目次
プロフィール
甘夏蜜柑
被写体兼フォトグラファー 1997年生まれ、しし座。
主にポートレート・スナップ・旅行写真などを撮影し、撮る写真はあたたかく柔らかなトーンが特徴的。好きな色はオレンジ色。
愛用カメラ:Nikon Zfc / RICOH GR II / KODAK EKTAR H35 Half Frame Camera
身も心も癒される修善寺
修善寺は、まだ高校生だった頃に友達との旅行で訪れたことがあります。自然に恵まれた温泉街、というイメージでした。大人になった今、改めて修善寺へ。美しい自然とほかほかの温泉にじっくりと癒される旅になりました。都内から2時間で行ける修善寺のあたたかい包容力に、たっぷり甘やかされた1泊2日。また何度でも戻ってきたくなる街の魅力をお届けします。
東海バスに乗って迫力ある「浄蓮の滝」へ
修善寺駅を出てすぐにある東海バス営業所で、『東海バスフリーきっぷ 全線2日券』を購入したら、さっそく東海バスに乗って「浄蓮の滝」へ。今回は三脚も持っていて大きなリュックで移動するため、座って移動できるバスのありがたみを実感しました。車窓を流れる景色を見ながら、これからの旅にワクワク。初めに向かう浄蓮の滝は、日本百名瀑に数えられる、伊豆の観光名所です。
「浄蓮の滝」バス停に着いてすぐ、遠くから滝の音が。階段を降りて滝壺の付近に進んでいくと、「天城越え」の歌詞が彫られていてハッとします。確かに歌詞に「浄蓮の滝」が登場している!ここだったのか〜!実は高校生の時にお友達とカラオケでよく歌っていた曲なんです。懐かしい思い出が蘇りました。
3分ほど歩いて、浄蓮の滝に到着。滝の水飛沫がミストのようです。太陽の光を反射して、キラキラが本当に綺麗。渓流沿いにはわさび田の緑が一面に続いていて、売店には採れたてのわさびが!わさびのツーンとする刺激が、大人になってからたまらなく好きになりました。さて、行きはすいすい下った階段を、帰りはふうふう上っていきます。息が上がってしまいますね。いい運動です。頭の中でかかるBGMはもちろん「天城越え」。
エネルギーを消費したので、お昼ご飯に向かいます。
浄蓮の滝 基本データ
<住所>〒410-3206 静岡県伊豆市湯ヶ島892-14
<TEL>0558-85-1125
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より昭和の森・河津駅方面のバスにて約40分「浄蓮の滝」バス停下車すぐ
マイナスイオンを浴びた後は、カフェ「pikiniki」でピクニックランチ
浄蓮の滝から徒歩5分くらいの場所にある、伊豆ピクニックカフェ「pikiniki」さん。気持ちのいい秋晴れだったので、ランチは外でいただきました。敷地内の好きな場所を選んで、机や椅子はお好みでセットさせてもらえます。
オーダーした具沢山なB.L.Tサンドは食べ応え満点。美味しい!太陽の光でぽかぽかする温度と涼しい風を感じながら美味しいご飯、なんという満足感。ピクニックってどうしても荷物が増えてしまったり準備が大変だったりしますが、お店で楽しませてもらえるのはすごく素敵。今度は友達と訪れたいと思います。
pikiniki 基本データ
<住所>〒410-3206 静岡県伊豆市湯ヶ島2860-2
<TEL>0558-79-3532
<営業時間>11:00〜16:00
<休業日>水・木曜日
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より昭和の森・河津駅方面のバスにて約40分「岩尾」バス停下車すぐ
修善寺温泉街のお散歩へ。「茶房 吾輩」で小休憩
「浄蓮の滝」バス停から、またバスに乗って本日のお宿がある「修善寺温泉」バス停へ向かいます。お宿はバス停から歩いてすぐにある、「湯回廊 菊屋」さん。チェックインをして荷物を置いて、いざ修善寺温泉街のお散歩へ。
まず訪れたのは「茶房 吾輩」さん。
雰囲気のいい店構えに吸い寄せられて入店し、冷たい煎茶をいただきました。お店の名前は、猫好きの店主さんが夏目漱石ゆかりの地に因んで、『吾輩は猫である』から付けたそう。私も猫好きなのでつい話し込んでしまいました。修善寺の落ち着いた雰囲気に煎茶のほろ苦さがピッタリ。お散歩のお供に最適なドリンクでした。店頭で販売されていた猫ちゃんグッズも可愛くて、ついついお土産に靴下とメモ帳をお迎えしてしまいました。
