小林正彦
1988年 埼玉生まれ
日常的な被写体・生活体験に関わりのあるモチーフに対峙し「わかりやすく語り得ぬもの」を写真を介して観るものに想起させる作品を制作する。
2023年「APAアワード2024」写真作品部門 入選
写真に撮られてはじめて気がつくようなモチーフ
自分の洗濯物の写真を撮るようになった。コロナ禍で生活が制限され視界が定まらない中で、生活の中でごく平凡で見過ごされる狭い風景、写真に撮られてはじめて気がつくようなモチーフに以前よりも目を向けるようになった。
洗濯は日々当たり前に行う家事の一つではあるが、晴れの日に行うそれは私にとって特別な行為に感じられる。陽の光と風を感じる瞬間は心地よく、衣類にはその日一日の時間の経過が蓄積されているように思える。
個人や家の生活様式に強く結びついた私的な存在であるにも関わらず、外に干されて人目にさらされることもある洗濯物は、私的な空間と公的な空間との間に漂うフィルターのようでもある。
洗濯物にはその衣類を洗い、干して、そして近い未来に取りこみにくる誰かの存在が感じられる。風雨にさらされてなお。誰かが生きている軌跡としてそこに洗濯物はある。言うなれば野ざらしの未来とでも形容するような、洗濯物が連想させる人間の生活のたくましさに私は魅了されて撮り続けている。
小林正彦
写真展「Laundry」情報
開催日時
2024年3月8日(金)~3月13日(水)12:00〜19:00
※最終日17:00まで
入場料
無料
会場
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〒161-0033 東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
行き方・アクセス
<電車>JR山手線「高田馬場駅」から徒歩で7分
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