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【写真家が撮る 愛しの我が子:7】高野友也

写真を撮ることを生業とする写真家が、もっとも近くにいる存在である「我が子」にカメラを向ける時。どんな衝動にかられ、どんな想いでシャッターを切るのか?まさに撮らずにはいられなかったその瞬間の写真を、7名の写真家に見せていただきました。
第6回は、フォトグラファーの高野友也さんです。

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高野友也

フォトグラファー 1980年生まれ、群馬県出身。高校卒業後、父親が使っていたニコンのカメラをもらったことをきっかけに写真に目覚めフォトグラファーになることを決意。スタジオに2年勤務したのち曽根将樹氏に師事。2008年に独立し、主に雑誌、ファッションブランドのカタログ、広告等人物撮影を中心に活動。2022年に14年間所属していた事務所から独立し現在に至る。
愛用カメラ:Leica M10、Hasselblad X2D 100C、FUJIFILM GFX100S
愛用レンズ:Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 II、Hasselblad XCD 4/45P、フジノンレンズGF110mm F2

脳内でもシャッターを切っているのかも

「お祭りに行く前から『わたあめ食べたい』と言っていた娘。ようやく買ってもらえ大満足でわたあめを食べるふとした瞬間の写真。美味しいと言ってすごく喜んだ後のなんとも言えないキラキラした目に惹かれてシャッターを押しました」。

「竹富島の海を目の前にワクワクとちょっと怖い気持ちの間で葛藤し、母親に助けを求めている後ろ姿が可愛すぎました。まさに背中で語るとはこういうことだと思いました」。

「今年の元旦に地元・桐生市の神社に初詣。私にあっちでもこっちでもと何枚も写真を撮られ飽きてしまい『もう帰ろうよ』と拗ねている表情が可愛すぎて」。

「飛行機好きの娘さん。早朝空港に着いて搭乗待ちの時間に満足いくまで飛行機を眺めていました。そして旅をする時は絶対一緒のレッサーパンダちゃんも一緒に。そんな可愛いがいっぱいの瞬間を撮られずにはいられませんでした」。

今しかない一瞬、どんなひと時をも忘れたくない

「生まれる直前に難病が発覚し、出産後すぐに手術をしなければ生きられないかもしれないと先生に言われました。その後、無事に産まれ手術も成功した時に"この奇跡をずっと忘れたくない"と思い子供を撮る専用カメラとしてLeica M10を買いました。不思議なもので、私はカメラを覗いてシャッターボタンを押している時の方が思い出も鮮明なんです。脳内でもシャッターを切っているのかもしれません。だから娘と出かける時には鮮明に思い出を残したい一心で我が子を撮っている気がします。ヤンチャすぎる娘の今しかない一瞬、どんなひと時をも忘れたくないんです。我が子フィルターがかかっているのでたとえ目を瞑っていても私にとっては魅力的です」。

高野友也(@tomoya_takano) Instagram
きなりん成長日記(@kinarin0702) Instagram

GENIC vol.66【写真家が撮る 愛しの我が子】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.66

GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。

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