茶房 吾輩 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺824-1
<営業時間>10:00〜17:00
<休業日>不定休
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より修善寺温泉方面のバスにて約10分「修善寺温泉」バス停から徒歩約2分
「修禅寺」と「河原湯」に寄って、本日のお宿へ
次に訪れたのは「修禅寺」。
境内に続く階段を上ると見事な本殿がお目見え。訪れた方がみなさん写真に収めていらっしゃいました。撮りたくなる気持ち、わかります。豊かな自然に囲まれて、手入れの行き届いた気持ちのいい空間でした。心まで浄化される感覚があります。
弘法大師が開祖とされる修善寺温泉は、伊豆半島で最古の温泉地ともいわれています。遡ること1200年も前に開創されたとのこと。途方もない長い年月を感じます。今から1200年後の未来には何が残っているのでしょう。
修禅寺の向かいにある「河原湯」は、なんと無料の足湯。温泉街を見渡しながらゆっくり温まることができます。ズボンの裾を濡らさないようにと気をつけていたつもりが、景色に気を取られてすっかり濡らしてしまいました(笑)。
夕方の光に照らされて山肌が眩い黄色に輝くさまと、あたたかい光に包まれていく街並みのどちらを眺めるか迷ってしまいます。
修禅寺 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺964
<TEL>0558-72-0053
<営業時間>4〜9月 8:30~16:30
10~3月 8:30~16:00
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より修善寺温泉方面のバスにて約10分「修善寺温泉」バス停から徒歩約2分
夏目漱石ゆかりの宿「湯回廊 菊屋」で贅沢なご飯と温泉を満喫
私が宿泊した「湯回廊 菊屋」さんは、古き良き日本家屋の特徴とモダンさが見事に融合したお宿でした。なんと400年も前からあるらしい…!おもてなしが行き届いた心地よい空間で、身も心もリフレッシュされます。修善寺温泉街は文豪に愛された土地。菊屋さんには夏目漱石が宿泊していたという客室があり、見学させていただきました。彼が見たかもしれない景色に触れて、訪れる前よりも少し身近に感じられるようになりました。
帰ったら本を読みたいな。
お宿の名前の通り、中庭をぐるりと囲う回廊からは美しい緑と木漏れ日が楽しめます。ふかふかの椅子に座ってゆったり流れる時間に身を任せていると、すっかり日常を忘れられました。
お部屋は、2023年に新設された「新館 風の語り部」にあるお部屋。雰囲気たっぷりな和のお部屋でテンションが上がります。畳を歩く感覚、久しぶりだ。テラスからの景色が綺麗。
夜ご飯のコース料理は、前菜からデザートまで、季節を感じられる食材がふんだんに使われていました。見て美味しく、食べてもっと美味しい。ステキ。特に八寸は一口大の色とりどりの品が綺麗に飾られていて、一皿でいろんな味を堪能できるのが嬉しい!(八寸の中では、いが栗甘露煮と秋刀魚小袖寿司が特に好きでした)。最初に出てくるお料理って印象を大きく左右する気がして、前菜が美味しいとこの後の料理への期待値がぐっと上がるんですよね。
もちろん、季節の御造り、お肉料理、お魚料理、どれも美味しく、お腹も心もどんどん満たされていきます。最後の方は眠気まで訪れてきて…生き物のわがままが全面に出ている〜!という感じに。ご馳走様でした。大変美味しゅうございました。
お部屋に戻ってぐっすり眠ります。
※コース料理は撮影時の内容です。
朝は障子に透ける太陽の光のおかげか、スッキリ目覚められました。テラスに入る光が綺麗。秋の朝は爽やかで好き。そういえば、このお宿は作務衣がオレンジ色だったのです。好きな色で嬉しかったな。
朝ご飯は洋食を選んでいたのですが、こちらもたっぷりのご馳走でした!
