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【#写真家が心に抱くそれぞれのテーマ:2】柏田テツヲ

写真を撮ることを仕事にした写真家たちは、自身の作品に何を投影し、どんなテーマを持って撮っているのか?誰のために?何のために撮り続けるのか?彼らが写真を通して伝えたい想い、そして写真を撮る理由と意味に迫ります。
2人目は、旅をしながら感じたことを、写真を通して定義する、写真家の柏田テツヲさんです。

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柏田テツヲ

写真家 1988年生まれ、大阪府出身。カメラマン筒井義昭氏に師事し、2015年に独立。旅をしながら自身が出会い、感じ、疑問に思ったことを独自の視点で写真を通して定義する。現在は環境問題の作品に取り組んでいる。
愛用カメラ:Leica M3、PENTAX67
愛用レンズ:DR SUMMICRON 50mm、SMC PENTAX67 75mm

ロードトリップでの発見

写真のことしか考えていなかった69日間、アメリカを巡る旅

「アリゾナ州のホースシューベンド付近にて。ふと横を見ると、いい表情&ポーズのおばあちゃんがいました」。

目的地と目的地の間が大切だから、ロードトリップに惹かれる

「学生の頃はずっとカメラを持って、バックパッカーをしていました。20代前半は、留学も含めてほとんど海外にいたように思います。そうした経験が、僕の感性や人間形成に影響を及ぼしています。今回紹介するのは、2018年にアメリカを巡った69日間のロードトリップの写真。アメリカの伝統的なロードトリップ写真系統の写真家たちに影響を受け、自分の目で確かめたい、自分もアメリカを巡ってみたい、そしてその後自分の写真がどう変わるのか見てみたい、という気持ちがありました。また、日本人に馴染みがあるNYやLAといった大都市よりも、普段は飛行機で飛び越えてしまう知らないアメリカ、本当のアメリカを知りたかったので車での旅を選びました」。

「ワイオミング州のカフェの常連さん。旅で出会う人たちは一期一会で、もう2度と会えないかもしれない。その思うと、その瞬間を記録したくなる。 その人の写真を撮っているかいないかで、旅の記憶が変わってきます」。

写真は、僕のパートナーであり、人生で必要なもの。旅は、写真と自分に向き合える時間

「旅で気付いたのは、写真にどれだけ向き合えるか、どれだけ時間をかけられるか、ということの大切さ。69日間、写真のことだけを考えていました。 そして、心のままにシャッターを切り、すべてを受け入れるように写真を撮りました」。

「ミシシッピ州でよく行ったファーストフード店」。

「旅をするということは、自分の知らない世界を知ろうとする行為。そこには新たな発見や出会いがあり、疑問に感じることも生まれ、予期せぬハプニングも起こります。それらをひっくるめて、旅なのです。旅の記録をなるべく残したくて、カメラを手に取ります。人に何かを伝えたいというよりは自分のためなのですが、僕の旅の写真を見た人が何かを感じてくれるのであれば、写真家冥利につきます」。

「ワイオミング州で散歩中の一枚。高い建物がないので、大きな雲と地面がすごく近く感じました。日本ではなかなか見ない光景」。

「構図なんて、1ミリも考えたことはないです。純粋に自分の目で見て『いいな』と思った光や風景、人などをそのまま撮るだけ。予期せぬものが写っていたり、写っていなかったり...それがあるから、写真は面白い」。

「アーカンソー州のキャンプ場にて。ハンティングを楽しみながらキャンプをしていた3人組」。

「この日の宿を探している最中に出てきた、MOTELの看板」。

「アリゾナ州のグランドキャニオンから眺める夕陽」。

「アリゾナ州のキャンプ場で出会った仲良し兄妹。夏休み中で、彼らも家族でアメリカを巡っていました」。

「フィラデルフィアで宿泊したモーテルにて。旅先で出会った人を撮る時は、無理やりではなく、 相手の表情を読むことを意識しています」。

柏田テツヲ Instagram

GENIC vol.61 【写真家が心に抱く、それぞれのテーマ】
Edit: Satoko Takeda

GENIC vol.61

テーマは「伝わる写真」。
私たちは写真を見て、何かを感じたり受け取ったりします。撮り手が伝えたいと思ったことだけでなく、時には、撮り手が意図していないことに感情が揺さぶられることも。それは、撮る側と見る側の感性が交じり合って起きる化学反応。写真を通して行われる、静かなコミュニケーションです。

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