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【写真家が写し出す印象的な「肌」の世界:5】永田拓也

人の素肌を美しく、印象的に切り取る写真家5名の作品をご紹介。
ヌードからパーツまで、それぞれの表現方法、さまざまな解釈、被写体との多様な向き合い方の中で写し出された、個性溢れる「肌」の世界へようこそ。
5人目は、被写体のあるがままを静かに切り取るPhotographer、永田拓也さんです。

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永田拓也

Photographer 1988年生まれ、大阪府出身。カメラ歴9年。2014年より蓮井元彦氏に師事し、2017年独立。2019年よりW所属。ポートレートを中心に、ファッション、エディトリアル、アーティスト撮影など幅広く活動している。ZINE『MOE&BUNTA 2021. 8. 9-9. 8』発売中。被写体募集中
愛用カメラ:Mamiya RB67
愛用レンズ:Mamiya K/L 75mm f/3.5L

ありのままを

衣服という情報を排除して、その人の本質が写し出された写真には時代を超えていく可能性がある

「突飛な場所や非日常な空間ではなく、いつも通りの、飾り気のない、等身大の場所で撮影しています」。

素肌はその人らしさを表す大きな要素の一つ

「女性に限らず、被写体を魅力的に写すために、その人の日常や生活が感じとれるような、等身大の写真を意識している」という永田さん。

「飾り気のない、できるだけありのままの状態を切り取りたいと思っています。僕の中でのヌード写真は、あくまでも“ポートレート”と同等のものという感覚。鑑賞者が理想とする身体を投影し表現することや、セクシャルな目線で捉えたヌード写真と、僕がヌードを撮る目的は大きく違うような気がします。その人の気分や性質、考え方、職業など沢山の情報を教えてくれるのが衣服。それらを取り払い、削ぎ落とした状態で被写体の持つ本質と向き合って、その人が持つ身体的な特徴も含めた“らしさ”を写し出し、ありのままを認めてあげる行為がヌード写真。“その人らしさ”を感じる写真こそ、魅力的なのではないかと考えています」。

飾り気のない被写体そのものと向き合うヌード写真に、普遍的な魅力も感じているそう。
「衣服という情報を排除し、被写体のありのままの姿を写し出したヌード写真は、性別に関係なく、より時代を越えていく可能性を秘めていると思います。今はもちろん、何十年後かに作品を見てくれた誰かが、何かを感じてくれたらすごく幸せですし、そういった作品を残せるように努めていきたいです」。

その人が持つ身体的特徴も含めたありのままの”らしさ“を切り取りたい

「暗室での紙焼きの段階で、ソフトめにプリントするようにしています。パーソナルな作品では、肌にあるシミやシワもその人の持つ個性として捉え、ほぼレタッチはしません」。

Model:sarasa

「tattooが魅力的だと思いました。顔は写っていないけど、tattooにフォーカスすることでポートレートとして一枚で成立している点がお気に入りです」。

Model:芽唯(BELLONA)

窓から外を眺めているシーン。
「光に照らされた横顔のシルエットが綺麗でした」。

Model:中澤 梓佐

「影が面白かった1枚。表情も素敵だと思いました」。

Model:sarasa

「水面に映る反射が気に入っています」。

目で見た光、空気感をそのまま写し出す

「被写体に対して先入観を持たないよう、事前に必要以上のインプットはせず、実際お会いした時に感じたその人らしさ、空気感を写真に写したいなと考えています」という永田さん。

「撮影時はポージング、表情などを指示することはあまりせず、被写体が自発的に行う仕草や表情を切り取るようにしています。説明的でなく、自然に被写体に目が向くようなシンプルな写真が好きなので、必要最低限の要素以外は写し込まないようにしているかもしれません」。

そんな永田さんが、素肌を魅力的に切り取るためにこだわっているのは、光の当たり方。
「自然光や室内灯など、その場の光をどこまで生かせるか、自分の目にどう見えるかという点を意識。素肌も含め、その人の存在感が一番大切だと思うので、作為的にライティングで目立たせたりすることはせず、自分の目で見ている光、空気感をそのまま写すことを心がけています」。

永田拓也 Instagram

GENIC vol.62 【印象的な「肌」の世界】
Edit:Yuka Higuchi

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

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