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プロフィール

澤村洋兵
フォトグラファー 1985年生まれ、京都府出身。バンドマンとして青春時代を過ごし、その後は美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士などさまざまな職業を経験してきた異色のフォトグラファー。それぞれで培った感性を活かした写真は人物、風景、スナップなどバリエーション豊か。本人のライフスタイルの中にある瞬間を自分の色にして表現している。オンラインサロン「写真喫茶エス」主宰。
愛用カメラ:Nikon Zf、Nikon Z5、Leica M10
愛用レンズ:NIKKOR Z 40mm f2、NIKKOR Z 24-70 f2.8S、Summicron 35mm f2 ASPH.
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Q. 顔をアップで撮る際に、どんな光を選んだらいい?
A. 自然光でもライティングを組むときでも、半順光くらいが好みです
光とモデルが存在すれば、どこででも絵画的に撮れるのがアップ写真の魅力。でもだからこそ、深い作品性を入れるのが難しい奥深いもの


「個人的な意見であることと、撮影の内容にもよりますが、自然光もライティングを組む際も半順光ぐらいを好みます。アップで撮る場合、どうしても肌や髪など質感に目がいきやすくなるため、質感が綺麗に捉えられる光を求めることが多いです。そのため、基本的に逆光は避けるようにしていますが、もちろん場合によってはアリなので、やはり現場での判断が重要。半順光の場合ですが、特に好みなのは背景が暗めのポジション。モデルさんが際立って印象的になりやすいから。あえて手前に何かを置いて顔に影を落とし込むのも面白いです。また、アップで気をつけるのは切り取り方。いわゆる首切りにならないように肩や鎖骨はギリギリでも入れるとか、綺麗に入れすぎて証明写真みたいにならないようにとか、気をつけています」。
肌や髪の質感を引き立てる光だけでなく、画角や細かな編集も大切


「あとは編集もいつも以上に念入りに細かく確認します。レンズは50mm以上で撮ることがほとんどです。歪みがないように撮りたいから。実際に自分が見ている美しい景色を表現したい気持ちがあるので、リアルさを残したいんです。アップの場合は空間や時間を切り取るというよりも、美しさを部分的に切り取るイメージなので、より50mm以上が多いです。アップの写真ってある意味簡単に絵画的な作品作りができるところが魅力。だって究極を言うと、いい感じの光があってモデルさんがいればどこでも撮れるから。ただ、それは撮れてるだけでそこにオリジナリティや深い作品性を入れ込むのは逆に難しいんですよね。なので最近はアップって難しくて奥が深いなと思って、撮る量が正直減りました(笑)。ただ、結局写真で簡単なものなんてないんです。だから楽しいんですよね」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 顔をアップで撮る際に、どんな光を選んだらいい?
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.73

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