旅先での、大事な写真データを守るために/ひとりで世界を歩いたら Vol.8
旅先には、基本的に「なくしても大丈夫なもの」しか持っていかないようにしています。盗難や事故で、いつ紛失してもおかしくないためです。
それでも、「なくしたら絶対に困るもの」もあります。それは写真データ。
旅をしていると、「SDカードのデータが消えた」「PCが突然壊れた」そんな話を聞くことも珍しくありません。
撮り直しのきかない大切なデータを守るため、私が実践している旅のあいだの写真データ管理方法をご紹介します。
機材
私が写真管理のためにPCと共に旅に持っていってる機材&使用ソフトは、下記のとおりです。
・SDカード 64GB × 4枚
・HDD 4TB × 2台
・SSD 500GB × 1台
・使用ソフト Lightroom Classic(PC用)、Lightroom CC(スマホ、タブレット用)
その1.撮影時は、「同時記録」の設定にする
まずは、撮る際の設定から。私は「同時記録」という設定にしています。2枚のSDカードに、同時に同じデータを書き込む方法です。カメラによってできる機種とそうでないものがあるので、お手持ちのカメラを確認してみてください。
その2.PCに読み込む
一日の終わりに、その日の写真をPCに読み込みます。読み込みの際には、Lightroom Classicという、PC用の写真ソフトを使っています。Lightroomというとレタッチ用ソフトのイメージが強いですが、じつは写真管理をめちゃくちゃ楽にしてくれるツールでもあるんです。
一度設定すれば、ボタンひとつで下記のことを自動でやってくれます。
・読み込んだデータをSDカードからHDDにコピー
・ファイル名を、「西暦-月-日-撮影時間」に変換(例:2020-01-01-120000)
・撮影日ごとにフォルダを作って保存
長旅だとどうしても容量が大きくなるので、PC本体ではなくポータブルタイプのHDDにコピーしています。
ファイル名は、ほっておくと同じ名前のファイルが生成されて上書きされてしまう危険性があるので、読み込み時に自動で変換するようにしておくことを強くおすすめします!
ちなみに、カメラの時刻を設定しなおすのを忘れていて「日本時間のままで撮影しちゃってた!」というときも、Lightroomを使えばあっという間にすべての写真の時差を調整できます。
その3.その日のセレクト、その日のうちに
疲れ切っていてレタッチする元気がなくても、セレクトまではなるべく終わらせます。のりのりで写真を撮ったはいいけれど、数日分溜まってしまってレタッチが追いつかない…!そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
とりあえず「お気に入り」に印をつけておくだけでも、その後レタッチをする際の手間がぐっと省けます。私の場合は、レーティング機能を使って星をつけるようにしています。
その4.クラウドに同期
お気に入りの写真は、「コレクション」という機能を使ってまとめています。コレクションとは、アルバム機能のようなもの。「Lightroomと同期」という項目にチェックを入れれば、Lightroom CCのアプリからも閲覧・編集ができるようになるのでとても便利!ざっくりした編集をPCでやっておいて、細かい修正は移動時間にスマホでやることも多いです。
コレクションのURLを生成して公開することもできるので、日本で待つ家族や友人に写真を見せることもできます。
その5.さらにバックアップ
時間と気力に余裕があるときに、予備のHDDにバックアップします。お気に入りの写真データは、SSDにもバックアップしておきます。バッグやポーチが盗難に遭ったときに備えて、HDD2台とSSD1台は、それぞれ別のところに入れるようにしています。
・・・
私が旅の中でやっている写真管理は、こんな感じです。いっぱい書きましたが、結局は「一日の終わりに必ずバックアップをとる!」ということが一番大事なのでは、と思っている次第。役に立ちそうな部分だけでも、取り入れていただければうれしいです。
旅するすべての写真データが、無事に帰国できますように!
ぽんず(片渕ゆり)
1991年生まれ。大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している。