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ずっと知りたかった「あの写真の秘密」第3回:小春ハルカ/Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W) N

写真表現のかなめともいえる大事な要素が「光」。その光を味方にして、思い描く表現を叶えるのが「レンズフィルター」です。写真や動画に一瞬で魅力を加えることができるレンズフィルターは、実は多くのフォトグラファーやクリエイターが愛用するアイテム。本連載では、Kenkoのレンズフィルターを用いて撮影した作品とともに、彼らがレンズフィルターを使う理由を紹介します。

第3回は、フォトグラファーの小春ハルカさんが、ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、まるで映画のワンシーンを思わせる絶妙なニュアンスを得ることができるソフトフィルター、Kenko「ブラックミスト No.05 N」と、点光源を4本線のクロス効果で輝かせるクロスフィルター、Kenko「PRO1D R-クロススクリーン(W)N」を重ねて使用。その魅力をお届けします。

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目次

プロフィール

小春ハルカ

フォトグラファー 1995年生まれ、群馬県出身。2015年に初めての一眼レフカメラを購入し、写真を撮る楽しさに目覚める。2023年、フリーランスフォトグラファーとして活動を開始。「淡く華やかな世界」をコンセプトに、自然風景や季節の花、何気ない日常のシーンなど、心が動く瞬間を撮影。旅の取材撮影や企業タイアップ、写真講師など幅広く活動している。

「オールドレンズのような曖昧で優しい描写」Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N

「写真とは、日々に彩りを与えてくれるもの」と小春ハルカさん。写真を始めてから、何気ない瞬間や景色に感動することが多くなり、道端に咲く花に微笑ましくなったり、夕焼け空に感動したり、光が綺麗だと感じたり——、それまでは見慣れた景色でしかなかったけれど、写真によってさまざまな彩りに溢れる日々を過ごしているのだと、小春さんは気づきました。

「身近な景色や旅先などで、写真に残すのは“心が動く瞬間”であることが多いです。例えば、景色の移ろいとともに変わりゆく植物の姿や、綺麗な空、ふとした光が綺麗だと感じた時など、あまりジャンルにはこだわらず、その時感じた“いいな”を大切にシャッターを切っています」。

そう話す小春さんが、Kenkoのレンズフィルターと出会ったのは今から3年ほど前のことでした。

「SNSで見かけた、ブラックミスト No.05を使った写真に目が留まりました。光が柔らかく拡散され、幻想的な雰囲気の写真に感動したのを覚えています。私もブラックミストを使って作品を撮ってみたいと思い、即購入。いざ撮影をしてみると、『ブラックミスト No.05でこんなにも印象が変わるのか!』と感動しました。光の柔らかさや優しい描写、たった一枚のフィルターで私が理想とする写真を撮れたことが本当にうれしかったのを覚えています」。

ブラックミスト No.05の、被写体はきちんと際立たせつつナチュラルな描写や光が柔らかくなるところが気に入り、今日に至るまで、小春さんは普段からフィルターを愛用するように。ブラックミスト No.05を使うことで、さまざまなシーンで思い描く描写を手にすることができるようになりました。

使用レンズフィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N
「夕方の光と水の相性は、個人的にとても好きでよく撮影するのですが、フィルターを重ねて水飛沫を撮ったのは初めてで、細かい水滴まで綺麗に効果を発揮している点にとても感動しました。右上から差す一筋の光にも効果があり、より幻想的で煌めく水の世界を表現することができたと感じます。また、フィルターによって、発光している部分に色収差が出ているように見えます。場合によっては懸念されてしまうものですが、作品撮りにおいては、ニュアンスが加わりオールドレンズのような描写となるため、とても好きです」。

また小春さんは、ブラックミスト No.05に加えて、PRO1D R-クロススクリーン(W)Nも愛用しています。写真にアクセントを加えたい時や、明るくポジティブな印象の写真を撮りたい時に重宝しているといいます。