普段お家では、朝から手の込んだ料理は難しいから、旅行ならではの贅沢体験だなと思います。お腹を満たして、ホテル内を散策。
中庭の木漏れ日が綺麗すぎてしばらく立ち尽くしていたら、鯉が集まってきました。餌は持ってないのよ、ごめんなさいね。
カフェコーナーには、なんとフリーの牛乳とコーヒー牛乳が。懐かしい瓶入り!ついお部屋に持って帰ります。コーヒー牛乳は、小学生の時に父にねだって作ってもらっていました。ほろ苦くて甘い味が好きだったな。コーヒーは大人の飲み物という印象で、まだその頃の私には苦すぎたので、甘いコーヒー牛乳を飲むことで背伸びしていたんだと思います(笑)。お腹が痛くなるから飲みすぎちゃだめだよってたしなめられていたなぁ、と思い出しました。今やすっかりコーヒー党なので、毎朝欠かさず飲んでいます。懐かしい記憶に包まれながら、出発の準備をします。お世話になったお宿にもお別れです。
※共立メンテナンスの許可を得て撮影しております。
湯回廊 菊屋 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺874-1
<TEL>0558-72-2000
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<車>「沼津IC」から、国道135号経由で約40分
<バス>JR修善寺駅より修善寺温泉方面のバスにて約10分「修善寺温泉」バス停から徒歩約2分
「竹林の小径」でリフレッシュ
チェックアウトから次のバスの時間まで少しあったので、修善寺温泉街の中にある「竹林の小径」へ向かいました。細長い通路の左右に竹林が続いていて、お散歩を楽しむことができます。
秋晴れの光に包まれて、青々とした竹が高ーく伸びています。首が痛くなるくらい見上げていましたが、周りの人も同じように上を見上げていて心が和みました。画面ばかり見る時間が長くなってしまう日々だけれど、こうして空を仰ぐ時間をたまには持ちたいな。
竹林の小径 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺1031-1
<TEL>0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より修善寺温泉方面のバスにて約10分「修善寺温泉」バス停から徒歩約5分
東海バスに乗って広大な「修善寺 虹の郷」へ
「修善寺温泉」バス停からバスで10分ほど、「修善寺 虹の郷」へ向かいます。なんと東京ドーム10個分の敷地面積だそうです。大きい!入ってすぐに異国情緒漂うイギリス村があり、ハロウィンのパンプキンがお出迎えしてくれました。(カボチャは全部で1000個もあるらしい)
園内はワンちゃんとお散歩を楽しむ方が多く、小型犬から大型犬までたくさんの可愛いワンちゃんを見かけました。空気も美味しくて広い敷地でのお散歩、開放感たっぷりです。パピヨンの可愛い耳を眺めながら、後ろについてお散歩へ。
※2024年の「虹の郷 ハッピーハロウィン」は9月18日〜11月4日に開催
バスで少し行ったところにあるカナダ村に着くと、また雰囲気がガラリと変わりました。たっぷりの自然の中にカラフルな建物があり、チラッと覗いたお店の中にはメープルシロップがずらりと並んでいます。小腹が減ったので、軽食屋さんでホットドックとアイスティーを注文しました。
イギリス村とカナダ村の2つのエリアを結ぶ区間には、バスだけでなく機関車も通っていて、汽笛の音と踏切の音が響いていました。なんだか海外旅行に来たような錯覚に軽く陥りつつ、美味しいホットドックをむしゃり。カナダもイギリスもまだ訪れたことがない国たち。いつか行ってみたいな。
虹の郷には他にも日本庭園やローズガーデン、匠の村など複数エリアがあり、紅葉の頃にはまたガラリと装いが変わるそう。日本庭園の紅葉は特に綺麗だろうなぁ。10月18日からはイルミネーションもスタートしています。
園内のスタッフさんたちは気さくで温かい方ばかりで、1人でお散歩していた私にも話しかけてくださいました。歩き回って戻ってきたイギリス村で、デザートにバニラのソフトクリームをいただきます。
甘くて美味しい!
