AOI
映像クリエイター/プロトラベラー
東京生まれ。東京と祖父母の住む高知を拠点に、旅とライフスタイルをカメラで表現するクリエイター。旅先や日常のワンシーンからインスピレーションを受け、独自の目線で切り取ったエモーショナルな作品を発信している。愛用カメラ:Nikon Z 6II。愛用レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S。
【BIOGRAPHY】
<幼少期>
カメラが身近にある環境で育つ
<中学〜高校時代>
ガラケーで撮った写真を使ってブログを始める
<2010年(18歳)>
初めてコンデジカメラを持って海外へ
<2013年~(20代前半)>
カメラをミラーレスにアップデートして世界各国へ旅に出る
<2015年>
プロトラベラーとしての活動開始
<2019年>
Nikon Zシリーズを使い始める
<2020年>
東京と高知の2拠点生活をスタートし、映像クリエイターとして活動を始める
<2021年>
2月 プロトラベラーとしてCP+2021登壇
<2023年>
2月 映像クリエイターとしてCP+2023登壇
私とカメラの関係の始まり
ガラケーで撮り始め、その後デジタルの写りに感動してカメラを次々にアップデート
私の家族はいつもカメラを手に、私の成長の様子を記録してくれていたので、物心ついた頃からカメラは常に身近にありました。自分で撮るようになったのは中学生の頃。自分でソーシャルメディアに日記としてブログを書き始めるようになってからです。最初は持っていたガラケーで撮っていましたが、それからすぐにコンパクトデジタルカメラで撮影するようになり、ガラケーとの2台持ち生活がスタート。世の中にスマホユーザーが増え始めてからも、しばらくこのスタイルを好んでいました。
その後、デジタルの綺麗な写りに感動して、デジタルカメラを使うことが増え、ミラーレスカメラ、フルサイズミラーレスカメラと持ち替えていきました。カメラをアップデートするたびに、より鮮明に目の前の景色を撮影できるようになることがうれしくて。一方で、デジタルとは違う色彩やトーンに感動して、フィルムカメラに夢中になった時期もありました。その時愛用していたのがNikon F3で、それが私の初めてのNikonです。
目の前に広がる“好き”を撮るのが楽しくて
自分がいいと思うものを形にしていきたい、私らしさを表現したい、という想いから、写真や映像を本格的に撮るようになりました。自分の目の前に広がる好きと思えるもの、好きと思ったその瞬間を撮る。それがとても楽しかったんです。18歳の時に初めてカメラを持って海外へ出かけ、世界各国を旅するようになってからは、写真を撮ることがさらに好きになりました。自分が出会った、今まで見たことのなかったような世界をあとで思い返したい時、写真や映像があるとより鮮明に記憶を呼び戻すことができるからです。
本格的にカメラに取り組み始めたのは、20歳。自分が行きたいと思った場所で好きなシーンを撮影しているうちに、気づいたら仕事になっていた感じです。
ライフスタイルの変化が作品にも影響
プロトラベラーとして、「写真と旅」が仕事に
ブログを使って自分の日々の様子を発信していたところ、GENICを発行するミツバチワークスからオファーをもらいプロトラベラーに。活動を始めてから、もう7年以上になりますが、さまざまな旅やGENICと関わっていくことができて、とても誇りに思います。
プロトラベラーになってから、ほかの仕事をしつつ、その合間に旅するスタイルをやめ、それに一本化。「写真と旅」が生活の中心になりました。それまでは自分の感覚の範囲内で、直感的にいいと思う写真を撮っていましたが、仕事になるとその枠を超えていくので、自分の中にはない視点で考えて撮る機会が増えます。それはとてもいいチャレンジで、だんだんと、求められることにきちんと応える写真を撮れるようになっていったと思います。ドローンで空から撮影したり、水中を撮影するアクションカメラを使ったり、360°写し出すVRカメラを使ったり、いろいろなカメラを使う機会も得ました。
撮影は、早朝から夜まで分刻みのスケジュールになることも多々あり、楽しいだけではなく本当に体力が資本の仕事。自分が写り込む必要があるオーダーも多く、写真と動画の両方をこなすのはとても大変ですが、カメラの操作やライティングなど、技術的な知識は周り人に助けられながら学び、この仕事を続けてきました。撮影が終わったあとは必ず、「これとは違うアプローチもあったのでは?」と考えるようにしています。これからも、常に課題を持って、向上心を持って取り組んでいきたいなと思っています。
2019年、Zシリーズと出会って
見たままに目の前を切り取れるNikon Z 6に感動
