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2024年の美しさの定義/夏南の法則Vol.137

大屋夏南<連載コラム>第2月曜日更新
モデルの大屋夏南が
ありのままに自由でいるための
カナ的イズムを書き綴る♡

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2024年の美しさの定義/夏南の法則Vol.137

先日、最近メディアやキャンペーンなどいろいろなところで顔を見かけるようになって、可愛いなーと思っていたモデルちゃんに初めてお会いしました。

その日は私の同年代の友達のブランドの展示会で、そのシーズンのイメージモデルも務めていた彼女。クールな見た目とは裏腹にサバッとして話しやすく、外見だけじゃなくて人柄もタイプ♡となりました。

その子はどうやら私のSNSの投稿を見たらしく、「私、小顔矯正に行きたいんです。いいとこありますか?」と聞いてきました。

自分の顔が左右対称じゃないからそれを直して、顔を小さくしたいとのこと。それを聞いた私と友達は彼女の顔をジッと見て、ほぼ2人同時に「行かなくていいと思う」と言いました。

それはすでに彼女の顔が十分小さいからだけじゃなくて、その顔が持っている個性が修正されて消されてしまったら、ただの“キレイな人”になっちゃって、もったいないよという話でした。

可愛いだけでなく、どこかみんなと違う、その個性があなたをとっても魅力的にしているから、それは大事にするのがいい。という私たちの話を聞いて、「はい!じゃあ、やめます!」ってめちゃくちゃ体育会系な返答で私たちを笑わせてくれたあの子には、ずっとありのまま、のびのびやってほしいなと思いました。

美しさの定義というものは、ここ10~15年でグッと変わったように感じます。私がモデルを始めた頃は体の線が細くてロングヘアの、綺麗なお姉さん系、可愛い系のモデルちゃんが良いとされていて主流でした。

まだ女性に対してあんまり格好いいって言ったりしないし、セクシーという表現がまっすぐな褒め言葉ではなく、少しのいやらしさを含んだりしているような時代。どちらかというと見た目がクール系の私は、どうにかしてああいう風にならなきゃと当時とても焦っていたのを覚えています。

でも今は個の時代、髪型もファッションもメイクも自分が好きなようにして輝くのは良いことだという風潮になってきました。ボディポジティブやジェンダーレスなどのインクルーシブな考え方もつい最近のことです。

もちろんいろいろな文化があり人種のいる欧米諸国に比べてしまうと日本はまだまだ伸びしろがあるようには感じますが、それでも私が20代だった頃とは大違い。SNSで自分と似たようなものが好きな人たちをすぐに見つけられるのもいいし、誰かが発信することで仲間ができてコミュニティが生まれるのもいい。

これからもっともっと自分の選択に心地よさを持てる時代になっていくと良いなと思う。それには私たちがもっともっと自分とは違う物事に触れて“それもいいね”だったり“そういうのもあるね”っていう風に受け入れていくことがその流れを加速させていくはずです。

「みんなと違う=間違っている」でも「私と違う=敵」でもない。人との“違い”は学びであり、選択肢であり、広い世界への鍵でもある。そして人を受け入れるということは、自分を受け入れることにもつながっている。

素敵な1ヶ月でありますように♡

プロフィール

大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。

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