虹の郷 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺4279-3
<TEL>0558-72-7111
<営業時間>3〜9月 10:00〜17:00
10〜2月 10:00〜16:00
※最終入園受付時間:閉園時間の1時間前
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より虹の郷方面のバスにて約20分「虹の郷」バス停下車すぐ
※虹の郷休園日は運休
修善寺駅近くの「遠藤橋・修善寺橋」近辺で街撮りスナップ
陽が傾いてきて街がオレンジ色に染まっていくゴールデンアワー。1日の中で一番好きな夕暮れの時間帯です。
バスで修善寺駅まで戻りつつ、車窓からの景色を見て気になった場所で降りて散歩することにしました。まずは、光に照らされた水面のキラキラに惹かれて「遠藤橋」バス停で下車。川を見下ろすと、釣りをしているおじちゃんたちが等間隔に並んでいます。偶然なのか、川の流れがそうさせるのか、みんな同じ方向を向いている姿になんだかほっこり。その横を2台のバイクが走り去る後ろ姿に、日常の風景を垣間見た感じがして撮ってみました。初めて見た景色でもなぜか懐かしく感じること、たまにありますよね。そんな気持ちでした。
次に降りたのは、「湯川橋」バス停。近くにある大きな橋を近くで見たくて。気になったら降りる、これができるのもフリーきっぷのおかげです。バスもバス停も、私の好きなオレンジ色。昼間は目立って見えるオレンジ色も、夕方になるとすっかり景色に馴染んで見えてきます。
気になっていた橋の名前は「修善寺橋」でした。朱色の大きな橋を行き交うオレンジ色の東海バスを見て、この旅で訪れた場所が思い出されます。秋晴れに恵まれたいい旅になりました。2日間楽しく過ごした場所を後にすることにちょっぴり寂しくなりながら、駅に向かいました。
遠藤橋 基本データ
<住所>〒410-2414 静岡県伊豆市本立野
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より西伊豆・河津方面のバスにて約5分「遠藤橋」バス停下車すぐ
<徒歩>JR修善寺駅から徒歩約15分
修善寺橋 基本データ
<住所>〒410-2416 静岡県伊豆市
行き方・アクセス
<バス>JR修善寺駅より西伊豆・河津方面のバスにて約5分「湯川橋」バス停から徒歩約3分
<徒歩>JR修善寺駅から徒歩約7分
一人でも楽しめる街、修善寺
今回の旅は一人旅。気ままに過ごす中で、街の人々の優しさにも触れることができました。
バス停の場所を聞いたら丁寧に教えてくれた運転手さんや、カメラを見かけて話しかけてくれた街の人、居心地よく過ごせるよう気にかけてくださったお宿やお店の人…。一人旅だからこそ、その土地で出会った人々とのコミュニケーションが生まれやすいのかなと気付かされました。都内から約2時間でこんなにも自然豊かでリラックスできる修善寺。皆さんも癒されに行ってみていただきたいなと思います。
四季折々の変化を体感できる場所でもあると思うので、私もまた、何度でも訪れたいです。
バスのりば「修善寺温泉」に、バウムクーヘン工房併設カフェ「MatoKa(マトカ)」がオープン(12月予定)
東海バスを運営する東海自動車株式会社が、築43年のバスのりば「修善寺温泉」をリニューアルして、バウムクーヘン工房併設カフェ「MatoKa(マトカ)」を12月にオープン予定。鳥が一時的に羽を休めてまた羽ばたいていくように、ほっと一息ついて次の目的地へとお出かけいただける「止まり木」のようなスポットにしたいという思いが込められた施設です。
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