プロフィール
Robert Doisneau(ロベール・ドアノー)
1912年、パリ郊外ヴァル・ド・マルヌ県ジャンティイ生まれ。石版工の技術取得のためパリのエコール・エスティエンヌで学んだ後、写真家アンドレ・ヴィニョーの助手となる。1934年、ルノー社に産業カメラマンとして入社。1939年、フリーとして活動を開始。パリを中心に庶民の日常をとらえた写真で高い評価を得、現在でも世界中で愛され続けている。1951年には、ニューヨーク近代美術館で開催された“5人のフランス人写真家”展の出品作家に選ばれる。1992年、オックスフォード近代美術館で大回顧展を開催。1994年没(享年82)。ニエプス賞(1956年)、フランス写真大賞(1983年)など受賞多数。
展示作品のご紹介
パリ郊外の労働者階級の家に生まれた子どもたちの例にもれず、十代から働いていたロベール・ドアノーにとって“写真を撮ること”=“生活の糧を得ること”でした。その作品が評価され名前が知られるようになっても、一貫して「職人」という立ち位置を崩すことなく、粛々と写真を撮り続けました。その生涯を通じて撮影された約45万点の写真の大半は依頼された仕事のために撮影されたものと言われており、現在ドアノーの代表作として知られる多くの作品も例外ではありません。
本展は、“職業写真家としてのロベール・ドアノー”に焦点を当て、当時の雑誌や広告の仕事から精選した38点を展示。時代や国境を越えて愛され続ける「パリ市庁舎前のキス」は、1950年米国のグラフ雑誌『LIFE』から「パリの恋人たち」というテーマで依頼を受け撮影され、同誌に7点の組写真として掲載された1点でした。この作品が一気に注目を浴びるようになったのは、それから約30年後のこと。1979年に刊行された写真集『永遠の3秒(trois seconds d'éternité)』に掲載されたことが契機となり、この写真のポスター、ポストカードが販売され世界中に知れわたることとなりました。
ロベール・ドアノーが写真家を志した1930年代、写真の仕事には多くの技術が求められる時代でした。多くの可能性を持つ“新しいメディア”でもあった写真に魅入られたドアノーは、仕事という枠組みの中で“不服従と好奇心は写真家の原動力”という自らの哲学を実践し、独自の視点による写真を撮り続けました。本展では、産業カメラマンとして働いていたルノー社での仕事、『LIFE』、『ポワン・ド・ヴュ(Point de Vue)』、『ル・ポワン(Le Point)』といった雑誌に掲載された作品、さらに広告のために撮影された作品が一堂に展示されます。
ロベール・ドアノー写真展 第二部「“永遠の3秒”の原点」 情報
開催日時
2024年10月31日(木)〜12月26日(木)10:00〜19:00
会期中無休
※入館は終了10分前まで
※最終日12月26日(木)は14:00まで
入場料
無料
会場
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内 写真歴史博物館
- 〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7番地3号 東京ミッドタウン・ウェスト1F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ日比谷線「六本木駅」地下通路から徒歩で4分
都営大江戸線「六本木駅」8番出口と直結
東京メトロ千代田線「乃木坂駅」3番出口から徒歩で5分(※入口は1F)