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SESSION 写真好き同士の撮影セッション 加藤シゲアキ×小関裕太

雑誌「GENIC|私の写真世界 vol.71 2024年7月号」にて、12ページの特集で掲載されたスペシャル・セッション「加藤シゲアキ(NEWS)×小関裕太」。ドラマでの共演から6年、愛用のカメラを手に、この企画のためにスタジオで再会した2人。2時間以上に及ぶ撮影で、お互いを撮り合った作品は30点以上になり、懐かしい話にも花が咲いた写真対談も。本WEB記事ではトークセッションを中心に掲載。お互いを撮り合った全作品は本誌にてお楽しみいただけます。

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目次
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プロフィール

加藤シゲアキ(NEWS)

アーティスト/俳優/作家/写真家 1987年生まれ、広島県出身。青山学院大学法学部卒業。NEWSのメンバーとして活動しながら、2012年に『ピンクとグレー』(KADOKAWA)で作家デビュー。2021年『オルタネート』(新潮社)で吉川英治文学新人賞、高校生直木賞を受賞。学生時代より写真を撮り始め、以来20年、写真・カメラをライフワークとする。初のエッセイ集『できることならスティードで』(朝日新聞出版)などにも写真作品を収録している。2024年に初の時代小説『なれのはて』(講談社)を刊行。
愛用カメラ:Hasselblad 500C/M 50周年記念GOLD限定モデル、SIGMA fp L、LEICA minilux
愛用レンズ:Planar 80mm F2.8

小関裕太

俳優/フォトグラファー 1995年生まれ、東京都出身。子役として芸能活動をスタート。その後、ドラマや映画、様々なミュージカル・舞台に出演。近年の主な出演作に、「来世ではちゃんとします」シリーズ、「癒やしのお隣さんには秘密がある」、「大奥」、舞台「キングダム」、「ジャンヌ・ダルク」、ミュージカル「四月は君の嘘」、「ロミオ&ジュリエット」など。GENICでは2020年7月号より「小関裕太の自分探しの旅 スキ」を連載中。フォトグラファーとしても活動の幅を拡げている。
愛用カメラ:FUJIFILM X-E2、MINOLTA MAC-DUAL QUARTZ DATE、MINOLTA α-3xi

SESSION 写真好き同士の撮影セッション

Talk Session

GENICに出るきっかけがシゲさんでした

加藤:撮影おもしろかったね。すごく久しぶりだったけど、よくテレビでも見てるし、そんな感じはしなかったな。

小関:ドラマ(「ゼロ 一獲千金ゲーム」2018年NTV系)で共演させていただいて以来、連絡は取り合っていましたが、お会いするのは5年ぶりでドキドキでした。しかも、僕がGENICに出るきっかけを作ってくれたのがシゲさんで。あの時は本当にありがとうございました!

加藤:いやいや、俺は名前を出しただけだよ。GENICがカメラ好きの俳優を探してるみたいだけど知らないか?って知り合いに聞かれたから、小関裕太って答えた。うまく繋がったらいいなとは思ってたけど、それをちゃんとモノにして連載にまでしたのは小関の力だよ。作品集も出るんだって?おめでとう。

小関:はい、6月8日発売です!ありがとうございます。あのドラマは、夏の暑いときで、撮影期間も限られていて、そのうえシゲさんはNEWSの15周年でライブも同時期にやられてたのに、あれだけの長くて難しい台詞も完璧に覚えられていて…。ピリピリしてもおかしくない状況の中で、本当にみんなの兄貴的存在として主演をされている背中を見て、すごいと思っていました。

加藤:え、そんな風に思ってたの?5年越しに意外と伝わってたことを知れてよかったよ(笑)。俺が弱音を吐くわけにはいかなかったからね。そんな中で、小関がカメラを持ってきてみんなを撮ってて。

小関:そしたらシゲさんがハッセルの話をしてくれて。Hasselbladってものを知らなかったんです、僕はまだ。そしたら「持ってくるわ」って言って見せてくれたのが、今日も構えている姿を撮らせていただいたゴールドのハッセルでした!

退屈な写真は撮りたくない

加藤:連載をいくつか見てるけど、写真に小関らしい視点がちゃんとあっていいよね。

小関:嬉しい!

加藤:俺は、多くの人がそう撮るだろうなっていう写真は退屈だと思うんだよね。だったら撮らなくていいって思っちゃう。記録としてはいいけど、自分の作品にはならないから。楽しいご飯の写真を撮るんだったら、その雰囲気が出ることが優先で、ブレてようがボケてようが目をつぶってようがいいかなって思うし。俺がずっとフィルムで撮ってきたのも、そう思ってるからなのかなと。カメラを始めた頃、梅佳代さんとか川島小鳥さんとかが人気だったのもあって。小関はどんな写真を撮りたいって思ってるの?

