”windows”をテーマに4種類のアートブックを制作
奥山由之の新作シリーズ”windows”は、コロナ禍の2年半にわたり、東京都内で不透明なガラス窓を撮影したシリーズ。
「Print House Session 2023」では、同シリーズの10万枚という膨大な枚数の東京の窓の写真を、気鋭の4人のデザイナーたち各々が、アーティストのアートブックとしてデザイン。
それを高い技術力を持つ印刷会社によってかたちにするという、まるで音を奏でるかのようなセッションが繰り広げられました。
「Print House Session 2023」のサテライトエキシビションとなる本展のアートディレクションは、4人のデザイナーの一人でもある上西祐理が担当。
会場では、制作された4種類のアートブックを展示。ふだん目に触れることができない製本の過程も展示されるので、各印刷会社のこだわりと感じることができます。
「Print House Session × Yoshiyuki Okuyama × LAG」情報
Art Direction of Exhibition:上西祐理
ArtBook Collaboration Project:
サンエムカラー × 岡崎真理子
東京印書館 × 田中義久
山田写真製版所 × Aaron Nieh
LIVE ART BOOKS × 上西祐理
協力:roshin books、flotsam books、サンエムカラー、東京印書館、山田写真製版所
開催日時
2023年10月13日(金)~11月11日(土)13:00~19:00
※定休日:日、月、祝日
入場料
無料
会場
LAG(LIVE ART GALLERY)
〒151-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwaビル1F
行き方・アクセス
<電車>東京メトロ銀座線「外苑前駅」3番出口から徒歩で約7分
東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前駅」5番出口から徒歩で約12分
JR山手線「原宿駅」竹下口から徒歩で約14分
- 【お問い合わせ先】
- LAG(LIVE ART GALLERY)
- live-art-books.jp/lag/
ゲストアーティスト プロフィール
奥山由之
1991年東京生まれ。写真家・映像監督。2009年から写真作品の制作を開始し、2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞してデビュー。以降、具象と抽象といった相反する要素の混在や矛盾などを主なテーマに作品制作を続けている。2016年には『BACON ICE CREAM』(Parco Publishing刊、2015年)で第47回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な写真集に、『Girl』(PLANCTON刊、2012年)、『君の住む街』(SPACE SHOWER BOOKS刊、2017年)、『As the Call, So the Echo』(赤々舎刊、2017年)、『POCARI SWEAT』(青幻舎刊、2018年)、『Los Angeles/San Francisco』(Union publishing刊、2018年)、『The Good Side』(Editions Bessard刊、2020年)、『flowers』(赤々舎刊、2021年)、『台湾版: BACON ICE CREAM』(原點出版刊、2021年)、『Ton! Tan! Pan! Don!』(bookshop M刊、2021年)、『BEST BEFORE』(青幻舎刊、2022年)、『windows』(赤々舎刊、2023年)など。主な個展に、「Girl」Raum1F(東京、2012年)、「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(東京、2016年)、「THE NEW STORY」POST(東京、2016年)、「As the Call, So the Echo」Gallery916(東京、2017年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(東京、2017年)、「白い光」キヤノンギャラリーS(東京、2019年)、「windows」amanaTIGP(東京、2023年)など。
デザイナー プロフィール
岡﨑真理子
1984年東京都生まれ。デザイナー。慶應義塾大学SFCで建築を学んだのち、アムステルダムのGerrit Rietveld Academieでグラフィックデザインを学ぶ。帰国後neucitora、village®での実務経験を経て2018年よりフリー、2022年REFLECTA, Inc. 設立。現代美術やパフォーミングアーツ、建築、ファッション等の文化領域に深くコミットし、観察とコンセプチュアルな思考に基づいた、編集的/構造的なデザインを探求している。現在、2024年3月に開幕する第8回横浜トリエンナーレのグラフィックデザインに取り組んでいる。
田中義久
1980年静岡県生。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程在学中。近年の仕事に東京都写真美術館、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「日本館」、国際芸術祭「あいち2022」のVI計画がある。また、「POST」「Gallery 5」「新建築書店」のアートディレクション、美術館における展覧会カタログやアーティストの作品集も数多く手掛けている。
アーロン・ニエ
1977年生まれ。台湾を代表するグラッフィックデザイナー。数々の賞を受賞し、CDジャケットや書籍のみならず様々なフィールドで活動。また政治的な分野でも活躍し、蔡英文総統の選挙のデザインも担当した。
上西祐理
1987年生まれ。東京都出身。2010年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、同年電通入社、2021年独立、北極設立。ポスター、ロゴなど単体の仕事から、ブランディングやキャンペーン、映像、空間、本、雑誌など仕事は多岐にわたる。今までの仕事に、世界卓球2015 ポスター/テレビ東京、2121年 Futures In-Sight展/21_21 Design Sight、雑誌「広告」/博報堂、LAFORET GRAND BAZAR SUMMER 2018&2019/LAFORET HARAJUKU、#SHEMOVESMOUNTAINS/THE NORTH FACE など。主な受賞歴:東京ADC賞、JAGDA新人賞、JAGDA賞、CANNES LIONS金賞, NYADC金賞、D&AD Yellow Pencilなど。趣味は旅と雪山登山。旅は現在42カ国達成。
印刷会社
サンエムカラー
写真集や美術展図録を数多く手掛ける京都の印刷会社。創業者の松井勝美は16歳から70年、現在も一線で印刷の可能性を探求し続けている。近年では文化財のデジタルアーカイブや複製製作、UVプリンタを用いたコンテンポラリーアートの作品制作などの事業も行う。印刷によって古くから受け継がれてきた美術という文化に貢献する。
東京印書館
1947年に平凡社の出版物印刷を中心の目的として設立された印刷会社。過去には主に百科事典やグラフィック系の雑誌を手がけてきたが、近年では写真集や美術書をはじめ、色の再現に重きを置いた印刷物制作に注力している。2019年以降、アートブックフェアへの出展や、自社のオンラインブックストア「PRESSMAN BOOKS」を通し、印刷を担当した出版物販売やプロモーションにも取り組んでいる。
山田写真製版所
製版から始まっているということで、その高い製版技術と名物プリンティングディレクターの熊倉桂三の手腕で、近年めきめきと印刷業界の中で頭角を表してきたが、今年の春、その熊倉が急逝。熊倉の血を引き継ぐ若手PD達による新たな歴史が始まる。
LIVE ART BOOKS
卓越した技術力から企画力まで優れた総合力を武器に、次々と話題作を手がけるLive Art Books。今回のPrint House Sessionのテーマである奥山由之の「windows」の印刷を手がけたほかに、瞬時に”重版出来”となった上田義彦 「いつでも夢を」など、その技術は折り紙つき。