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プロフィール

大石結花
NY在住。東京とシリコンバレーでテック企業に勤務した後、独立。ソフトウェアとハードウェア両方に深い関心を持ち、AIやVRなど新しい技術にも積極的に挑戦するデジタルクリエイター。
YouTubeでは、ガジェットレビューやチュートリアル、Vlogを通じて、テクノロジーを活用したクリエイティブで充実したライフスタイルを提案する。
「動画、ちょっと気になるけど難しそう」って思ってるあなたへ
スマホで動画は撮れるけど、なんだか物足りない。
もっと雰囲気のある映像が手軽に撮れたらいいのに…そう思ったことありませんか?
でも、いざ「カメラで動画を撮ろう!」と思っても、どんなふうに撮ればいいのか、どこから手をつけていいのかわからない。
料理だって、完成形が見えないと材料も道具も迷いますよね。
この連載では、動画を「レシピ」に見立てて、完成形(=動画の仕上がり)をイメージしながら、どんな素材(場所・被写体)を使って、どんな調理法(撮影テクニック)で仕上げればよいかを、わかりやすくご紹介していきます!
使用するのは、Canonの新しいミラーレスカメラ「EOS R50 V」とキットレンズ「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」。
軽くてコンパクトなボディーに、本格的な映像表現を叶える機能をぎゅっと詰め込んだ一台です。
あなたの毎日を、動画でちょっと素敵に料理してみませんか?
「おうちでカフェタイム」をショート動画に
まずは、今回のレシピで撮った完成動画を見てください。おうちで抹茶ラテを作ったカフェタイムを撮影してみました。
vol1
短いシーンをいくつか撮影して、ショート動画として投稿することを最初からイメージして作りました。ひとつひとつの短い動画だけならストーリーズに、まとめればリールとして投稿することができます。
それでは、この動画のレシピを、工程ごとに細かくご紹介します。
「おうちでカフェタイム」レシピ

材料
カメラ:EOS R50 V
レンズ:RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ
撮影補助機材:三脚
撮影場所:明るいキッチン or ダイニングテーブル
被写体:抹茶、ミルク、茶筅、カップなど
下ごしらえ
・カメラを縦位置にセット
・お好きなカラーフィルターを選択
・スロー&ファストモードを設定
STEP1 縦型ショート動画を想定したカメラ配置

Instagramのストーリーズやリールは縦長フォーマットが基本です。EOS R50 Vは底面だけでなく、側面に三脚穴があるので、縦位置での固定撮影がとてもスムーズなところがポイント。
前面にも録画ボタンがあるので、自撮りや手元撮影にも便利で、手の動きやラテを注ぐ瞬間なども無理なく撮れます。
STEP2 カラーフィルターで自分好みの色表現を見つける

EOS R50 Vには14種類のカラーフィルターが搭載されており、撮影時にプレビューしながら選べ、そのまま撮影できます。
カラーフィルターは、様々なシチュエーションを想定してデザインされています。
好みに合うものを選んでもいいし、被写体や周囲の光の状況などに合わせて変えてみても。
抹茶ラテの映える緑とミルクの柔らかさを引き立てるには、「TastyCool」が好みでした。
わざわざ編集ソフトを立ち上げて動画編集をしなくても、カラーフィルターで撮影すればそのままアップできちゃいます。
忙しい日でも自分好みの色で気軽に投稿できるのがありがたいですね!
STEP3 スロー&ファストで何気ないワンシーンを印象的に
ファストモーションで準備シーンをリズムよく
動画 2025-05-20 16 37 06 (4)
何気ない作業も、スピードを変えるだけで一気に印象を変えることができます。ファストモーションは、早回しで記録できるモード。テーブルの上を整える動きなど、普通のスピードだと少しつまらなく感じそうな動きも、ファストモーションでリズムよく繋げるとテンポが出たり、時間の経過を表現することができます。
スローモーションで動きのあるシーンをドラマチックに
動画 2025-05-20 16 37 06
動画 2025-05-20 16 37 06 (2)
抹茶を濾す場面や、ミルクが抹茶と混ざる瞬間はスローモーションでじっくり見せると一気にドラマチックになりますね。EOS R50 Vの「スロー&ファストモーションモード」なら、ボタン操作だけで簡単に切り替えられて、後から編集する必要もないので、初心者でも安心です。
撮影速度を選ぶには

・S&Fのダイヤルに合わせる
・動画記録サイズを選択
・スローモーションにしたいときは「2倍Slow」や「5倍Slow」などを選ぶ
・テンポよく見せたいときは「2倍Fast」や「4倍Fast」などを選ぶ
フレームレートの組み合わせで、選択できる設定が変わります。
私はいつもタイムラインを映画などで使用されている24fpsに設定しているので、60fpsを選択すれば2.5倍Slow、6fpsを選択すれば4倍Fastとして記録されます。EOS R50 Vなら、フレームレートの選び方がわからなくても、画面右上の表示で「何倍Slow」「何倍Fast」が確認できるので、具体的な完成イメージを浮かべながら簡単に選択ができます。
スロー&ファストの注意点は、むやみに使いすぎないこと。スパイスのようにたまに使うとより魅力的だと思います。
STEP4 音や香りが伝わるように
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動画 2025-05-20 16 37 06 (3)
動画 2025-05-20 16 37 06 (5)
もし余裕があれば、音にも注目してみてください。
茶筅の音、ミルクを注ぐ音、ラテを飲む瞬間の静けさ…。心地よい音が入ることで、より臨場感があり、観る人にその場の雰囲気が伝わる動画になります。音が上手く録音できなかった場合は、投稿する時に、雰囲気に合ったBGMをつけるのもいいですね。「音と映像のペアリング」も、ぜひ試してみてください。
TIPS!USB-C・アプリで直接データを転送!
USB-C対応のスマホならEOS R50 Vとスマホをケーブルで繋げぐだけで、それ以外のスマホなら公式アプリ「Camera Connect」を使えば無線で転送できるので、SDカードリーダーなどがなくても、データをスマホに転送できます!撮ってすぐに投稿する時に、おすすめの方法です。
メッセージ
今回のショート動画編では、「撮って出し」でそのままアップできる動画レシピをご紹介しました。
まずは数秒ずつの動画で、いろんなアングルや表現にチャレンジしてみるのがおすすめです。
カメラを構えることが、少しずつ楽しくなってくるはず。
次回は、もう少しじっくり撮るYouTube向けのおうち動画レシピをお送りします。
どうぞお楽しみに!
撮影に使ったカメラ EOS R50 V

被写体を美しく際立たせる大きなボケ表現や、スロー&ファストモーション動画、映画やドラマ、 MVなどで使用される雰囲気のある映像表現を手軽に撮影できる「シネマビュー」など、本格動画性能が詰め込まれたエントリー機。2か所の動画撮影ボタンや動画モードダイヤル、低速と高速のなめらかなズームレバー、ライブ配信ボタンなどの各種操作ボタンが配置され、快適な撮影の実現へと導きます。グリップや三脚穴の配置など縦位置の撮影もしやすく、縦フォーマットであるスマートフォンやSNSとの親和性が高いこともうれしい点です。
また、キットレンズRF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZは、EOS R50 Vのために開発されたズームレンズで、RFレンズで初となる、なめらかな「電動ズーム」を搭載。画角は常用しやすい広角~標準域をカバー。レンズ単体で約181gという軽さを誇り、カメラとセットでも約551g(バッテリー、カードを含む)。片手でもさっと構えて撮影でき、速く正確なAF機能もあいまって、撮りたい瞬間を逃しません。