィルム撮影だけでは難しい場面もあります。それで、憧れでもあった「GFX50R」を入手しました。余白や色の階調、立体感を感じる描写がとても美しいです。繊細さや色のトーンにおいてフィルム的な空気感を残してくれるので、朝や夕方の淡い光や、曖昧で静かな空気感を表現するのにぴったり。余韻を残した写真が撮れることは本当に魅力的で、中判フィルムの感覚と変わらない写真をデジタルで残せることに満足しています。
今回使ったGFX100RFは、中判カメラの趣や描写力を損なわず、GFXシリーズ最軽量かつ機動力が高いことが魅力でした。ピントもオートで合わせてくれてスナップ感覚で撮影できるのに、圧倒的な描写力。ふとした時にさっと取り出して、普段は撮り逃してしまう何気ない瞬間をしっかりと残すことができました。また、レンズ一体型カメラですが、「アスペクト比切換ダイヤル」で簡単に画角を切り替えられることもいいなと感じました。いざ撮りたい瞬間があっても、レンズ交換のタイミングを逃してしまい、写真に残せなかった経験が今まで何度もあります。GFX100RFのクロップ機能は、ひとつのレンズのままでも自然な感覚で画角を切り替えられるため、とくにロケや旅先で大変心強かったです。アスペクト比も1:1、3:4、7:6、3:2と自由に切り替えられるため、被写体や空間、光の印象に合わせて最も美しく感じられる比率を選ぶことができます。撮影の自由度が高まることで、表現の幅も広がりました。
さらにGFX100RFは、クラシカルな見た目とデザイン、操作性など、フィルムカメラを彷彿とさせる佇まいをしているのが嬉しいところです。ダイヤルやボタンの位置も直感的で、手にしっくりと馴染む感覚があります。写真を撮るという行為を、気軽にかつ丁寧にしてくれるような道具としての美しさを感じました。
フィルムシミュレーションは、撮影時の感情や空気感をより表現してくれるツールだと思っています。静けさや余韻を大切にしながら、日常のささやかな時間や人の佇まいを記録してくれます。フィルムシミュレーションを使うことで、その時の空気感や自分自身の伝えたいことをより繊細に残せる気がしています。残したい想いに寄り添ってくれるところがとても魅力です。
My favorite フィルムシミュレーション
今回の撮影でとくに活躍してくれたのは、「CLASSIC CHROME」と「ETERNA」です。
1:CLASSIC CHROME
CLASSIC CHROMEは、薄暗い時間帯の淡い光の描写をしたい時に使用しました。発色が抑えられ、細部のコントラストの絶妙なバランスが、よりその時の空気感を強調してくれたように思います。とくに今回は晩秋の北海道での撮影でしたので、少し彩度が低く落ち着いた色味の風景にもすごくマッチしました。
2:ETERNA
ETERNAは、日常の中で物語の気配を残したい時に使用しました。室内の柔らかな光やポートレートでも何気ない瞬間を、印象深くかつ落ち着いたトーンで残すことができます。愛おしい日々を残すようにシャッターを切っていました。
文月ふみさんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:CLASSIC CHROMEとは?
20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真のような色再現を目指したフィルムシミュレーション。彩度は低め、暗部の階調は硬めに設計されており、ドキュメンタリータッチでリアリズムを求める写真を撮る際などに最適です。
2:ETERNAとは?
映画用フィルム「ETERNA」がもととなるフィルムシミュレーション。ETERNAを写真に使うと、階調はフラットに彩度も抑えられる。動画に最適化されたルックであることを理解して演出したドラマティックなポートレートや建築写真で使うのに効果的。静観さと精緻な様子は、止まった時間の豊かさを伝えてくれる。
文月ふみさんが使用したカメラ
GFX100RF
2025年4月に発売した、1億2百万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II」と最新の高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載した、GFXシリーズ初となるレンズ一体型デジタルカメラ。富士フイルムが長年提供してきた写真フィルムやアナログカメラなどに由来する9種の多彩な撮影フォーマットを、シンプルな操作で切り替えられる「アスペクト比切換ダイヤル」を初搭載。被写体や撮影意図に応じて、アスペクト比をダイヤルで切り換えて選択するというアナログな操作感が、撮影体験をより楽しくさせてくれる。また、富士フイルムのデジタルカメラ初となる、精密なアルミの削り出し加工を施したカメラ軍艦部を採用。レンズリングやダイヤル類、底面プレートなど細部のパーツにも同様に削り出し加工を施すことで、カメラを手に持った時に感じる金属の質感とデザインの統一感が一層高まり、所有する悦びを感じられるデザインに仕上がっている。新開発の35mmF4レンズ(35mm判換算28mm相当)が生み出す汎用性の高い画角と、最新のAI技術による被写体検出AF、高速・高精度AF機能により、趣味のスナップ撮影からルポルタージュ撮影などのプロの撮影現場まで、さまざまなシーンで卓越したパフォーマンスを発揮する。