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いきなり住むのは不安?なら旅以上移住未満の「プレ移住」を/伊佐知美の「旅するように移住」Vol.6

様々な移住者にインタビューした『移住女子』の著者であり、自身も現在、沖縄・読谷村に移住中の伊佐知美が送る連載コラム。移住に向いてる人、向いてない人、お金や仕事のことなど、気になる話を15回にわたってお届けします。
「"いま"この街で暮らしている意味って、なんだろう?」そんな疑問を持っている方の背中をポンッと押す、“最新の移住”コラム。
第6回は、プレ移住向きのおすすめサービスを紹介します。

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連載コラム:伊佐知美の「旅するように移住」

目次ページはこちらです。

いきなり住むのは不安?なら旅以上移住未満の「プレ移住」を/伊佐知美の「旅するように移住」Vol.6

移住に興味はあるけれど、今すぐに部屋を解約して移住して新しい環境に飛び込むのって、やっぱり不安。

だって移住って、転居や準備、費用や人間関係など、変化がたくさん起こるから。

できることなら、数日〜数週間の「移住トライアル」みたいなことがしてみたい。そうしたら、移住先が自分に合っているのか試せるのに。そんなわがまま、難しいかな。

……と思う方、それ、最近意外とリーズナブルかつ気軽に実現できるので、よかったらやってみませんか? というカジュアルな誘いが今回のテーマです。

移住の一歩目が試せる「移住トライアル」=「プレ移住」

「プレ移住」とは、いわば移住のトライアル。移住前に、お試し期間を自主的に設けることだ。

一昔前なら、移住のトライアルをするといえば、少し長めの旅行をする、または親戚や知人の家に短期間ステイさせてもらう、などが取り得る手段だった(だって連泊って費用がかかるからね! 費用はいくらかかってもいいぞ、という人はまた違う話になりますが……)。

けれど、最近は世の中にリモートワークやワーケーションという概念が普及したことにより、プレ移住として利用しやすい、「住まいのサブスク」とも呼ばれる多拠点居住関連のサービスや、短期から契約OK・スマホ完結型の賃貸サービスが格段に充実してきた。

これらのサービスをうまく利用すれば、希望の移住先が決まっている人はもちろん、エリアがまだ決まっていないから、複数のエリアでプレ移住して、自分に合う土地を見極めたいという人も、効率的に移動ができる。

実際に私も、沖縄県内で移住先を探す時に、短期間の賃貸サービスと、定額制宿泊サービスの「HafH(ハフ)」の拠点を利用し、沖縄県内の複数エリアでプレ移住してから本格移住を決めた。

「HafH」を含め、プレ移住向きのオススメサービスは現在複数あり、それぞれ提供内容やコンセプトが少しずつ違うので、以下でいくつか紹介したい。

定額制宿泊サービス「HafH(ハフ)」

日本全国はもちろんのこと、世界36の国と地域、512都市にある800ヶ所以上の拠点に、毎月定額で宿泊できる旅のサブスクサービスが「HafH」だ。

HafHの特徴は、利用者の希望する月あたりの宿泊数に合わせて、プランや費用が5種類から選べるところ。

[1]ライト(最大1泊)2,980円
[2]スタンダード(最大3泊)9,800円
[3]スタンダードプラス(最大5泊)15,800円
[4]プレミアム(最大10泊)30,800円
[5]プレミアムプラス(上限なし)82,000円
※金額は1ヶ月あたり

個人的に、プレ移住にオススメのプランは、[3]か[4]。1ヶ月あたり5泊〜10泊程度を目安に、日本全国のHafH提携宿から、移住希望先に近い宿を探して、気が向くままステイすることができる。

10日間同じ場所に滞在してもいいし、週末ごとにエリアを変えて、土日の2泊×4エリア=8泊滞在するのもいい。

部屋はドミトリーが基本だが、個室が選べる拠点なら、HafHの独自通貨「HafHコイン」を利用して、個室にアップグレードすることも可能。

ちなみに全拠点Wi-Fi完備。水道光熱費も利用料に含まれる。

多拠点生活プラットフォーム「ADDress(アドレス)」

「好きな時に、好きな場所で、好きな暮らしを」をコンセプトに掲げるADDress。月額44,000円で会員になると、日本全国180ヶ所以上のADDress拠点に滞在できるようになる。

