【龍崎翔子のクリップボード Vol.20】セクシーなウィンターリゾート

龍崎翔子<連載コラム>

龍崎翔子<連載コラム>第1・第3木曜日更新
23歳にして5つのホテルを経営する
ホテルプロデューサー龍崎翔子が
ホテルの構想へ着地するまでを公開!

【龍崎翔子のクリップボード Vol.20】セクシーなウィンターリゾート

リゾートといえば、ビーチにプールサイド、水着の上にサマーワンピースを羽織って、太陽の下で過ごすイメージ、と思って今まで生きてきた。
夏はリゾートの王様。
ゴージャスなリゾートは、たいてい赤道の近くにある。

ところがある時から、なぜ世の中に冬のリゾートがあまりないのだろうとふと不思議に思った。夏にサーフィンやヨガ、プールサイドの読書をするような感覚で冬に遊べる場所、日本では全く心当たりがない。スノボをしに雪山に行けば、山小屋か鄙びた観光ホテルばかり。

北海道の富良野スキー場の近くで小さなペンションをやっている身として、日本にセクシーなウィンターリゾートを作らないわけにはいかない。

ペンションや古いホテルの昔懐かしい感じは大好きだけど、日本にそんなホテルは正直ありあまってる。雪でべちょべちょになった絨毯や、ガスの匂いが充満した部屋や、薄暗いスキー乾燥室とはおさらばだ。

ちょっとした不便や不快感を我慢するホテル体験じゃなくて、cozyでhyggeな旅。
そう決意した私は、世界中のウィンターリゾートを巡る旅に出るのをライフワークにしている。この夏は、アルゼンチンにスノボをしに行った。

日本は真夏でも、アンデス山脈の麓、ラスレーニャススキー場は冬真っ盛り。スキー場の外にペンションが立ち並ぶ日本とは違い、スキー場の中にホテルやバーが散在している。麓はEDMが大音量で流れ、雪の中のテラス席でみなくつろいでいる。あちこちにある感じのいいレストランでは美味しいビールを出しているので、寒くても楽しめるのかもしれない。

私が泊まったホテルは、スキー場の目の前に温水プールとジャグジーがあって、いつも日が暮れる前に滑るのを切り上げて速攻で水着に着替えてプールに飛び込んでいた。
外は零下、湯気が立ち昇るプールに浸かりながら、目の前を颯爽と滑っていくスキーヤーたちを眺める最高の時間。遠くには雪を頂いた山並みが見える。

北海道は毎年東南アジアから、たくさんのゲストが雪を見るために訪れる。
私たちにとって当たり前の、凍える寒さや雪の表情すらも、観光資源に変わる可能性を秘めている。寒い冬にぬくぬく部屋で過ごすのも最高だけど、冬だからこそ出かけたい旅先をもっと世の中に増やしていきたい。

北海道にセクシーなウィンターリゾートを作るために、私はこの冬も旅に出る。

【龍崎翔子のクリップボード】バックナンバー

Vol.19 深夜のアメリカンダイナー
Vol.18 ニューエイジの産後ケア

龍崎翔子

2015年、大学1年生の頃に母とL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を立ち上げる。「ソーシャルホテル」をコンセプトに、北海道・富良野に『petit-hotel #MELON』をはじめとし、大阪・弁天町に『HOTEL SHE, OSAKA』、北海道・層雲峡で『HOTEL KUMOI』など、全国で計5軒をプロデュース。京都・九条にある『HOTEL SHE, KYOTO』はコンセプトを一新し、3月21日にリニューアルオープン。

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