20代半ばになった2019年、Nikon Z 6を借りる機会があり、インドへ行きました。今までにない写りのカメラとの出会いに感動。その後、サウジアラビアにもNikon Z 6と一緒に出かけ、最高の旅のパートナーだと確信しました。写りにクセがなく、見たままに撮影できることや、操作性の良さ、映像の美しさに惹かれたんです。
コロナ禍に二拠点生活を開始。高知の魅力をもっと撮りたいという気持ちに
祖父が難病で入院したのがきっかけで、祖父母をサポートするために、2人が暮らす高知での長期滞在がスタート。ちょうどコロナ禍になり、旅をすることにも制限がかかったタイミングでした。それまで忙しなく動いていた私ですが、一度立ち止まり、ゆっくり家族で過ごす時間を取りました。
高知に滞在していて気づいたのは、祖父母にとっては当たり前の景色が、私にとっては最高の景色だということ。東京に住んでいる私から見ると、とっても素敵で新鮮でした。もともと私は自然の中に身を置くことを心地よく思っていましたが、海や山、川の美しい高知の素晴らしさに改めて気づくことができ、自分のルーツがあるこの場所の魅力を、もっと時間をかけて撮っていきたい。そう強く思いました。
Z 6IIが出たタイミングでオーナーに
2020年秋、Z 6IIが登場したタイミングで購入を決めました。
コロナ禍で旅に出られない時間が続いていましたが、高知を拠点に、自分のルーツを辿るように、近場の自然や日常をZ 6IIで撮影したいと思ったからです。
Z 6IIはその場の空気感やモノの質感まで表現できるので、思い出をより鮮明に記録できます。だから、日常のなにげない写真も、あとで見返すと鮮明にその時の状況や気持ちを思い出せるんです。心の動く瞬間を形に残して、いつまでも色褪せないものとして残せるのは、写真や映像の魅力だなと、改めて感じます。そういうことに気づくことができたのも、Z 6IIと出会えたからだと思います。
高知での生活をきっかけにリスタート。色味やテイストにも変化が
高知でのおうち時間は、のんびり写真の整理をしたり、旅の思い出を振り返ったりすることができました。10代後半から慌ただしく過ごしてきていたので、一度ストップをかけられたことによって、新たなスタート地点に立てたような気がします。自分の中に余白が生まれた分、新しい創作意欲も湧いてきました。Instagramで、@OYASAIKAWAIIという高知の野菜を発信するアカウントを始めたのも、高知でゆっくり過ごす中で美味しい野菜とたくさん出会って、その魅力に気づけたから。新しいクリエイティブにも挑戦できるし、今は共感してもらえるのがうれしいです。
私の場合、ライススタイルの変化や心の状態が、写真の色味やテイストにとても表れます。昔はビビッドな原色がとても好きでした。海外に行ってカラフルなお菓子やドリンクが並んでいるスーパーに行くと大興奮。それがだんだんとナチュラル志向になり、今では川沿いに転がる青や緑の石のような自然本来の色の美しさに惹かれるように。自然の中に身を置く時間が増えたことで、自分と自然との境界線がなくなっていくような感覚になりました。
Z 6IIはいつも寄り添ってくれる、私のパートナー
Z 6IIは操作性もよく安定感があるので、旅先でもカメラの難しい設定に気を取られず、撮ることに集中できるようになりました。Z 6IIを連れて再びインドを訪れた時は現地の人と交流する機会が多かったこともあって、その場所でしか撮れないような強い写真を撮ることができたように思います。私のしたい旅が、より現地に溶け込むようなスタイルに変わっていった時期だったのですが、どれだけその地と深く関わるかで、撮れる写真や映像の強さが変わってくるんだと、Z 6IIが教えてくれました。好きなものや撮りたいものが変わっても、Z 6IIは寄り添ってくれます。
レンズを使い分けると表現の幅が広がる。そんな楽しさに気づいたのもZのおかげ
Zに出会ってから、いろいろなレンズを使い分けることによって、表現の幅が広がることも知りました。今よく愛用しているのは、Z 6IIを購入する際、一番使い勝手の良さそうなレンズを、と思って選んだNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sです。万能なズームレンズで、クライアントワークの物撮りから人物写真、旅先での撮影まで幅広く活用しています。いろいろな場所で、さまざまな被写体を撮影するのに便利なだけでなく、いつでも期待に応えてくれる高解像度!ボケ感もとても綺麗で、とっさに撮る1枚も素敵に仕上げてくれます。レンズは、その時々に選んで使っていますが、撮りたい被写体に対する表現の選択肢が増えて、より撮影が楽しくなります。
私にフィットした動画という表現方法
よりクリエイティブな表現ができる動画に夢中に