「PRO1D R-クロススクリーン(W)Nは点光源に4本線のクロス効果をもたらすフィルターで、今までは小さな複数の光源で効果を出す活用の仕方をしてきました。もちろんそれもすごく魅力的な描写が手に入るのですが、ある時偶然、夕方の時間に太陽の光が一筋、画角に入ってきました。4本線ではなく太い1本線が入って、被写体にスポットライトが当たるような表現となり、それがフィルターなしではなかなか出せない光だったので、とても感動しました。主役を引き立たせる効果や、物語性のある作品が撮れるなど、表現の幅が広がるのも感じましたね。それ以降、4本線だけでなく1本線での効果も取り入れるようになり、クロスフィルターの魅力をより実感するところとなりました」。

そして今回、小春さんは、お気に入りの2つのフィルター、ブラックミスト No.05とPRO1D R-クロススクリーン(W)Nを“重​​ねて使用”する撮影にチャレンジしました。

使用レンズフィルター:Kenko PRO1D R-クロススクリーン(W)Nのみ

使用レンズフィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N
「クロスフィルターのみと、そこにブラックミストを重ねた比較写真を撮ってみました。ブラックミストをつけると、中央の光源もフワッとグロー効果を発揮します。クロスフィルターだけだとどうしてもトゲッとしてしまうことがあったのですが、単品使いよりもさらに優しい印象になります。光と2つのフィルターをうまく扱えるようになると、心の底から『楽しい!』という感情が湧きあがってきました」。

「今までは、被写体を際立たせるために光の入り方を考える、ということが多かったのですが、2つのフィルターを重ねて使うことで、光そのものが主役になるような写真が撮れるのは本当に楽しかったです。普段なら見過ごしてしまいそうな場所でも、『2つのフィルターをつけたらどう見えるんだろう?』と、ちょっとした光や空間に敏感になり、足を止めたくなる場所にたくさん出会いました。そこで、私自身ハッとするような、そんな写真が撮れたことにも感動しました」。

逆光のシーンでは、クロスが強く出やすく、光を柔らかく拡散してくれるため幻想的な演出が可能に。夕方や夕日のシーンでは、オレンジ色が柔らかく強調され、太陽そのものが被写体に。ほかにも、水辺に映る光の反射や水滴、夜景の光、花火、点光源のあるアクセサリーなど、光さえあれば、2つのフィルター効果によってアクセントと優しさを加えることができます。そうしてつくり出される写真は、「まるでオールドレンズを使ったような曖昧で優しい描写をしている」と、小春さんは大感激。

使用レンズフィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N
「まだほんのり明るいマジックアワーの時間帯に花火をした一コマです。花火の撮影はとても難しくて、あまり納得のいく写真が撮れないものですが、今回2つのフィルターを使ったら、花火のパチパチ感や光がふんわりと広がる理想的なシーンを撮ることができました。ブラックミストの効果で花火の光源からふんわりと光が広がり柔らかい描写になりつつ、クロスフィルターの効果で花火の光源は大きな一つのクロスに。細かな火花もきちんとクロスされていて、花火のキラキラ感がしっかりと表現されています。クロスの中に虹色が出ているのもお気に入りのポイントです」。

フィルター撮影のBefore/After

1. 美しい光をより効果的に、幻想的に見せる

Before 使用フィルター:なし

After 使用フィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N

「陽が傾き始めた夕方、道路沿いの草むらで『光が美しい!』と感じて撮影しました。なんでもない景色でしたが、逆光でキラキラしていて、とても神々しく見えました。木々の間からこぼれる光を、フィルターを使って撮影したら幻想的になるのではと思い、モデルさんに立ってもらいました。光が一本の筋になるように、太陽が入りすぎないようにすると同時に、その筋が人物に被らないように、フィルターをくるくると回して調整しています。また、ワンピースの裾を持ってもらうことで、光の通り道を増やし、幻想的な雰囲気に。緑や暗い部分を背景に選ぶことで、光の効果がよりわかりやすくなるようにしています。最初に想像した通り、光が綺麗に差し込み、美しい森の中で踊っているようなイメージの写真が撮れて、とてもうれしかったですね」。

