三谷さんにとっての日常とは?
風景と花と猫を主な被写体に、 映画や絵本のワンシーンのような世界を写し出す三谷さん。「海の上に島が浮かんでいる瀬戸内の美しい景色をごく普通に見られるのは、地元・香川県の魅力のひとつ。見慣れた景色も、写真を始めてからは、“これって特別な景色なんじゃない?”と思うことが増えましたね」という三谷さんが日々の生活のなかでシャッターを切りたくなるのは、なにげない瞬間。「空がきれいだったり、美味しいものを食べたりしたときです。ペットや母、祖母など、家族の写真もよく撮ります。私にとって日常とは、当たり前のように思えて、実は一番特別なもの。日常の一瞬一瞬はあっという間に過ぎてしまいますが、そのなかで愛おしいと思える瞬間があると、どうしてもシャッターを切りたくなります。写真を撮ることで、一瞬が永遠になるような気がするから。私が日常を撮る目的とはその場の空気感を、永遠に閉じ込めるためなのかもしれません」。そんな三谷さんがこの夏旅した京都で“日常”を感じたシーンを、PEN E-P7で撮り下ろしてくれました。
フォトグラファー 三谷ユカリがPEN E-P7で切り取った日常
プリセットで好みのトーンに写し出した独特の家並みと青い空
希少な漁村集落として知られる京都府伊根町を旅した三谷さん。1階部分が船着き場として海に張り出した、独特の家並み“舟屋”を撮影した1枚。「伊根町に着いてまず印象的だったのが青の美しさと、その青を背景に舞っているカモメ。その様子と伊根町特有の家並み“舟屋群”を写したくて、到着してすぐに撮影を始めました」。海、空、家が全てバランスよく写るような構図をセレクトし、レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを使用。「カモメが飛んでいる瞬間を逃すまいと、そのときつけていた標準のズームレンズで急いでシャッターを切りました」。カラープロファイルコントロールに搭載された4つのプリセットのうち、COLOR2のクラシックフィルム リッチカラーを使用。「空が良い色に写って手軽にエモくなる、個人的に一番好きなプリセットです」。
レトロな建物は広角で撮って奥行きのある写真に
町所有の書庫を改装したという伊根町観光案内所を撮影。「古い町家の雰囲気を残す建物の手前に、赤いポストと青い標識を見つけて、面白い写真になるのではないかと思い、シャッターを切りました。赤色と青色をアクセントにして、写真全体を引き締まった印象にしたかったため、このような構図に」。使ったのは、上の作品と同じく標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ。「特に広角側が使いやすくて、スナップ撮影のときに重宝しました。広角で写したくて、このレンズを選びましたが、おかげで奥行き感を出すことができたと思います。この写真もCOLOR2のクラシックフィルム リッチカラーのプリセットを使用しました」。
遠近感を出してユニークな家並みをダイナミックに表現
“日本で一番海に近い暮らし”を営む伊根町ならではの家並みをクローズアップ。「舟屋と呼ばれる家並みをより近くから写してみたいと思った1枚。伊根町に着いてすぐの勢いで撮り始めましたが、一度気持ちが落ち着いたところでゆっくり撮影しようと思い、単焦点レンズを装着しました。ダイナミックな写真をイメージしていたので手前の家にぐっと寄って撮影。結果、手前のものは大きく、奥の家々は小さく、遠近感のある写真になって、同じ家並みでも1枚目より迫力のある写真に仕上がったと思います。M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8は小さく、明るさも確保されているため、空を撮るときやスナップ撮影の際に重宝しますね。単焦点を買うなら、まずはこの1本と思えるようなレンズです」。この写真もCOLOR2のプリセットを使用。
“青”が織りなす風景の中に旅した証しを写り込ませて
伊根町の海を撮ったこの写真、本当の主役は…「私の足です(笑)。初めて訪れた町だったので、自分がそこにいた証しを残したくて、大好きな青の風景とともに写しました。なるべく景色を大きく写そうと思って、レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを使っています。自分の服まで入れることで、黄色が上手くアクセントカラーになったかなと。これも広角域をカバーするズームレンズだからこそなせる技ですね。こちらもプリセットのCOLOR2クラシックフィルム リッチカラーを使用しました」。
暗い路地とその先にのぞく明るい海と家々の対比を強調
古き良き伊根町ならではの家並みを路地から見た、映画のワンシーンのような1枚。「もともと路地から見える海が好き。伊根町でもずっと海側を見ながら歩いていて、ふと出会った光景です。家々が近くに感じられるような圧縮効果を得るため、M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8の単焦点レンズで撮影しました。また、路地の暗さと家や海の明るさの対比にこだわって、路地の部分も多めに入れ込んでいます」。旅先で三谷さんがカメラを片手に歩きながら実感したのはPEN E -P7の携帯性。「PENはレンズをつけてもバッグに入ってしまうくらいコンパクトで、空の青との相性も抜群なので、常に持ち歩きたいカメラだと感じました。75mmF1.8という大口径の望遠も、コンパクトなサイズで使えることがありがたかったです」。