動画は、家族や友人と出かけた時の特別な瞬間を残したくて、気軽な気持ちで撮り始めましたが、その後、旅先の様子をショートムービーのように制作したりするようになりました。動画は1枚の写真だけでは表現できない前後のストーリーや、仕草や表情などの動きを伝えられるのが魅力。自分のアイデアやストーリーテリングの能力を活かし、より自分らしい表現ができることが楽しいです。
映像クリエイターとしての活動に力を入れていきたいと思ったのは、映像は環境音や音楽を組み合わせてメッセージを伝えることができたり、自分の視点を誰かに疑似体験してもらうことができたりするから。言葉での表現が苦手な私に合っていると思いました。構成や編集、音楽など、いくつかの要素を組み合わせるのでオリジナリティを出しやすく、編集次第でいくらでも創造的にしていくことが可能です。映像の美しさや表現力によって、人々の心を動かすことができる、素晴らしい表現手法だと思っています。
Z 6IIの高い表現力に、動画を撮りたい気持ちが刺激される
『simply staying at home』
初めてZ 6IIで動画を撮影した時、とても自然で柔らかい光を捉えてくれる綺麗な映像に感動しました。見たままのクセのない色のトーンで撮影できることも、目の前に起こる光景をリアルに残していきたい私にぴったり。我が家の猫の様子やおうち時間など、ちょっとした日常も、Z 6IIで撮ると大切な一瞬に生まれ変わった気持ちになります。
『Slow living in Kochi (summer to autumn)』
Z 6IIは、綺麗な光を捉えてくれるうえ、ボケ表現も美しくて、奥行きのある映像が撮れます。偶然見つけた場所や自分の心がときめいたモノなど、直感的にサッと撮ったシーンも高解像度で残っているので、何気なく振り返った時にも綺麗で見入ってしまいます。
この動画は、高知の自然の美しさと、そこで過ごす私の様子を映像にしたもの。レンズはNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを使用しましたが、レンズのボケ感がとても綺麗に表現できました。私から見える高知の自然もこのように輝いています。見たまま、思うままに撮影できたことがうれしかったです。
『KUROSHIO TOWN』
私は主に自然の美しさを伝えることをテーマにしていて、映像を通じて、身近にある自然の素晴らしさを多くの人に届けていきたいと思っています。朝の木漏れ日の中の草木と、雨上がりのしっとりとした草木では、同じ被写体でも光の当たり方や表情が違いますが、Z 6IIの描写力は、どんな状況下でも私がしたい表現を叶え、素敵に仕上げてくれます。
Z 6IIで撮る映像が、仕事の幅を広げてくれた
『LIFE IN KOCHI』
こう撮りたい!を簡単に叶えてくれる操作性の良さや、見たままのクセのない写りがZ 6IIの一番のお気に入りポイント。Z 6IIを手にしてからは映像クオリティが格段に向上しました。映像クリエイターとしての仕事を増やしている私にとって、Z 6IIの描写力の高さはとても心強いです。高知で撮影した作品『LIFE IN KOCHI』とともに「ニコンCP +2023」に出演させていただいたことも、貴重な経験になりました。
『NIYODO MOMENTS』
これまでにZ 6IIで撮った映像でもっとも自分らしい作品に仕上がったなと思うのは『NIYODO MOMENTS』。私の小さい頃の記憶が詰まった場所、自分のルーツがある高知県の自然と、私のおばあちゃんの過ごす愛おしい日常を収めた映像で、私にとってこの作品は宝物です。普段は映像の中に自分を入れるをことが多いのですが、この作品は自分の目で見て、感じたものだけを切り取ったもの。想いを込めた分、周りの反応も良く、多くの人の共感を得ることができました。また、高知に行ってみたいと思ってくれる人が増えて、実際に足を運んでくれた人もいたことに感激しました。
私は高知の地域おこしに貢献したい気持ちもあるので、自分のゆかりのある場所の魅力を、こういう美しい映像で発信できることがうれしいですね。友人に「AOIの映像を見ていると追体験している感覚になる、世間は美しくて、広いんだね」という言葉をもらったことがあり、とても幸せに思いました。周りの人たちがそういう価値を私の作品に見出してくれることが、モチベーションにもつながっています。
Z 6IIと私のステディな関係
どこへ行くにもZ 6IIと一緒
旅でも、日常でも、仕事の時も、いつもそばにあるNikon Z 6II。コロナ禍を一緒に乗り越え、二拠点生活をともに過ごすZ 6IIは、私のライフスタイルにいつも寄り添ってくれている存在です。ちょっとした朝の散歩もできるだけ持ち歩いていますし、車で出かける時ももちろん連れて行きます。知らない場所や初めての場所、この時間だったらこういう景色が見られるんじゃないかとか、この風が吹いていたらこの景色が見られるんじゃないかとか、Z 6IIで撮ることを想像しただけでワクワクしてきます。写真や映像があれば、自分がいた空間を改めて見返した時、その時の感情や、自分が過ごした時間を鮮明に思い出すことができます。同じ時へは戻れないからこそ、愛おしくてかけがえのないものになる。そういうことに気づかせてくれたのもZ 6IIです。