2. 写真に強さと温かさを共存させる

Before 使用フィルター:なし

After 使用フィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W) N

「夕方ごろ。川面に反射する太陽の光を背景に、一輪の花を主役にしました。撮影前にお花屋さんに行って生花を購入。フィルターのイメージに合う、ふんわりとしたお花を探している時間も楽しかったです。光が花に降り注いでいるような、イメージ通りの写真が撮れて、フィルター撮影の楽しさを改めて実感しました。主役は花にしたかったので、強い光の反射は画角から見切れる程度に調整し、さりげない光を取り込むように意識して撮影しました。F値開放だと光がぼやっとしすぎてしまったため、少し絞り光の芯を出しています。クロスフィルターの効果で一筋の光がさし、写真にインパクトが加わりました。またブラックミストの重ね付けによって、オレンジの光が全体にまわり、温かみのある印象になったと感じます」。

3. 夕刻の優しさと静けさを表現する

Before 使用フィルター:なし

After 使用フィルター:Kenko ブラックミスト No.05 N × PRO1D R-クロススクリーン(W)N

「日没前、太陽が低く傾き、水面にもオレンジ色が反射していました。シアー素材のワンピースだったので、オレンジが透けて綺麗だろうな、と思いモデルさんに立ってもらいました。ワンピースに透けるオレンジの光が柔らかくて綺麗で、差し込む太陽の光には、希望を感じるような印象を抱き、惹かれました。普段から、私が夕焼けの時間帯に撮る写真で表現したいのは“優しさ”と“静けさ”なのですが、フィルターを通すと、私の理想に近い表現ができます。実際に、フィルターのビフォーアフターを撮っている時が、『もはやフィルターがないと物足りない!』と最も感じた瞬間でした。ソフトフィルターの特性を生かすために、ワンピースをふわっと持ってもらうことで、柔らかな質感がより伝わるように表現しました。太陽の光や強い反射は全部を入れると効果が強く出すぎてしまう場合があるので、人工物を入れて光の差し込みを遮ったり、隅に見切れるように入れたりすると、写したいものはしっかり写しつつ、雰囲気のある写真を撮ることができます」。

使って実感するKenko ブラックミスト No.05 NとPRO1D R-クロススクリーン(W)Nの魅力

Kenko ブラックミスト No.05 N

ブラックミストは、ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、まるで映画のワンシーンを思わせる絶妙なニュアンスを得ることができるソフトフィルターです。ブラックミスト No.05は、発売中のブラックミストNo.1のソフト効果を半分に抑えたもの。ブラックミストNo.1は他のソフトフィルターに比べて、画面を白っぽくしないのが特長ですが、強い逆光や夜景では光の拡散が強すぎる場合がありました。その点ブラックミスト No.05は、夜景や逆光撮影にとくにおすすめです。

「花や人物撮影において、逆光や背後に光源やハイライトがあるシーンで活躍してくれます。被写体が主役になるような光の拡散具合が素晴らしく、コントラストが抑えられることで、柔らかい印象にも。花や、人物の肌の質感がなめらかになり綺麗に見せてくれるんです。また、夕焼けのシーンにも最適で、オレンジ色が柔らかく強調され、滲み出るような光の柔らかさが美しい、幻想的でドリーミーな印象をつくり出してくれます」。

Kenko PRO1D R-クロススクリーン(W)N

クロスフィルターは、点状の光輝部をクロス効果で幻想的にキラキラと輝かせ、写真にアクセントを加えてくれます。Kenko PRO1D R-クロススクリーン(W)Nは、点光源に4本線の効果が出る定番のクロスフィルターです。

「4本線の効果だけでなく、光源を画角に入れずに、線だけが入るように調整すれば、1本線も楽しめます。フィルターをくるくると回して、光が差し込む角度を調整するんです。太陽は斜陽の時間帯になればなるほど輪郭がはっきりしてくるので、一本線の差し込む光を出しやすくなるのでおすすめです。花や人物など、わかりやすい主題がある時に一本線の光を差し込ませることで、スポットライトが当たっているようなイメージになり、視線が主題に誘導される作品を撮ることができます」。

Kenko ブラックミスト No.05 NとPRO1D R-クロススクリーン(W) Nをセットで2名様にプレゼント!(※終了しました)

今回ご紹介したKenko ブラックミスト No.05 NとPRO1D R-クロススクリーン(W)Nをセットにし、抽選で2名様にプレゼントいたします。
Instagram、Xから応募ください。両方からの応募も大歓迎です!