小関:僕は、雰囲気があって、ちょっとコーヒーが飲みたくなるような、本屋に行きたくなるような、そんな写真が撮りたいです。僕にとっては、匂いを感じるような写真が退屈しない写真だなって。今日は、シゲさんはほとんどデジタルで撮ってましたね。

加藤:そう、シグマのfp L。去年SNSを始めたときに、デジタルを探してて、出会ったんだ。

小関:僕は最近フィルムを本格的に始めました。ぼけたりもしますが、やっぱり色合いがすごくよくて、あ、これいいな~!となってます。

加藤:フィルムは失敗もおもしろいから。ただ高いけどね!もうほんと、貴族の遊び(笑)。

小関:間違いないです!レンズは普段から単焦点ばかりですか?

加藤:単焦点しか持ってない。普段撮るのがスナップだからっていうのもあるけど、自分で距離感をとって、自分が動きたいっていうか。写真は単焦点で!みたいなカメラ好きの頑固おやじみたいな考えが染み付いてる(笑)。

小関:アハハハハ!僕は連載で人を撮るときは、ズームが必須です。元々、関係性がある方を撮ることがほとんどですが、それでもあんまり近づけない僕の感覚があったりして。

加藤:でも今日初めて、ちょっとズームレンズが欲しくなったよ。ついついどんどん寄りたくなっちゃって(笑)。

輪郭が美しくてテンションが上がりっぱなしだった

加藤:今回の撮影にあたって、事前に何か考えてきてた?

小関:最初は、スタジオのHPの写真を見ながら、バシッとキマッたシゲさんを撮りたいかな?となんとなく思っていましたが、作品集の撮影で午前に同じスタジオに入り、実際に光の具合を見ると、ちょっと違うかもと思い。やっぱり結局はファインダーを覗いてから決めよう、ってなりました。

加藤:そうだよな、結局覗いてみてからだよな。俺は、ナチュラルなほうがいいかな、と思ってたんだけど、それこそ光がわからないから。今日雨だし、暗いし。あとはセッションが始まっていけば、その流れでどうにかなるかなって思ってた。

小関:お互い今日は私服撮影でしたが、シゲさんはグレーだと聞いていて、お会いしたら黒になってました(笑)。でも黒大正解でした!!輪郭もやっぱりすごく美しいので、服の暗さと淡い光と輪郭がマッチして、すごくテンションが上がりました。

加藤:ピンクの壁で撮りたいって事前に聞いてたから、最初グレーがいいかなって。

小関:ピンクとグレー(笑)。

加藤:好きなんだよね、結局(笑)。小関という人間の写真の作家性をまだ知り切れてないから、もちろん合わせる必要も外す必要もないんだけど、どうしよっかな、と悩んで。最終的に小関が白って聞いて、黒がいいかなって朝になって変えた。上も何か羽織ろうといろいろ着たけどデニムになりました、小関もデニムと聞いてたけど(笑)。

小関:お揃いになりましたね(笑)。

加藤:小関は撮るのもそうだけど、撮られるのも多分好きだなって思ったよ。撮っててすごく楽だったもん!

小関:嫌いではないです。

加藤:ちょっと変な動きをしてほしいとだけリクエストしたけど、他はほとんど何も言ってないよね。なんか昔にそういうイメージがあったんだよ。変な動きをするっていう(笑)。

小関:ソファーに寝っ転がってと言われて、そこからどんどん足あげて、って(笑)。僕はシゲさんを撮りながら。とにかく「カッコイイ!」を連発してました。

加藤:本当に楽しかったな。写真誌でちゃんと誰かと撮り合いをするのは、初めてだったから。しかも1時間半も。こっちの方が初心者みたい。

小関:とんでもない!!!

写真好き同士の撮り合いはいいことしかなかった

加藤:あと、写真が好きな人に撮られるのってやっぱ気持ちいいんだなと思って。もちろん全カメラマン写真は好きだと思うけど、やっぱり仕事で期待に応えることが必要だし、いっぱい撮ると相手に負担をかけるかもとか気遣いが生まれてくると思うけど、純粋に写真を楽しもうという情熱だけで、写真が好きな者同士が撮るとその遠慮が生まれないから。本当にあっという間の時間だったし、そういうリラックスした状態だと、アイディアがぼんぼん出てくるんだよね。

小関:僕もそうでした!

