マーティン・パー(Martin Parr)
1952年、ロンドン郊外サリー州エプソム生まれ。祖父から写真の手ほどきを受けた後、1970年から1973年までマンチェスター・ポリテクニックで写真を学ぶ。イギリス人写真家 トニー・レイ・ジョーンズに似通った初期のスタイルは、ドキュメンタリーと嘲笑の融合であった。1994年に写真家集団「マグナム・フォト」に入会。2013年から2017年まで会長を務める。あらゆるものが手に入り、もはや何事も意味をなさない、くびきを解かれて迷走する世界の兆候を捉え続けた。著書は約100冊、全3巻のバイブル「The Photobook: A History」(Phaidon、2004年、2006年、2014年)を含め編集者として名を連ねたのは約30冊にもおよぶ。2019年にはロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで個展「Only Human」を開催。2006年のエーリッヒ・ザロモン賞や2017年4月の写真への顕著な貢献に贈られるソニーワールドフォトグラフィーアワード特別功労賞など、これまでに数々の賞を受賞。テート美術館やポンピドゥー・センター、ニューヨークのMoMAのコレクションなど数多くの一流コレクションに所蔵されている。
2017年秋に、マーティン・パー財団がブリストルに開設された。
マーティン・パーが写し出す「不実のアルビオン」
1998年から現在までに、イギリス各地でのリアルな暮らしや人々を撮影。未発表を含む約100点もの写真が、労働者階級や貴族たちの日常生活を写し出しています。ピクニックや結婚式、海水浴──フラッシュとノンフィルターで撮影され浮き彫りになる、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの人々のレクリエーションやマニアックな活動。フルスクリーン画像やランドスケープフォーマットで、ありふれたワンシーンから、大きなイベントまで様々な日常が埋め尽くされています。
本書のために取材した、グラストンベリー·フェスティバルと戴冠式の様子を対局的に掲載。疲労と歓喜に湧く群衆が溢れ返る中、黒い羊や白い帽子、キャンディピンクのメレンゲが、ポップな配色の彩りにスパイスを添えています。
ページをめくるごとに繰り返し登場するのは2つのエンブレム。1つはイギリスでは季節を問わず必需品とされる傘。2つ目は、写真家ロバート·フランクが憂鬱と星条旗を生々しく捉えた1958年刊の写真集『The Americans』を讃えたユニオンジャックです。
本書を通して漂うのは、マーティン·パーが写真集『The Cost of Living』(1989年)、『Signs of the Times』(1992年)などで確立した皮肉っぽい雰囲気。そこから40年を経た現在、自身の父親が鳥を観察していたのと同じ辛抱強さで、仲間たちを観察しています。世界中を駆け巡るマーティン・パーが、憎らしいほど愛してやまない「不実のアルビオン」の旅に、永遠に駆り立てられていることを象徴しています。
書籍「ファッション・アイ ユナイテッド・キングダム」情報
価格:6,820円(税込)
ページ:118ページ、写真106点
サイズ:23.5 × 30.5 cm
仕様:
エンボス加工のキャンバス装カードボードカバー(板紙表紙)
フォトグラファーの経歴ならびにエッセイ、写真キャプションはフランス語、英語の2ヶ国語表示
テキストには1932年にパウル·レナーがデザインし、ライノタイプ社(ドイツ)がデジタル化して販売しているフォント、Futuraを使用
イタリアでSymbol Freelife Gloss Premium White 170 g、Munken Lynx 120 g、Munken Print White 90 gに印刷
写真家:Slim Aarons
編集主幹:Patrick Remy
販売店:ルイ ・ヴィトン ストアおよび公式サイト
ISBN:978-2-36983-406-9
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