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【大切な「あの人」のすがお:3】見津 賢

クリエイター5名が撮る「大切な人」。心の奥までのぞいたような表情や姿、関係が深いからこそ捉えることができる空気感がそこにはあります。彼らのカメラだけに写る、かけがえのない人の「すがお」をお届けします。
3人目は、フォトグラファーとしての才能も注目を集める次世代俳優、見津 賢さんです。

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見津 賢

俳優 1996年生まれ、神奈川県出身。大学在学中に始めたモデル活動をきっかけに、芸能界へ。現在は役者としても活動し、CMやドラマ、映画などに出演。趣味は純喫茶巡り、ギターなど。
愛用カメラ:RICOH GR1v、Nikon New FM2、Hasselblad 500C/M、RICOH GRIII
愛用レンズ:NIKKOR 75-300mm F4、CarlZeiss Planar 80mm F2.8

二人の祖母

「一昨年の夏明けに、父方と母方の祖母が夕焼けを眺めているところ。頻繁に会わなくても昔からよくしゃべる二人の程よい距離感が、逆光で美しく写し出された後ろ姿に表れている気がします」。

「母方の祖母、クニ子。実家のすぐ近くに住んでいて、子供の頃、両親が仕事の時はいつも祖母が家にいました。祖母の作るカレーは、とにかく絶品。もくもくと料理をする姿は、まさに祖母の日常です。カメラを向けても気にしないので、僕も他愛もない会話をしながらシャッターを切る瞬間を見計らいます」。

時間が経っても色あせない思い出を、写真という形で残したい

「家族の撮影では、二人の祖母ばかりを撮っています。実は祖父のことも撮りたかったのですが、そう思った時にはもう亡くなっていました。祖父の写真を自分の手で残しておけばよかったと後悔した反面、祖母を積極的に撮影しています。陰影的な写真を好む僕としては、おじいちゃんおばあちゃんのシワに魅力を感じ、お年寄りを撮ることが好き、という理由もあります。ここで紹介する写真は、すべて祖母たちが僕の実家に滞在した際に撮影したもの。いつもと違う空間に慣れないぎこちない姿が愛おしく、思わず撮りました」。

「何かあるとすぐにメモに残します。あえて被写体をアンダーにして、書き物に集中している姿を撮影。
茶道やクラシックバレエをやっていたからか、何をするにも上品な父方の祖母、のぶ。恥ずかしがり屋なので、いかに自然な瞬間を撮るか、が撮影の醍醐味です」。

「散歩帰りに珍しい鳥を見つけて、呼びかけている祖母」。

ファインダー越しに普段とは違う表情が見えると、目を合わせる以上に通じ合えた気がする

「僕にとって“大切な人を撮ること”とは、その人との思い出を残すこと。どれだけ時間が経っても、見返した時にその当時と同じ温度で思い返せる一枚を残したいと思っています。人物撮影は技術以上に、被写体との関係性や心の距離感が写真に表れます。相手の意思を尊重しながら、僕が見たありのままの姿や、その人の素直な反応を撮ることを心がけています。ファインダーから覗いた時に、普段とは違った表情が垣間見えると、目を合わせること以上に通じ合えた気になってうれしくなります。自然な瞬間のほかに、今後はポートレートとしてきちんと祖母を撮ってみたいです。ちょっとカッコつけたおばあちゃんとか、愛おしいですよね」。

「誰も起きていない早朝は、祖母の”素”の姿を捉えるのに狙い目の時間帯」。

見津賢 Instagram
見津賢 Instagram(純喫茶備忘録)

GENIC vol.62 【大切な「あの人」のすがお】
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

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