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ありえないゾーン/夏南の法則Vol.138

大屋夏南<連載コラム>第2月曜日更新
モデルの大屋夏南が
ありのままに自由でいるための
カナ的イズムを書き綴る♡

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ありえないゾーン/夏南の法則Vol.138

10月に入りましたね。

今年もあと残すところ約3ヶ月。2024年もあっという間でびっくりしています。

先月、遅めの夏休みを取って5週間で3カ国を回る旅に行ってきました。今回の旅で一番長く時間を過ごしたのはアメリカ。LAからスタートしてフェニックスまで2週間のロードトリップをし、フェニックスからポートランドまでは飛行機に乗って、現地で1週間過ごしました。

ここのところは夫の実家であるシドニーや日本から近いアジア、ヨーロッパなどに行く機会が多く、アメリカからは足が遠のいていましたが、約6年ぶりのアメリカでは少々のカルチャーショックを受け、自分の"当たり前”や"常識”なんて世界という大海原に出たら取るに足らないものである、と久しぶりに感じられてとても良かったです。

アメリカにいる間は何度も「そうだったそうだった、ニュートラルなマインドで目の前で起きていることに対応していくのだ」と自分のマインドを省みる作業を繰り返しました。

いつも同じようなところで同じような人とばかりといると、相手も同じ常識や価値観を持っていたり、既にそれらを共有するステップを済ませていたりすることが多く、自分の生活習慣や職種などによって受けた影響による"好ましい状態”までもがその分類に入ってしまうケースが増えます。

そして、これを多かれ少なかれ「どんな人にも尊重してもらえる」という"期待”が日常生活で多くの摩擦を生む原因となります。自分の思う「ありえない!」ことが、ある人にとっては「全く問題ない」ことでありうるという概念自体が存在せず、全人類が自分と同じ価値観や常識を持っているという思い込みが強ければ強いほど、自分の世界が小さく小さくなって生きづらくなっていく。

特に最近はSNS上で現実世界では交わることのないような他人にまで自分と同じ価値観を強要している人が増えていて、それは発信の場を単調で退屈なものにさせている気がします。

自分でも気づかないうちに高まっていてしまうこの"期待”を認識したり手放したりするのに、多人種、多文化のアメリカはピッタリでした。いつもと違う環境に身を置いたり、違う文化に触れたり、考え方の違う人たちと交わったりすると「そういう考え方もあるんだ」とか、「そういう価値観もあるんだ」と新しい風が入り込んでくる。

たとえ同意や賛同には至らなかったとしてもその存在を認識し、1つの意見として受け入れていくと、どんどん自分の中の"ありえないゾーン”が狭まり、どうでもいいことに気を揉む回数が減って、人生がもっと楽しくなります。

自分の常識や価値観は他人を測る物差しではなく、自分の人生を送る上で重要な指針。それを自分のライフスタイルやライフステージに合わせて育てていける自分でありたいものです。

今回の旅で起こったアップデートは、きっとこの先また私を成長させてくれるんだと思います。

素敵な1ヶ月でありますように♡

プロフィール

大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。

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