GENICキャンペーン規約

応募方法

その1)Instagramアカウントで応募

Instagramで、GENIC @GENIC_mag とKenko公式 @kenkofilters.jp をフォローし、「Kenko ブラックミスト No.05 NとPRO1D R-クロススクリーン(W)N」プレゼントの投稿に"いいね"してください。

GENIC Instagram @GENIC_mag
Kenko Instagram @kenkofilters.jp

その2)Xアカウントで応募

Xアカウントで、GENIC @GENIC_web と Kenko公式 @KenkoTokina_JP をフォローし、「Kenko ブラックミスト No.05 NとPRO1D R-クロススクリーン(W)N」プレゼントの投稿をリポストしてください。

GENIC X.com @GENIC_web
Kenko X.com @KenkoTokina_JP

応募締め切り

2024年11月17日(日)23時59分

当選のご連絡

応募締め切り後、抽選を行いGENICのSNSアカウント
・Instagram @GENIC_mag
・X.com @GENIC_web
よりDMにて、当選者の方にのみ直接ご連絡を差し上げます。
※上記のアカウント以外から当選のご連絡を差し上げることはございません。偽アカウントにご注意ください。
※お届けは日本国内に限らせていただきます。
※アカウントを非公開にしている場合、リポストを確認することができないため応募対象外となります。
たくさんのご応募、お待ちしております。

プレゼントキャンペーンのお問い合わせ先

ミツバチワークス株式会社

Kenko ブラックミストのラインナップ

ブラックミストは、ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、レタッチなしで、撮ったその場でシネマティックな質感を得られるソフトフィルター。全部で3種類のラインナップがあります。

Kenko ブラックミストの基準となるソフト効果を持つのが「ブラックミスト No.1」で、2002年に発売されて以来、知る人ぞ知るフィルターの銘品としてプロの写真家にも愛用されてきました。現在発売中の、パッケージが新しくなった「ブラックミスト No.1 N」もフィルター効果は同様です。

そして、ブラックミストブームを巻き起こしたとも言われるのが、今回紹介した2020年発売の「ブラックミスト No.05」です。2024年7月には、リニューアル版として「ブラックミスト No.05 N」を発売。フィルター効果はそのままに、撥水・撥油コート、薄枠仕様になっています。

2023年に発売された「ブラックミスト プロテクター」も人気商品のひとつ。ブラックミスト No.1の1/4相当、ブラックミスト No.05の1/2相当とソフト効果を弱めたことで、“つけっぱなし”で使えるブラックミストとして登場しました。逆光や強い光源のあるシーンではほんのりと効果を上げることができ、動画撮影にもおすすめです。

Kenko クロスフィルターのラインナップ

Kenkoのクロスフィルターには、今回紹介した点光源を星のようにキラキラ輝かせる「クロスフィルター」と、映画撮影に使用されるアナモルフィックレンズのように、光線状のフレア効果が手軽に得られるレンズフィルター「アナモフレア」があります。

クロスフィルターは、スタンダードタイプと、光の線が短めのトゥインクル・スターシリーズの2タイプ。クロス線の本数が4本、6本、8本の展開となっていて、全ラインナップで6種。
4本線は、今回紹介した「Kenko PRO1D R-クロススクリーン(W)N」に加え、光の線が長く出すぎないのを特長とする「PRO1D R-トゥインクル・スター(W)」があります。6本線は、スタンダードタイプ「PRO1D R-スノークロス(W)」と、それよりも短い長さのクロスで輝かせる「PRO1D R-トゥインクル・スター6X(W)」。8本線は、スタンダードタイプの「PRO1D R-サニークロス(W)」と、ほどよい長さのクロスで輝かせる「PRO1D R-トゥインクル・スター8X(W)」があります。

「撮影体験に、さらなる喜びを」

カメラ用光学フィルターの専門ブランドである「Kenko Filters」。60年以上の歴史を持つ光学設計のノウハウを結集した、ブラックミストシリーズなどの高品質な光学フィルターは、写真や映像に豊かな表現力を与え、クリエイティブな可能性を広げます。

”共鳴” | Kenko Filters

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