「私の家を遺贈します。ラ・ロシュフコート通り14番地にある私の家と、段ボールに入った絵画、デッサン、50年分の作品、この家の中にある全てのものを国に遺贈します」
そんな遺書を書いたのは、19世紀のフランスの象徴主義を代表する画家、ギュスターヴ・モロー。
巨匠が終生過ごした邸宅は、この遺言により「ギュスターヴ・モロー美術館」として1903年に国立美術館として公開されました。
ギュスターヴ・モローの自宅兼アトリエだった邸宅は、美術館としては決して広くはありませんが、14000点以上という膨大なコレクションを所蔵しています。
館内の展示室には、オレンジ色の壁を埋め尽くすほどの絵画が飾られていて圧巻。
また、何千点ものドローイングを本のように見開きで展示するといった場所を取らない工夫がしてあり、かなり濃密な美術鑑賞を楽しむことができます。
絵画はもちろんですが、ギュスターヴ・モローがアトリエとして使用していた3~4階にある螺旋階段も必見です。
モロー自ら増設したと伝えられている階段は、あまりにも美しく、これ目的で訪れる人がいるほど。
フラッシュや三脚はNGですが、撮影はOKです。
パリには、ピカソ美術館やロダン美術館など他にも芸術家の邸宅を改築した美術館が数多くあります。
邸宅美術館の良さは、アートに詳しくなくても、お宅訪問している感覚で芸術を楽しめること。かつて、名作が誕生した空間を訪れれば、素敵なインスピレーションを得ることができるかも。
そんな邸宅美術館の中で、最も神秘的な世界に浸れるのが、ギュスターブ・モロー美術館なのです。
ギュスターブ・モロー美術館(Musée national Gustave-Moreau)/パリ<フランス>
14 Rue de la Rochefoucauld, 75009 Paris, フランス
月、水~日 10:00~18:00
定休日:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
入場料:€7
※毎月第1日曜日は無料
※ParisMuseumPassを持っている場合は無料
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