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著者の詩歩さんにインタビュー!「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」発売!

「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」シリーズの著者である詩歩さんが、6冊目の書籍を発売!
そこで、GENIC編集長のフジイが詩歩さんに、絶景プロデューサーになった経緯から新刊の話、さらに絶景を撮る秘訣まで、を徹底インタビュー!
今や「絶景」の代名詞ともいえる詩歩さんに迫ります。

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6冊目の書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」、ご出版おめでとうございます!
何度も何度も聞かれていると思うのですが…教えてください!そもそも1冊目の「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を出されたのはどういう経緯だったんでしょうか?

2012年に新卒で入った会社の新入社員研修で出た課題が、「Facebookページを作っていいね数を競う」というもので、そこで私が作ったのが、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」というページです。
そのFacebookページがハズってしまって。そこからこの人生が始まりました。

インタビュー中の詩歩さん

その課題のときに、「絶景」を選んだのはなぜですか?

元々旅は好きだったんです。初めての海外旅行は19歳なのですが、大学時代はお金をためては旅行をして、という感じでした。
でも、「絶景」には特に興味はなくて。
私、すごく歴史が好きなんです。だから遺跡とか歴史的な建造物とか、そういうところばっかり見てまわってました。
だから、Facebookページを作る、となったときに「旅行」というキーワードはすぐ出たんですが、遺跡って見栄えがそんなによくないよなー、と思って。
考えた結果、絶景だったらいいかなと思ったんです。

他の方はどんなものを?

新卒は30人くらいいて、他の人も、自分が好きなことをテーマにしている人が多かったです。映画とか、野球とか。
私は、絶景で始めたら、2か月で2万いいねくらいもらえてしまって。2位は200いいねくらいでした。

尋常じゃない数字!最初から「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」というタイトルだったんですか?

はい。最初からこのタイトルです。
実は、名前を変えようと思ったことがあるんですけど、Facebookページって名前が変えられないんです!

え!名前変えたいんですか!?

あ、日本語はそのままでいいんですが、当時は翻訳機能がなかったので、タイトルに英語も入れていて。
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景(The breathtaking sights in the world I want to see before I die.)」
というすごい長いタイトルになっているんです。今は自動的に翻訳してくれる機能もあるから、英語の部分を削除しようと思ったらできなくて(笑)。

研修が終わったあとは、Facebookページはどうしていたんですか?

配属も決まったので、普通に仕事をしながら、プライベートな時間を使ってコツコツとポストを続けていました。
ちょうど1年後の2013年に「本を出さないか」というお話をいただいて、1冊目の本が出たのが2013年の8月です。まだ普通に会社員をしていました。

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詩歩さんInstagramより「湯の浜露天温泉」

ニット帽はその頃からのトレードマーク?

Facebookページを始めた頃はかぶってなかったんです。でも、本を出したらインタビューを受けるようになって。
だけど会社員で忙しいから、20時くらいに職場にインタビュアーの方に来てもらってインタビューを受けて、終わったらまた仕事に戻る、という感じだったので、髪をセットする時間がとれなくて。
てっとり早く隠せて、旅っぽいものを、と考えたのがニットキャップでした。

セルフブランディングがすごく上手な方だなと思っていたら!最初はそういう理由なんですね(笑)!

はい。ブランディングとか意識してたわけじゃないんです。でも結果としては、それで覚えてもらえるようになりました。

いや、ニット帽すばらしいと思います。絶景の中に後ろ姿で写っていても「詩歩さんだ」、と思う。カタチで認識できるってすごいブランディグです。天性の才能なんでしょうね。

私じゃなくても、この服とニット帽をかぶせたらマネキンにもできるというのはあります(笑)。
ドローン撮影や動画撮影は自撮りが難しいので、背格好が一緒の妹にニット帽をかぶせて影武者にしたりしてます。妹は髪の毛が長いので、どこかの映像で髪が長い私が写っていたら、それは妹です(笑)。

脱ぎたくなることはありませんか?

