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プロフィール
若林 満
写真家 1986年生まれ、京都府出身。31歳までDENHAM JapanにてショップマネージャーおよびVMDを担当。その後、PRADA JAPANにてMiu Miuのセールスに従事する。退職後はワーキングホリデーでカナダ・トロントに渡航。帰国後より写真家として本格的に活動を開始。現在は京都の貴船神社をはじめとする国内外のクライアントワークを手がけるほか、写真展での作品発表も精力的に行っている。2025年11月28日から10日間、SO1(東京 渋谷)にて写真展を開催予定。
写真は生活の一部。さまざまな場所に繰り出して
私にとって、写真は食事をするのと変わらない、まさに「生活の一部」。いつもカメラと共に行動していて、仕事以外は主にスナップ撮影をしています。日本の街から海外まで、さまざまな場所に繰り出しては、カメラ片手に撮影を楽しんでいます。
富士フイルムのカメラは、とにかく撮って出しの色がきれいだと感じます。シーンによって多彩な色味を出せることもまた、魅力だと思います。実際、普段からGFX100S IIを使っていて、圧倒的な立体感のある写真が撮れること、そして他のメーカーにはない多彩な色味に感動しています。
今回は、富士フイルムのX-E5を使って撮影しました。X-E5は、とにかく軽い。これまで使ってきたデジタルカメラの中で一番軽いです。気軽に持ち運ぶことができ、ストレスがまったくありません。また、小さいので手にフィットしやすく、クラシカルなデザインでファッションに溶け込みやすいというのも魅力です。そして、すごく軽いのに、まったく手ブレしないことにも驚かされました。スナップ撮影は片手でカメラを持って撮影することが多いのですが、撮影後、さすがにブレているかな…と思いながら確認すると、ブレている写真はほとんどありませんでした。
X-E5には、自分だけの画づくりがしやすいよう、フィルムシミュレーションと画質設定の項目を個別に登録して保存できる「FSレシピ」機能が搭載されています。いろいろ調整をしてみたところ、最終的な私のお気に入りは、フィルムシミュレーションを「PRO Neg. Hi」に設定し、グレイン・エフェクト「WEAK/SMALL」、カラークローム・エフェクト「強」、カラークロームブルー「弱」、ダイナミックレンジ「DR200%」、トーンカーブ「H+0.5 S-1.5」、カラー「+4」、シャープネス「-1」、高感度ノイズ低減「-4」に落着。フィルム写真感もありながら色鮮やかな仕上がりで、高級感のある感じになります。
シーンによって咄嗟に色味を変えたいようなときにフィルムシミュレーションダイヤルがとても重宝したのですが、それと並んで、私好みの表現を追求でき、その設定を保存できるFSレシピもとても魅力的な機能だと感じました。
My favorite フィルムシミュレーション
フィルムシミュレーションの魅力は、シーンによって表現したい雰囲気を的確に表現してくれるところです。例えば神社での撮影ではクラシッククロームでクラシカルさを表現したり、ホテルなどでの撮影では、PRO Neg. Hiを使って高級感を出したりすることができます。
今回の撮影でとくに活躍したフィルムシミュレーションは、「ACROS」と「PRO Neg. Hi」でした。
1:ACROS
ACROSの質感には本当に感動しました。階調に深みがあり、シャドウ部分の質感再現がよく、黒から白までのグラデーションが滑らかで立体的で、まさにフィルムのような写真が撮れます。デジタル特有のコントラストの高いモノクロではなく、程よく柔らかい質感で、これにグレイン・エフェクトを入れると、よりフィルム写真のような仕上がりになると思いました。
2:PRO Neg. Hi
PRO Neg. Hiは高級感のある色味をしています。コントラストが高めで、シャドウとハイライトにメリハリが出て、スナップに最適だと感じました。
若林 満さんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:ACROSとは?
“世界最高の粒状性”と称賛されたモノクロフィルム「ACROS」がベース。豊かなシャドウディテール、高精細なシャープネスに加え、高感度では粒状性が増し、モノクロフィルムのような質感が得られます。
2:PRO Neg. Hiとは?
プロ用ネガフィルム「PRO160NH」がベース。「PRO Neg.Std」よりも階調がやや硬く、屋外など凝ったライティングができないシチュエーションでのポートレート撮影に適しているフィルムシミュレーションです。フラットなライティング下でも適度な陰影が得られます。
若林 満さんが使用したカメラ
X-E5
Xシリーズとして初めて、トッププレートを金属の塊から削り出しのみで成形。金属の持つ質感を最大限引き出すだけでなく、ダイヤル類の操作性を向上させている。新たにデザインされた窓付きのフィルムシミュレーションダイヤルは、指標プレートに至るまで金属切削加工で製造し、ダイヤル周辺部と本体間の隙間を極限まで狭め、精緻な仕上がりを表現。ファインダー部においては、視度調整ダイヤルの凹凸を極限まで抑え、無駄を削ぎ落とした垂直‧水平基調のフォルムを実現。底面には、往年のフィルムカメラの巻き上げボタンを想起させるBluetoothボタンを採用するなど、細部に至るまで洗練された造形が追求されている。サイズもコンパクトながら、Eシリーズとして初めて5軸‧最大中央7.0段/周辺6.0段*の強力なボディ内手ブレ補正機能を搭載。フィルムシミュレーションは、最新のREALA ACEを含む全20種類が使用できる。フィルムシミュレーションと画質設定の項目を個別に登録することができ、自分だけの設定として保存できる「FSレシピ」機能も大きな魅力。
*CIPA2024規格準拠。Yaw/Pitch/Roll 補正性能、「フジノンレンズ XF35mmF1.4 R」装着時。