Zシリーズと描く未来予想図
心のときめきを切り取れるZの魅力をもっと伝えていきたい
これからは自分ひとりでの活動ではなく、もっとみんなでZシリーズを使って楽しむ機会を増やしていきたいと思っています。今は東京と高知の二拠点生活をしていますが、ライフスタイルにメリハリも出て、私にとっていい環境。この田舎の良さを伝えたいのもあるので、高知の自然の中で、みんなでフォトウォークをしてみたいですね。同じカメラを持って、同じ被写体を撮影して、ひとりひとりの視点の違いや感性を知る機会があれば楽しいなと思います。私はこれからも変わらずZシリーズで撮り続けていくと思いますが、私がこれだけ愛用していると、周りのカメラに興味のなかった友人たちも気になってきているようなので、Zシリーズをより多くの方に触れてみてもらえるきっかけをさまざまな形で作っていきたいと思いました。高知でいつかみんなでイベントをしてみたいです。
新たな相棒Z 8との出会い
Z 8との出会いは、製品のスペシャルコンテンツに起用していただいたことがきっかけです。もっと自分の理想の映像に近づけていくために、新しい装備を揃えていきたいなと思っていたところだったのですが、Z 8は1台でそれを叶えられることが魅力。よりシネマティックな映像を撮りたい、ひとつひとつのシーンを丁寧に写し出したい、映像のクオリティを上げていきたいと思っている私にとって、完璧なタイミングでZ 8に出会えたことに運命を感じています。
Z 8はハイクオリティな映像の美しさはもちろん、使い勝手の良さや細やかな機能も気に入りました。モニターを縦動画用に切り替えられるのはとても便利ですし、レンズ交換もセンサーシールドがあるので、砂漠へ行っても安心。普段愛用しているZ 6IIと比べても違和感のないサイズ感と重さで、グリップ部分もしっかりしているので持ちやすく、バランスも安定していて、片手で持ち歩けるので、いつも身軽でいたい私にぴったりです。
旅先ではノーメイクで過ごすこともあるので、美肌機能や人物印象調整によってナチュラルな肌感に調整してくれるのもうれしいですね。素敵な場所で記念写真を撮りたい時も、この機能はありがたいです。美肌になるといっても、あくまでも自然で、静止画と動画どちらにも使えることもグッドポイント。
Z 8は圧倒的な表現力で、私の想像をカタチにしてくれた
『SECOND NATURE』
Z 8を使って、沖縄を舞台にストーリームービーを制作。生命の誕生を感じる海でのシーンから始まり、自然の中で出会う光景や、美しい地球上で時間を共有している人や生物にフォーカスを当てました。自分もかけがえのない自然の一つであるという気づき。その気づきが幸せへとつながっていく、という日頃感じている想いを表現したもので、イメージ通りに撮影することができたと思います。想像がカタチになった瞬間はクリエイターにとって、何よりもうれしいことです。
ロケ地が沖縄に決まってから、撮影イメージのコンテを作成し、アドバイザーとしてご協力いただくフォトグラファー・映像作家の上田晃司さんと打ち合わせして、アドバイスをもらいながら撮影。水中のシーンでは、上田さんがハウジングを用意してくださり、一緒に潜りながら撮ったのも良い思い出です。私が映像の表現をもっと豊かにしていくためには、撮影のノウハウをアップデートすることが必要だと感じていたので、とてもいい経験になりました。
Z 8と一緒に、自分が目にした光景を未来へ美しく残していきたい
最近は植物の繊維の一つひとつや、生き物の姿形にインスピレーションを得ることが多いのですが、Z 8に出会ってさらに、繊細な描写で自然を表現していきたいと思うようになりました。自分が目にした光景を何年も先の未来へ残していきたいと、これまでも思っていましたが、Z 8の8Kクオリティを知ってしまい、より綺麗な映像、高クオリティで残していきたい!このカメラで撮影しなきゃもったいない!と強く思うように。8Kのシネマティック映像へチャレンジし、さらなる映像クオリティを求めて、日々撮り溜めています。
Z 8で撮影すれば、映像の美しさは間違いないので、より自分の作りたいこと、撮影したいことに集中できると感じています。だから私は映像内で、もっとオリジナリティを追求したり、ストーリー性をより持たせたり、作家性を高めることに力を入れていきたいです。
これからも変わらずZを相棒に、よりクリエイティブな映像作品を創造し、さらに活動の幅を広げられたらなと思っています。