普段ずっとかぶってるわけじゃないので、大丈夫です。
南国では普通のキャップに変えるなど、その土地でおかしな人にならないようにもしています。
ニット帽は40個くらい持っていて、基本的には黄色系が多いです。青空とか緑を背景に写真を撮ることが多いので…。
ピンクとかオレンジとかだと景色に合わないし、地味すぎず派手すぎず、調和しやすい色を考えていたらこうなりました。

せっかくのトレードマークで、悪目立ちしたくないですもんね。
「絶景プロデューサー」という肩書もご自身で考えられたのですか?これもすごいブランディングだなあ、と。

元々は肩書がなくて「あの本の著者さん」みたいな感じだったんですけど、2年間勤めた会社を辞めて独立したあとは本だけの仕事じゃなくなったので、「著者」っていうのも違うな、と思っていました。
そのとき誰かが私のことを「絶景案内人」って言いだしてくれて、“それいいじゃん”と思って使ってたんですが、「絶景案内人ってなんですか?」って聞かれるから、肩書の意味をなしてないなと。
それで、もう少しわかりやすいものを、と考えてたどり着いたのが「絶景プロデューサー」だったんですが、まだ「それってなんですか?」と言われることがあるので、日々、何かいいものがないか考えています(笑)。

まだ変える可能性があるんですね!?いやいや「絶景プロデューサー」ってすごくいいと思うので続けてください。
詩歩さんの他にもいらっしゃるんでしょうか?

絶景カメラマン、絶景フォトグラファーとか名乗ってる方はけっこういるので、絶景プロデューサーも他に出てきてもおかしくない。
でも狭い絶景業界で争わなくていいから、別のところ攻めたら?とは思います(笑)。

絶景業界(笑)!
今回6冊目となる「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」は、今までとは違うコンテンツが盛りだくさんです。
「ガイド編」を作ろうと思ったきっかけはなんですか?

最初の本を出してから6年たって、自分の中で、絶景のエピソードだったり、絶景を見るための知見だったりノウハウがたまってきていました。
「どうやって撮ってますか」とか「どうやって手配しましたか」っていう、旅だったり撮影だったりの細かい質問が多くなってきていたというのもあって、これまで私がためてきた情報を棚卸するときが来たかな、というので、今回は毛色を変えて「ガイド」としました。

新刊「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」より

最初は、詩歩さん自身が「死ぬ前に行きたい」というコンセプトだから、自分自身がまだ行ったことがない場所を紹介する、というのが基本だったのですよね?
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」が誕生してから7年。今回のガイド編は、すべて、詩歩さんご自身が行かれている場所だとか?

はい全部行っています。
初海外から今月でちょうど10年だったんです。この10年で日本も1周全部まわったし、海外も50から60ヶ国は行ったので、その中から本当におすすめしたいなという絶景を厳選しました。私の10年間の集大成です!

新刊「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」より

写真も詩歩さん自身が撮られたものですか?

今回は、90%は自分で撮った写真を使っています。旅のコースも紹介しているのですが、それも実際に私がまわったコースを紹介しています!
普通なら1回のところを、絶景狙いならここは2回行きましょ、っていうような、効率だけを考えたガイド本とは少し違うものです。

ああ、これは詩歩さんのリアル旅をなぞれるコースなんですね。
ガイド本って割と理想的にワープさせたりすることが多いじゃないですか。なのに、この本には「移動」がすごくたくさん入ってるなと思ってました。
今回は厳選した100ヶ所をご紹介されているということですが、10年間で 何ヶ所くらいの絶景スポットに行かれたんですか?

何ヶ所となると難しいですね。どれくらい行ったんだろう…。
今、自分のInstagramのポスト数が1000弱くらい。複数アップしている場所とか、逆にまだ上げていないところもあるので、相殺すると1000 ヶ所くらい行ってるのかなあ。

そのうちの100ヶ所というと厳選感すごいですね!興味がより湧きます。
10年を振り返って、思い出せないところはなかったですか?

今回一番大変だったのは思い出す作業です(笑)。最近は、ちゃんと看板を撮っておいたり、細かくメモったりしておくんですが、昔はしていなかったから、Googleマップをたどりながら「ここを通ったっけなあ」と思い出しながら作りました。

新刊「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」表紙

新刊の表紙はウクライナの「恋のトンネル」ですね。

はい。2日間連続で行きました。
友達と行ったんですが、友達は1回でいいと言ったので、私だけ1人で翌日にも行って。この表紙の写真は、2日目に三脚を立てて自撮りしたものです。
先ほどコース紹介の話のところでもちょっと触れたんですが、“絶景を見る”という目的があるときは、基本的には2日間そこに行けるように日程をとっています。
天候的な予備日も含めてですが、観光客のいるいないでも見える景色が違うから。

他の表紙候補はありましたか?

5種類ありました。今まではずっと空、青で統一してたんですが、今回は初のガイド本ということで、これまでと違う感じを出したかったので、緑のコレに決定しました。

まだ予定していないけれど、今一番「死ぬまでに行きたい」ところはどこですか?

ブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園です。実は昨年予定していたんですが、友達が行けなくなっちゃって。それからまだ計画してないんです。

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詩歩さんInstagramより「ジラフマナー」

普段は誰かと一緒に旅をされることが多いんですか?

