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【独自の作風で素肌を表現 This is My World:6】micalie

自分なりのテーマを持って「素肌」を撮影するフォトグラファーたち。どんな経緯で、どんなものに惹かれ、自らの表現に辿り着いたのか?たくさんの想いをのせて作品を創り上げる、彼らの「マイワールド」へ足を踏み入れてみて。
6人目は、非日常的なセルフポートレートで魅了する、micalieさんです。

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micalie

神奈川県出身。趣味としてInstagramをスタートし、iPhoneやデジタルカメラで撮った作品を発信。小物や自然物を使い、思わず二度見してしまうような作品を目指して日々楽しく撮影を行う。
愛用カメラ:iPhone 7、Sony α7 II
愛用レンズ:Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4

身体と違和感の掛け合わせ

擬態する身体、擬態する肌

「ビニール越しに透ける肌の表現方法が好きで。夏の身体をビニールで覆って片づけて、秋冬の身体を用意しよう、という“肉体の衣替え”のイメージ」。

「昔の海外のアニメーションのようなデフォルメされた身体を再現してみたくて、テグスを足に巻き付けてねじれた足を表現。痛々しく見えないように、できるだけシンプルな構図で全体を明るくし、どことなくシュールな印象を与えるようにしました。スマホのセルフタイマーで撮影」。

自分の好きなことをしてそこから湧き出るアイデアを活用

「写真を撮り始めた頃は花や風景を好んで撮っていましたが、自分を被写体として登場させるようになってからだんだんと撮る世界が変わっていきました。手足を植物で飾り立ててみたり、無機物と合わせてみたり。やってみると楽しいうえに自分らしい表現方法に近づいた気がしたので、今も続けています」。

「肌に縫い付けられたファスナーを開けると電子回路がのぞいている、という機械人形を一度やってみたくて。基板とファスナーが強めのアイテムなので、肌はあまり主張しないように、そして機械人形を想像してもらいたかったので、体温を感じづらい、でもどこか脈打つような、そんな雰囲気を目指しました」。

「静物画の一部になりたくて撮影。テーブルに置かれた腕は調度品と人間の間くらいの位置付けなのですが、不気味になり過ぎないように彩度や指の位置なども気を付けたり、写実的な絵画の雰囲気になるように色合いと明るさを整えたりしました」。

撮り手としても写り手としても写真の世界に入り込むこと

今回の写真のテーマを聞くと、【身体と違和感の掛け合わせ】【擬態する身体】【擬態する肌】という3つのキーワードが。
「写真のイメージごとに、“肌”の印象を変えるようにしています。生き生きとした健康的な肌に見えるようにだとか、透明感のある繊細な肌に見えるようにだとか、近寄り難い雰囲気に見せるだとか。その写真の物語に合うように意識しています」。

では、人物を撮るうえで大切にしていることは?
「セルフで写る側としては、写真の世界に入り込むこと。写真の主人公や脇役になって形にしていきます。撮る側としても、どの立場や視点で撮っているのかをイメージするようにしています。あとは、普段から目についた品物で何が撮れるか考えたり、映画やMVなどで得た刺激を大切にしたりしています。本屋や図書館で本の装丁やデザインを眺めたり、美術館や植物園、水族館などで、アートそのものや展示方法、その場所の空間を眺めたりするのも好きです。こうして挙げてみたら、私は自分の好きなことをして、そこから湧き出るアイデアを活用しているんだなと気付きました」。

「大きな穴に吸い込まれるように落ちていくイメージ。赤いチュチュのせいか構図のせいなのか強めの印象になったので、その流れで肌の色合いや質感も健康的にして“楽しく落ちていく”というテーマで進めました」。

「人魚姫は人魚が人間になる物語でしたが、人間が人魚になるとしたらどういう流れになるかなと模索中に撮った写真です。魚の下半身になるべく、まずは両足をくっつけてみようということで、サージカルテープで仮留めしてみたところ、好みの雰囲気になりました」。

micalie Instagram

GENIC vol.62【独自の作風で素肌を表現 This is My World】
Edit:Yoko Tadano

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

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