森屋憲
会社員 1981年生まれ、山梨県出身。都内在住。旅をする職業柄、“旅の思い出を綺麗に写真で残したい”と思ったことがきっかけで、2018年より本格的な一眼レフカメラを購入し趣味写真を始める。コロナ禍で太陽と月の位置を独学で学ぶ。日の出日の入り、月の出月の入りの幻想的な自然現象に魅了され、都内の観光名所と組合わせて撮影することにハマる。現在は、大好きな東京タワー、東京スカイツリー、富士山をメインに撮影し、太陽や月が大きく見える、超望遠レンズの圧縮効果の世界を作品にしている。〈主な受賞歴〉東京カメラ部2022写真コンテスト Instagram部門(3×3)受賞、東京都・公益財団法人東京観光財団 × 東京カメラ部「Dreaming of Tokyo 〜あなたが夢中になる東京〜」フォトコンテスト My Best Tokyo受賞。
愛用カメラ:Canon EOS R5、Canon EOS R6
愛用レンズ:RF400mm F2.8L IS USM、EF70-200mm F2.8L IS III USM、EF24-105mm F4L IS USM
Q.望遠レンズを使った圧縮効果ってどんなもの?
A.遠近感が少なくなり、奥の被写体と手前の被写体が重なって見えるような現象のこと!
望遠にすればするほど圧縮効果が高くなる
「圧縮効果とは、望遠レンズを使用したときに、近景と遠景とが重なって、写真に写る景色の距離感が短くなり、被写体同士がギュッと密集して見える効果・現象のことです。望遠にすればするほど強い圧縮効果が得られるので、遠くから狙うほど、手前の被写体と奥の被写体の距離が縮まって見えます。月はどんな場所に行っても大きさは変わらないため、手前に置きたい被写体からいかに離れたところから撮るかで、写真上でどれだけ月を大きく見せられるかが決まります」。
主題に対して適切な場所選びが重要
「例えば、月と東京スカイツリーを撮るなら、近い方の被写体である東京スカイツリーから数キロ離れたくらいの場所から撮るのがベスト。月と絡める方位角・時間などを確認して場所を決定して」。
おすすめアプリ
月のアプリ
「『日の出月の入』というアプリで月の出入り時間をチェック。撮影のベスト時間の目安がつきます」。
星のアプリ
「『Interval Book』は、月・太陽の多重露光撮影のシミュレーションが可能。焦点距離も出してくれるのでレンズ選びの参考にも」。
地図アプリ
「『Googleマップ』のストリートビューで、そこから主題の被写体がどう見えるかを確認。河川敷や、高台などがおすすめです」。
天気アプリ
「『Windy.com』で撮影日の月の出月の入りの方向に雲がないかを確認。さらに空が映っているライブカメラ映像を参考にして撮影地へ」。
おすすめの機材
カメラ&レンズ
「僕は、メインはEOS R5 × RF400mm F2.8L IS USMで、焦点距離を2倍に伸ばすEXTENDER RF2.0x(800mm)を装着して撮っています。EOS R5はAPS-Cサイズにクロップできる設定があり、焦点距離が1.6倍になってズーム効果が得られるというメリットがあります。クロップしても高画素で、いつも助けてもらっているカメラです。サブ機は EOS R6 × EF70-200mm F2.8L IS III USM。高感度耐性がありISOを上げてもノイズが出にくいので、夜の撮影のときに非常に安心です」。
その他の機材
「超望遠レンズはシャッターひとつでもブレやすいのでレリーズがマスト。三脚はGitzoのシステマチック三脚5型3段に、Manfrottoのギア付き雲台 - 400を組み合わせ、安定した撮影を心がけています。あとは、KANIのスターシャインフィルター -Shimada Model- Sharp 8#21。塔の灯りなどを8本光条にキラッとしてくれるアイテムです」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】森屋憲/Q.望遠レンズを使った圧縮効果ってどんなもの?
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。