Akine Coco
写真家 福井県出身。2019年6月頃から本格的に写真を撮り始める。田舎の写真をアニメのワンシーンのように仕上げた写真が人気。Twitterのフォロワー数は36万人、インスタは4万人。2021年4月、ジュンク堂書店 池袋本店にてYOASOBIのビジュアルを手掛ける古塔つみと「古塔つみ・Akine Coco作品展」を開催。著書に『アニメのワンシーンのように。』（芸術新聞社）。
愛用カメラ：Sony α7R III
愛用レンズ：Sony FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS/FE 24- 70mm F2.8 GM、Voigtlander HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical
Q.アニメのワンシーンのような1枚を撮るには？
A.その場に登場人物がいるかのような気配を感じながら撮影し、仕上げで美しく見える比率に調整
「福井県福井市で、夕暮れの空に浮かぶ雲がまるで動物のようで印象的でした。畑が2色に分かれ、その奥に大きな動物のような雲が待ち構えているような構図で撮影しました」。
見慣れた景色にも心くすぐるものがある
「福井県福井市にて。まるで千と千尋の神隠しのワンシーンのような雰囲気を感じました。雨上がりに出来た水たまりを利用してリフレクション写真を撮影。中心に電車、それを青空が囲むような構図を狙いました」。
“アニメのような写真”を撮影すること、作品に仕上げることの魅力は？「普段何気なく見ているものや景色も、少し見方を変えるだけで心くすぐるものがあり、そこに楽しさというか、愛おしさのようなものを感じます。撮りたいもの、見せたいものはなにか？目の前に広がる風景の中で、これだという被写体を決めて撮影することが大事。仕上げる際に上下左右のバランス、美しく見える比率を意識してトリミングすると、アニメのワンシーンっぽさが出ると思います」。
【Point 01】構図
「同じシーンでも、しゃがんでローアングルで撮ってみたり、広角で撮ったり、離れて望遠で撮ったり、いろいろ試しています。まるでその場に登場人物がいるかのような気配を感じながら撮影するように心がけています」。
【Point 02】カメラ&レンズ
「常にカメラを持ち歩いているのですが、シャッターチャンスを逃したくないため、広角から望遠まで幅広く撮れる24-240mmの望遠レンズをメインで装着しています。風景など余裕をもって撮れる場面では、F24-70mmの標準ズームレンズを使用したり超広角レンズで撮ることも」。
【Point 03】編集
「普段Lightroomを使用し、撮影後の調整でハイライトを弱めにするなど、自分らしい作風に仕上げています。まずは基本のプリセットを作成し、その時のシーズンや時間帯に合わせて変化をつけるようにします。空や人、影の部分など、何を見せたいかを意識し、部分補正を多く利用し調整します」。
「岐阜県白川村で見たカカシが印象的でアニメのワンシーンを感じました。奥の合掌造りが位置も含め魅力的であったため、絞って鮮明に写るよう撮影。カカシが出迎えてくれるような構図を狙いました」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】Akine Coco／Q.アニメのワンシーンのような1枚を撮るには？
Edit：Megumi Toyosawa
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ～撮影と表現のQ＆A～」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ！
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。
