zookomi
東北のフォトグラファー 宮城県出身。ストリートスナップを撮影したのが始まり。コロナ禍となったタイミングで地元の自然の写真を残したくなり、宮城県を中心に東北の自然・街・文化を中心に撮影するように。カメラ歴は5年。ブログ(zoo-lens.com)では、撮影テクニックをレクチャー中。ポートフォリオサイト(www.zookomi-photogallery.com)も必見。
愛用カメラ:Sony α7 IV
愛用レンズ:FE24-70mmF2.8GM II、FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
東北の四季折々
東北に住んでいる人間だからこそ伝えられる魅力があると思う
宮城県の牡鹿半島。「白い道の先にある海、そこに流れる物語感を出したくて、海に繋がるような構図にしました。ストーリー感を大切にしながら、違う国に来たかのような非現実感を出せたらと。赤い服の女性と海のコントラスト、そして白い道の魅力が最大限に発揮されたワンシーン」。
zookomiさんが風景などを本格的に撮影し始めたのは、コロナ禍によって人との接触を制限されたことがきっかけ。
「せっかく東北にいるので、その魅力を発信しようと始めました。自分の写真を見て"東北に来てもらう"のが最終的なゴールだと思っています。そのためには、東北の魅力を最大限に伝えることが必要。東北にはまだ知られていない絶景や文化がたくさんあるので、それらを自分なりの視点で伝えることを大切にしています。自分らしい表現というと難しいですが、少しの非日常感を入れ込むことを意識するようにしています」。
福島県の会津東山温泉、向瀧。「雪見ろうそくというイベントで、趣のある建物とろうそくの幻想的な世界を引き出したいと思い撮影」。
福島県只見町。「雪がたくさんついた枝が額縁のように線路を取り囲んでいる様子を切り取りました。冬の幻想的な空気と、そこに住む人々の生活の厳しさを伝えることはできないかと考えました」。
東北に住んでいる人間だからこそ伝えられる魅力があると思う
福島県の鶴ヶ城。「桜に囲まれるお城が日本っぽいと思い、桜を額縁にして撮影。夕方の光の当たり方が素晴らしく、魅力が最大限に出ていると感じてシャッターを切りました」。
「東北の写真を撮る理由は、"住んでいるから"。住んでいる人間だからこそ伝えられる魅力があると思うんです。より魅力的に撮るために大事なのは、その土地の文化や歴史を少しでもいいから学ぶ、ということ。人との交流もとても大切だと思います。写真を撮り続けていくことで、たくさんの人との繋がりができました。今は撮ること自体が楽しいですが、誰も挑戦したことのなさそうな構図で撮れたときは、嬉しさも倍増。私の写真を見て、その場所に"行ってみたいな"と思ってもらえたらいいですね。また、自分の作品の被写体にはパワーがあるものが多いように感じているので、作品を見ていただいている人に、できるだけそのパワーが伝わればと思っています。写真を撮り、誰かに喜んでもらえる。自分の心に正直に活動できるのが理想です」。
宮城県の長老神社。「階段の奥には何があるのだろうというワクワク感や神秘的な空気感をイメージして、紅葉の最盛期に撮影。奥に伸びる階段に視線がいくような構図にし、階段の長さからくる迫力を意識しました」。
岩手県遠野市の荒神神社。「田んぼの真ん中に立つ神社の神秘的な雰囲気を引き出したいと思い撮影。逆光でしたが、茅葺き屋根の神社に当たる光の美しさや周りの稲を全面に写したくてこの構図になりました。ドラマチックな光が当たる刈り取り前の稲は、美しい日本の原風景です」。
GENIC vol.66【伝えたいニッポンの風景】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC vol.66
GENIC4月号のテーマは「撮らずにはいられない」。
撮らずにはいられないものがある。なぜ? 答えはきっと単純。それが好きで好きで好きだから。“好き”という気持ちは、あたたかくて、美しくて、力強い。だからその写真は、誰かのことも前向きにできるパワーを持っています。こぼれる愛を大切に、自分らしい表現を。