小さな赤のアクセントカラーで引き立てた空×海の“青”の世界
伊根町を旅した記念に、夏の午後の穏やかな海を撮ったもの。「伊根町を出発する直前に、名残を惜しむように撮りました。最後の1枚としてこの写真を撮ったのは、私の潜在意識のなかで“伊根=青”というイメージが出来上がっていたからだと思います」。標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZを使用。「小さくて、瞬時に撮影することができる一番お気に入りのレンズ。この写真は一番望遠側の画角で撮影しました。寄ると空が狭くなり、引くと赤のアクセントカラーが見えにくくなるため、寄りすぎず、引きすぎずくらいで撮るのが、この光景を写すにはちょうどいいと思いました」。
目の前に広がる幻想的な夕焼け空と海をローアングルで
夏の夕暮れどき、京都府京丹後市の夕日ヶ浦に向かう道にて撮影。「暗くなる前に、という思いで急いで海に向かっているとき、目の前に見えてきた海と空があまりに幻想的で、撮らずにはいられなかった1枚です」。こだわったのは“ここはまだ海ではない”ということ。「この写真で一番大切なのは、まだ海ではなく、海へ向かう途中に広がっている景色であること。それを示すために、意識的に左右の標識を入れました。また、ローアングルで撮ることで、本来見えるはずの道など、余計なものをなるべく省きました」。カラープロファイルプリセットCOLOR1ナチュラルを使用。「標準のCOLOR1は自然な色合いで、撮りやすいと思います」。
均整のとれた狙い通りの構図でポストカードのような1枚に
水平線に沈む夕陽が美しいことで有名な夕日ヶ浦海岸。浜詰海水浴場の絶景ビーチブランコ「ゆらり」はフォトスポットとしても大人気。「たまたま出会った風景ではなく、ここが目的地!日没前までに撮らなくては、と焦りながらシャッターを切りました。ブランコ、看板、空、海の全てがバランスよく写ることを一番に考えた結果、14mmという画角で撮影。夕日ヶ浦で撮った写真はどれもM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZのズームレンズを使っていますが、暗くなる前に撮らなければという時間の制約があるなかで、いろいろな構図を試してみるのにもぴったり。利便性の良いレンズですね」。
三谷さんが「OLYMPUS PEN E-P7」を使ってみて感じたこと
「これまでPENを使用したことはなかったのですが、たまたま、私の一番の親友がPENを持っていて、可愛いカメラだな、軽くて使いやすそうだなと思いながら見ていました」と三谷さん。今回PEN E-P7を使ってみての感想は?「ただ軽いだけではない!という一言に尽きるかと思います。青空や夕焼けを撮るとき、こんなにコンパクトなカメラなのに、こんなに良い色が出るのかと、とても驚きました。猫を撮るにも、花を撮るにも、一緒に空を写すことが多いので、やはり青色や夕焼けの赤の発色は大事になってきますが、仕上がりは想像以上で、特に青の発色は私の好み。青は好きな色ということもあり、現像の際、一番こだわっているのですが、撮って出しでもはっきりと、それでいて優しい素敵な色合い。私が今まで触ってきたどのカメラとも違う写りで、シャッターを押した瞬間から引き込まれてしまったほどです。OLYMPUSブランドのカメラのブルーの再現は素晴らしいとは聞いていましたが、ここまでとは…!」。そんな三谷さんが撮影で活用した機能はカラープロファイルプリセット。「アートフィルターほど作品の印象が大きく変わることはありませんが、だからこそ現像もしやすく、シーンによってはプリセットを変えるだけで、かなりエモい仕上がりに。個人的にはCOLOR2がお気に入りですが、標準のCOLOR1も自然な色合いで使いやすかったです」。
三谷ユカリ
フォトグラファー 香川県出身。カメラ歴6年。2014年、海外旅行をきっかけに初めて一眼レフを購入。2016年より本格的にフォトグラファーとしての活動を始める。2020年5月、猫や花、風景の写真を載せるTwitterアカウントを開設。テレビ番組、雑誌、ネットニュースなど、さまざまな媒体で取り上げられている。
次はフォトグラファー・べくさんの登場です。
三谷ユカリさんがPEN E-P7をバトンタッチするのは、フォトグラファーのべくさん。三谷さんにべくさんの印象をお聞きすると……、「日常やカフェの写真を素敵に切り取られる方というイメージです。ご自身だけの優しい雰囲気の色味を確立していらっしゃって、一目で“べくさんが撮られたんだな”とわかるお写真に、心から憧れております」とのこと。次回、そのべくさんがPEN E-P7で切り取った日常写真をお届けします!
べく
フォトグラファー 歩いて目にする何気ない景色や日常の中にある癒しを、特有の優しい色合いで写し出すほか、スイーツを中心にフード撮影も手掛ける。
リレーに使用したカメラ「OLYMPUS PEN E-P7」商品情報
「OLYMPUS PEN E-P7 ボディー」
オープン価格
カラー:シルバー/ホワイト
「OLYMPUS PEN E-P7 14-42mm EZ レンズキット」
オープン価格
キット内容:
ボディー(シルバー/ホワイト)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
※装着されるレンズはボディー色ホワイトの場合はシルバー、ボディー色シルバーの場合はブラックとなります。