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失敗の美学/夏南の法則Vol.149

大屋夏南<連載コラム>第2月曜日更新
モデルの大屋夏南が
ありのままに自由でいるための
カナ的イズムを書き綴る♡

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失敗の美学/夏南の法則Vol.149

「失敗したくない」

この言葉は、誰もが一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。私も、これまで何度もそう思ってきました。

でも今は、「失敗しない」よりも、「失敗しても大丈夫だと知っている」の方が、ずっと大切だと感じています。

失敗する1番のメリットは、エビデンスが積み重なっていくことだと思います。上手くいかなかった時、たとえ時間がかかったとしても最終的に「あ、案外なんとかなるんだ」という経験をすればするほど、その後の挑戦や行動へのハードルが下がっていきます。

だけど、もし一度も失敗せずに来たとしたら、「失敗したらどうしよう」という恐怖にずっと縛られたままになってしまう。

どんなに準備をしても、本番にならないとわからないことは山ほどあります。転んでみて初めて、「あ、この場所は滑りやすいんだ」とわかるように、経験を通してしか得られない学びがあります。

失敗と立ち直りのサイクルは繰り返していくと、少しずつ自分への信頼感も育っていきます。「このミスは取り戻せないと思ったけど、最終的に丸く収められた」とか「この世の終わりかと思ったけど、どうにか乗り越えられた」というように場数を踏めば踏むほど、それは強まっていき、そして静かな自信の源にもなっていきます。

近頃は“失敗”がものすごい悪者のように扱われているように感じます。人生で重要なスキルの1つである「立ち直る力」は失敗しないとつかないし、成功ばかりを追い求めていると、いつのまにか「失敗しないこと」が人生の目的みたいになってしまうし、それって的外れもいいところ。

もちろん、失敗した時は落ち込むし、悔しい気持ちになることもあります。でも振り返れば、その経験が必ず自分の力になっている。

失敗は怖いものでも、避けるべきものでもなく、むしろ私たちを自由にしてくれるもの。そう考えると、ちょっと気が楽になりませんか?

使い古された言葉ではありますが、やっぱり「失敗は成功のもと」。

失敗を味方につけたら、私たちの人生はもっと面白く、さらに豊かになっていく。

素敵な1ヶ月でありますように♡

プロフィール

大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。

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