加藤:だから、いいことしかないよね。被写体としてもニュートラルにやれるから、表情もいいものになりやすいんだろうな。始まりもすごくナチュラルに入ったしね。はい、今からやります!っていうんじゃなくて、しゃべってたら、あ、ちょっとそこ立って!みたいな。スタンドイン(テストシュート用にその位置に代わりの人が入ること)やってるみたいで(笑)。

小関:アハハハハ!確かに!ちょっと1回覗いてみます、ってそのまま入りましたね。

加藤:テストか本番かわからない状態でずっと行けるって、実はすごくいいことなんじゃないか、って思った。やっぱりレンズを覗かないとわからないし、それをお互いがわかってるから、早く次行こうよ、とかも言わないしね。

小関:僕はシゲさんに撮られているのは、すごく安心感がありました。写真好きの人がニコッとして撮ってくれてると、あ、いいの撮れてるんだな、ワクワク!って。

加藤:あーーーーー!(笑)。

小関:もっとニコッとしてもらうためにはどうしたらいいかな?みたいな。プラスプラスの連鎖が、言葉はなくても生み出されていく感じでした。シゲさんの表情ひとつでいろいろ感じられたので、すごく安心でした。シゲさんがスタジオで始めに撮った写真の色味も見させてもらってるんで、あの世界観の中で今こうなってるんだろうな、って想像しながらやってて。写るだけだから何もしなくても撮ってはもらえるんですけど、なんか勝手にこう、自分もその創作の一部になれてるような、想像を巡らすような感覚が楽しかったです。

加藤:ずっとお互いワクワクしてる感じだったよね。

小関:あと、シゲさんが狙いながらあっち行ったときに、多分僕は今動かない方がいいんだろうなって感じたり…。

加藤:まじわかる!それすごい楽!

小関:なんとなくお互いのやりたいことがイメージできますもんね。あと、カメラが変わる瞬間とかも嬉しかったです。

加藤:もっとやりたかったね。カメラ替えたけど、レンズ替えなかったし、持ってきてたのに。

小関:またやりましょう!僕もレンズをもっと勉強して、いろいろなレンズで撮ってみたいです。同じカメラで撮るとかも楽しそうです!

加藤:あと、ロケ撮影とかね!実現したいね。今日は、楽しい時間をありがとう!

小関:こちらこそ、ありがとうございました!

Impressions

Hair & make-up:KEIKO(Sublimation/SHIGEAKI KATO) MIZUHO(YUTA KOSEKI)
Making Photograph:原口良太
※加藤シゲアキ(NEWS)と小関裕太がお互いを撮り合った写真は、GENIC vol.71本誌でお楽しみください。

from SHIGEAKI KATO

何をやってもカッコついてしまうところが小関の困るところだ

カメラを持つ小関はまるでおもちゃを扱う子供のようで、心から写真を愛していることが伝わりました。その興奮の残り香が私の撮影にも影響したのか、彼の笑顔をとてもピュアに切り取ることができました。同時に撮影していた自分も、きっと似た顔をしていたことだと思います。小関は構図や画角を探るのが上手く、柔軟な身体性もあって、挑戦的かつ大胆だと感じました。あらゆる隙間に身体をねじ込み、ときに寝転がる姿勢に自分も触発され、普段ポートレートを撮影しない自分も、存分に楽しむことができました。被写体から見ても、またカメラ好きの仲間としても信頼できる人間だと思います。
この先どんな撮影をしていくのか楽しみでなりません。

from YUTA KOSEKI

今日シゲさんを撮れて話せて、次のステップに行く準備が整った気がする

作品を一つひとつ楽しむだけでなく、撮り合った写真って交互に見る楽しさもあるんですね。出来上がったページを見て、ふたりの距離感が写真だけで物凄く見えてくるんだなという印象で、面白かったです。そして、シゲさんがシャッターを切ったとき、どんな空気が流れていて、どんな音がして、どんな気持ちだったのか想像を掻き立てられました!以前、シゲさんのインドのスナップ写真をGENICで拝見しましたが、その世界観に僕が飛び込ませてもらえた感覚でとても嬉しかったです。また、僕の勝手な解釈ですが、シゲさんの写真は光を使って捉えていて、僕の写真は陰を使って捉えてるのかな?と思いました。とてもおもしろい撮影でした!ありがとうございました。

GENIC vol.71【SESSION】

GENIC vol.71

2024年7月号の特集は「私の写真世界」。
写真は生き様が反映されるアート。何を感じ、何を受け取って生きてきたのか。写真に投影されるのは、自分自身です。自分らしさとはいったい何なのか?その回答が見つかる「作品」特集。私の写真世界へようこそ。

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