いろいろなパターンがあります。友達ともあるし、1人もあるし、10人くらいで行くパターンも。でも最近1人で行くのに疲れちゃって(笑)。
友達と行くと、“旅を楽しもう”というマインドになれるので、ここまでにしておこう、って諦めがつくんですが、1人だと“あれしとかなかなきゃ”“これしとかなきゃ”、ってなって疲れちゃいます。友達と行くほうが楽です。

よく、友達と行くと、気になっちゃって写真を十分撮れないことがストレス、という話は聞くんですが、逆なんですね。精神的解放が1人だとできない?仕事モードの自分からプライベートの自分に切り替えられない、みたいな?

基本、自費でしか旅行に行かないのに、いつも頭に撮れ高があって…。リラックスがしづらいです(笑)。

絶景写真を撮るときのこだわりはありますか?

私はプロじゃないので、小手先の技術や設定でどうにかするんじゃなくて、「絶景が一番いいコンディションのときに、その場所にどう辿り着くか」というのを一番大事にしています。
逆光じゃうまく撮れないので順光の時間を考えるとか、雲海を狙うなら、どういう条件で出るか?を調べてから行くし、人が多いところは開園と同時とか早朝に行く、とか。誰でもできるけど、ちょっとがんばる、というところを大事にしています。絶景の朝は早いんです(笑)。

あと、構図は、その場所の絵葉書をまず参考にします。

たしかに!!!ベスト構図がポストカードになってるはずですもんね。

はい、その場所の一番いい構図がそこにあるはずなので。だから旅先では、まずおみやげ屋さんに行くのをおすすめします!
そこでポストカードを見て、ベスト構図をインプットします。それをマネしたら、お決まりの綺麗な写真は撮れるはずだから、そのあと、自分なりの構図を探してみたり自分らしさを出してみたりするのがいいのかなと。

新刊「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」より

今回のガイド本には、詩歩さんが持っていく撮影機材や、絶景を撮るためのコツ、自撮りの秘訣、写真のレタッチについても書かれていますね。

見た景色を再現するために、ライトルームでレタッチをしています。
写真に撮ったら、鮮やかだった空がドヨンとしてしまったりすることがあるので、“見た通りのものに戻してあげる”という作業です。実際にその場所に行ったときに、写真と同じ景色を見てもらえたらいいな、と。

記憶が残っている間にレタッチを?

はい。パソコンを持って行っているので、その日中にすることが多いです。旅に行くと寝る時間が全然ない…(笑)。本当に裏側は大変です。

新刊「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」より

「旅の便利アイテム」のところで書かれている、蚊よけの話が気になりました。ミューズで足裏殺菌ってなんですか?

3年くらい前にテレビでバズった話題なんですが、足の裏の細菌の量が多い人が、蚊にさされやすい、と。
だから、殺菌をすると蚊に刺されにくくなる。ボディソープでは殺菌できないので、殺菌できるハンドソープで足を洗うといいんです!
旅先では殺菌シートで拭くのが便利。中でもミューズが最強!と思っています。
元々すごく刺される体質だったんですけど、これをしたらほぼ刺されなくなりました!これはぜひ参考にしてほしいです!

へ~!私もよく刺されるので絶対マネします!
絶景の誌歩がオススメするミューズの使い方、って宣伝になりますよね。
ところで、最近京都に移住されたそうですが、なぜですか?

東京に飽きたな~、って(笑)。独立してから6年、めまぐるしく生活してきたんですが、最近そんなに新しいこともなくなってきたな、と。落ち着きたくないタイプなので、刺激が欲しい!
住む場所を変えるのが一番いろいろ変わる、というから、引っ越すことにしました。
車が運転できないので交通網がある程度発達してる場所で、国際空港が近いところ、で考えて、関西か福岡だな、と。で、日本史が好きだから、京都!ってなりました。
でも忙しくて、まだ全然遊べてないんです。そろそろ時間をみつけてまわらないと冬になっちゃう。京都の友達募集中です(笑)。

早く京都でゆっくり遊べることを祈っています!本日はありがとうございました!

ありがとうございました!

詩歩さんとGENIC編集長の藤井

9月25日に発売になった「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編」には、詩歩さんが厳選した海外、国内の絶景の紹介のほか、おすすめの旅プラン、詩歩さんの旅コーデ、撮影機材など、参考になる情報がたくさん掲載されています。ぜひ、手に取ってみてください。
11月には、ベトナム・ダナンの書籍も発売の予定だそうです!

死ぬまでに行きたい!世界の絶景 ガイド編

・出版社
三才ブックス

・著者
詩歩(絶景プロデューサー)

・価格
1,300円+税(1,430円)

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