ADDressの特徴は、サービスコンセプトに「空き家問題の解消」があるため、状態のよい空き家や別荘をリノベーションした拠点が多いこと。たとえば海が目の前の元民宿や、森の中の古民家、情緒あるローカル商店街の中心に位置する一軒家など、いわゆるホテルステイではない立地・雰囲気の拠点で、プレ移住体験ができるのだ。

また、すべての拠点に、地域に根ざした暮らしを送っている「家守(やもり)」というコミュニティマネージャーがいるため、滞在中にローカル情報や、移住した場合のリアルなアドバイスなどが聞ける可能性が高いのもポイント。

同じ宿の連続予約は、最長7日間(ただし、一定の条件を満たせば14日間まで延長可能)。基本は個室提供で、契約者が同伴すれば、二親等内、婚姻関係(両親・夫・妻・子供、兄弟姉妹、祖父母、孫)または固定のパートナー1名が、追加費用なしで同室を利用することができる。

こちらも全拠点Wi-Fi完備で、水道光熱費などが月額料金に含まれる。

1ヶ月から住める家具家電付き賃貸サービス「NOW ROOM」

日本全国、25万室以上の部屋を、1ヶ月単位で賃貸契約して利用できるサービスが「NOW ROOM」。

1ヶ月から住める、と謳ってはいるが、基本が1ヶ月ということで、部屋によっては最短7泊8日から滞在プランが選べる。

金額はエリアや部屋によってまちまちだが、たとえば北海道・札幌の人気エリアである円山公園近くの1Rが月額72,000円、長野・白馬の自然豊かな場所に位置する1Rが月額50,000円、福岡市内の便利な立地の3LDKが週39,000円などで契約できる。

敷金・礼金は必要なく、契約はウェブまたはアプリで完結、支払いはクレジットカード決済が可能。賃料には、水道光熱費、Wi-Fi費用、管理費が含まれており、そのほか発生する費用は、退去時の清掃料5,000円のみ(ただし、滞在期間が1年など長期にわたる場合は別途発生の可能性がある)。

HafHやADDressと違って、最短契約期間が7泊8日のため、複数エリアのプレ移住を希望する場合は向かないかもしれないが、「ここ!」という移住希望先が決まっている人にはよさそうだ。

ホテルの長期ステイプランや、自治体の移住お試し施設の利用も

そのほかにも、まだまだプレ移住向きのサービスはある。たとえば……。

・27都道府県39拠点に15,000円〜泊まり放題の、「Hostel Life」が提供する「ホステルパス」

・最短1ヶ月から契約可能、外泊日は部屋がホテルとして貸出されるため、その分家賃が安くなる「リレント」という仕組みを利用した、敷金・礼金・更新料・退去費用0円の住居サービス「unito(ユニット)」

・ホテルやゲストハウスのロングステイプラン利用
例)
沖縄「AIEN COFFEE & HOSTEL」の「ロングステイプラン」ドミトリー・7泊8日14,000円

京都「Len Kyoto Kawaramachi」のWeekly宿泊プラン、ワーケーションシングルルーム・7泊8日 17,500円

「コスタビスタ沖縄 ホテル&スパ」の「ワーケーション・長期滞在ステイ」素泊まり・展望浴場フリーパス付き 1泊5,000円(2名1室、1名料金、7泊8日以上)

・自治体が移住希望者向けに提供している「お試し移住施設」の利用
例)北海道上川町「上川町移住体験住宅」(1日2,000円)、青森県十和田市「十和田市移住お試し住宅」(1日400円)

番外編として、車中泊仕様のカーシェアリングサービス「Carstay(カーステイ)」を利用して、プレ移住をバンライフで実施することもできる、なんてのも。

と、このようにたくさんプレ移住にオススメの方法はあるのだが、すべて紹介していると、キリがないので今回はこの辺にしたいと思う……!

とにかく、移住をあまり大仰に考えすぎず、気軽に体験できる「プレ移住」という概念があり、しかもリーズナブルに実現できる方法が増えているんだよ、ということがお伝えできていたら幸いです。ではっ、また次回〜!

伊佐知美

これからの暮らしを考える『灯台もと暮らし』創刊編集長。日本一周、世界二周、語学留学しながらの多拠点居住など「旅×仕事」の移動暮らしを経て沖縄・読谷村に移住。移住体験者の声をまとめた『移住女子』の著者でもある。

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